貴子さんの赤ちゃんの検査に来たマーカス
早速壁にぶち当たります
次の日の朝…
「おしぇんたくおわい‼︎」
「くっこおもおわいまちたか‼︎」
「よし‼︎これで終わりだ‼︎」
朝から洗濯物を干していたひとみといよとアーク
この日は隊長は午前中哨戒任務、俺は横須賀に貴子さんの様子を見に行っていた
万が一基地に何かがあれば母さんもいるし、ローマやグラーフもいる
「今日はご希望に沿ってグラタンにしました」
昨日ほとんどの連中から”はまかぜだ。グラタンだな”と言われたので、朝食は本当にグラタンを出して来た
「ほたて‼︎」
「おいち〜‼︎」
俺も行きしなに食べたが、ホタテが入ったグラタンは味が濃くて体が良く温まった
「たかこしゃんのあかしゃん、あんておなまえかあ⁇」
「てんぷあちぁん‼︎」
「かああげちゃんかも‼︎」
「ユニーク過ぎないか⁉︎」
ひとみといよがケラケラ笑う横で、いよの隣にいたアークがツッコミを入れた
「くっこおあんとおもう⁇」
「そうだなぁ…」
アークは腕を組んで悩む…
「ウィリアム殿がてぃーほうの名付け親なら、タカコさんの名前を尊重して付けたはず…ならばタカコさんはウィリアム殿を尊重して英語圏の名前を付けるはず…と、アークは読んだ‼︎」
「ぽれとふあいちぁん‼︎」
「ふあいどちきんちぁん‼︎」
ひとみといよが付けた名前は、ポテトフライちゃんと、フライドチキンちゃん
「結局揚げ物か‼︎」
俺と隊長が帰るまで、名前当ては続く…
横須賀に着き、貴子さんがいると聞いた医務室に来た
「明石。俺だ」
「マーカスさん‼︎」
医務室にはいつも通り明石がおり、今正にベッドのシーツを敷き直している
「貴子さんは何処だ⁇」
「貴子さんはさっき外に出ましたよ⁇」
「大丈夫なのか⁇」
「えぇ‼︎何度も検査しましたけど、特に異常は無いどころか、お腹が空いた‼︎こんな事じゃ母乳も出ないわ‼︎と言ってついさっき繁華街へ‼︎」
それを聞いて、俺は上を向いて少し困り顔をしながら笑う
横須賀の傷病人に出される食事はまぁまぁ美味い物だが、貴子さんからしちゃ全く足りなかったんだろうなぁ…
「赤ちゃんは⁇」
「赤ちゃんは流石に置いて行って貰いました‼︎保育器に入ってますよ‼︎ご覧になります⁇」
「あぁ‼︎」
明石がシーツを敷き終わると同時に、保育器の場所に連れて来て貰う
「此方です‼︎」
「おぉ…」
そこには少し大きめの保育器があり、中にはおしゃぶりを咥えてハイハイする赤ちゃんがいた
「はは。可愛いな…」
赤ちゃんを見て、自然と笑みがこぼれる
赤ちゃんは保育器の中で既にハイハイをしているが、もうその位では驚かないでいた
「随分デカイ保育器だな⁇」
「艦娘用に特注品を造ってあったんです‼︎」
「なるほど…」
しばらく赤ちゃんを見ていると、赤ちゃんは保育器の蓋である、透明な強化プラスチックに触り始めた
「あの保育器は頑丈ですからね。早々壊れる事はありませんよ‼︎」
「自分の顔が映って不思議なん…」
ゴン‼︎
赤ちゃんが強化プラスチックに頭を打った
が、泣く事はせず、強化プラスチックに映る自分の顔を見つめている
「頭打ったんじゃないか⁉︎」
「開けましょう‼︎」
ゴン‼︎ゴン‼︎
頭を打ったんじゃない…
あれは意図的に頭突きしている‼︎
「開けますよ‼︎」
ゴンッ‼︎ゴンッ‼︎
「オーケー‼︎」
保育器が開き、赤ちゃんを抱き上げる
「よいしょっ‼︎凶暴な奴だ‼︎ははは‼︎」
赤ちゃんは長めの瞬きをしながら俺の目を見ている
赤ちゃんの頬を人差し指で撫で、ようやくまともに顔を見る事が出来た
「顔は貴子さん似か⁇」
「美人さんになりますよ、きっと‼︎…レイさん‼︎これ見て下さい‼︎」
明石の手元には、保育器の蓋があり、ヒビが入っている
「大丈夫なのか⁇どれどれ…」
赤ちゃんの額を見る
が、血が出ているどころか、赤くすらなっていない
「こりゃ貴子さんに似たな…」
「あはは…」
明石も俺も苦笑い
赤ちゃんは完璧に貴子さんの血を継いでいる
大人でさえ素手で殴っても傷一つ付かない強化プラスチックの保育器を頭突きで破壊する子だ
丈夫な子に育つだろう
「明石。保育器まだあるか⁇」
「えぇ。此方に‼︎」
「さっ‼︎お母さんが帰って来るまでここにいような〜」
横にあった空の保育器に赤ちゃんを入れた途端だった
ガンッ‼︎ゴンッ‼︎
赤ちゃんは保育器に入った後、明石と俺の顔を1回ずつ見た後、すぐさま頭突きを始めた
「だぁ〜っ‼︎分かった分かった‼︎」
「保育器が嫌なんですよ‼︎」
再び保育器を開け、赤ちゃんを抱き上げる
抱き上げたら抱き上げたで、今度は大人しくなる
「保育器が嫌となるとどうすりゃいいんだ…」
「床なんてとんでもないですもんね…」
かと言って、抱きっ放しな訳にもいかない
赤ちゃんがいても不思議じゃなく、安全な場所…
ここ最近の赤ちゃん…
「…そうだ‼︎学校の保育部だ‼︎明石、赤ちゃんを頼む。貴子さん呼んで来る‼︎」
「わっかりました‼︎」
明石に赤ちゃんを預け、繁華街に貴子さんを探しに向かう