敵性勢力であった艦載機を保護し、説得に成功した彼は“フィリップ”と名乗りました
このお話では、そんな彼が、パパのために一肌脱ぎます
「どうだ、周辺の海域に異常は無いか⁇」
《イマノトコロハナイヨ》
「了解した。引き続き基地周辺の哨戒に当たってくれ。異常があったらすぐに知らせるんだぞ⁇」
《ラジャー》
無線を切り、空を見つめる
あれからフィリップは、驚くべき回復力を見せた
話を聞くと、フィリップは母艦が撃沈され帰る場所を失い、不時着しようと場所を探し、ここに辿り着いたらしい
直った後、彼を空に帰そうとした
が、いかんせん帰る場所がない
それからと言うもの、フィリップは自主的に基地の周辺の警備をしてくれている
「パパ、あのひこうきは⁇」
「パパのお友達だ。仲良くするんだよ⁇」
「ふぃりっぷ︎」
《タイホウチャンカイ⁇オルスバンオネガイネ⁇》
「うんっ︎ふぃりっぷもきをつけてね︎」
《ラジャー》
ああ見えて、フィリップは面倒見が良い
たいほうが基地周辺の散策をしている時も、ちゃんと周囲を警戒してくれている
”提督、ちょっと来てくれへんか⁇えぇもんでけてん”
「分かった。たいほう、行くぞ」
無線機を内ポケットに入れ、たいほうと手を繋いで部屋を出た
”これや︎”
「おぉ…」
建造ドックに置かれていたのは、真っ白なジェットスキーと、レバーアクションのライフル
”何かあった時にすぐ様子見出来る様に造ったんや。バックパックには、応急処理程度やけど手当が出来るキット、後は防水加工のライフルとそれ入れる肩がけの入れもんや”
「仕事早いな…素晴らしい」
”敵味方関係無く助ける提督に惚れて造ったんや。戦闘機もちょっとずつやけど進行しとるで⁇”
「ありがとうな。これは絶対使う時が来る」
”たいほうにはこれや”
妖精が取り出したのは、”F”と書かれたカートリッジ
”これにフィリップを格納出来るんや”
「スゲェな…」
「たいほうにくれるの⁇」
”せや。それで毎日フィリップ発艦さしたり。フィリップは艦載機やさかい、そっちからの方が綺麗に飛べる”
「たいほうがんばるね」
「ん、いい子だ」
カートリッジを大事そうに抱え、彼女の頭に置いた私の手を嬉しそうに堪能する
「さっ︎そろそろフィリップが帰って来る。準備しよう」
「ようせいさん、ありがとう︎」
”用心し〜や〜”
私達は建造ドックを出た
「どうだフィリップ。そろそろ哨戒を解こう。疲れたろ」
《ラジャー》
「よし、今日からたいほうが母艦の代わりになる。着艦体制が取れ次第連絡してくれ」
《ラジ…チョットマッテ》
「どうした⁇」
《シンカイセイカンダ…》
「何…」
平和だった基地に、緊張が走る
《シンカイセイカンイッセキカクニン︎》
「様子を見れるか︎」
《ラジャー》
その言葉を最後に、しばらく連絡が無かった
「帰るべき場所に帰っ…」