艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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262話 雷鳥を線路として使うベイビーギャル(2)

「た、タカコ‼︎」

 

しばらくガサゴソした後、アトランタは何かを手にし、ハイハイで俺の方に向かって来た

 

「何台あるのよ…」

 

アトランタがおもちゃ箱の中から出して来たのは替えパースィー

 

「アトランタ⁉︎投げちゃダメよ⁉︎分かった⁇」

 

アトランタは貴子さんの言葉に聞く耳持たず、アークの横も通り過ぎて俺の所に来た

 

横向けでダウンしている俺を、アトランタはグイグイ押し、うつ伏せにさせる

 

俺がうつ伏せになると、アトランタは俺の体をヨジヨジ登り、背中に跨る

 

そして、パースィー片手に両手を上に上げてチャンピオンポーズを取り、背骨に沿ってパースィーを走らせ始めた

 

「なんと楽しそうな…」

 

「アトランタ‼︎降りなさい‼︎」

 

流石に貴子さんもアトランタに対して声を上げる

 

「いや…いいんだっ…」

 

「ビビリ‼︎」

 

「マーカス君‼︎」

 

「アトランタは楽しそうか⁇いでっ‼︎あだっ‼︎」

 

俺が話した途端、アトランタはパースィーを俺の頭にゴンゴン当てる

 

「分かった分かった‼︎」

 

「ビビリどうする。動けないぞ」

 

「朝ごはん出来たら流石に降りるだろ。それまでは線路になるっ‼︎アーク、俺の部屋からタブレット取って来てくれないか⁇」

 

「分かった‼︎」

 

アークが食堂から出た後、貴子さんが来た

 

「アトランタ〜っ‼︎降りなさい〜っ‼︎」

 

貴子さんはアトランタを脇から抱え、何とか降ろそうとするが、アトランタは足で俺の体をガッチリ掴み、離れまいと抵抗する

 

「いいんだ貴子さん‼︎」

 

「苦しくない⁉︎」

 

「清霜で慣れたさっ」

 

「…じゃあ、今だけ‼︎今だけだから‼︎」

 

「勿論さ‼︎あだっ‼︎」

 

アトランタは喋るなと言わんばかりに俺をパースィーで殴る

 

「持って来たぞ‼︎」

 

「ありがとうっ」

 

アークにタブレットを持って来て貰い、俺はそれを床に立てて動画を見始める

 

こうしていると、アトランタは大人しくパースィーで遊び始めた

 

「あだだだだ…」

 

時折、アトランタは後頭部までパースィーを走らせて来る

 

「アトランタ⁇アークと遊ばないか⁇」

 

アークの近くには、子供達が遊んでいるおもちゃが沢山

 

アトランタは一瞬手を止めてアークの方を向いたが、すぐに俺を線路にし直す

 

「き、効かないだと⁉︎」

 

「さ‼︎朝ごはん出来たわ‼︎」

 

テーブルに朝ごはんが並び、アークが椅子に座る

 

「アトランタ。俺も朝ごはん食べたい」

 

しかし、アトランタはダメと言わんばかりに俺の重心に座り直す

 

「ビビリ。物凄いジト目で見られてるぞ」

 

「もぅ…アトランタ…」

 

俺は様子が分からないが、アークと貴子さんの反応でアトランタの様子が大体分かった

 

「おはよう…」

 

朝ごはんのタイミングで隊長が起きて来た

 

「ウィリアム」

 

貴子さんが無言で目線を送る

 

「ん⁇こらこらアトランタ〜‼︎」

 

事に気付いた隊長は、アトランタを降ろしに来てくれた

 

あれだけ貴子さんが降ろせなかったアトランタだが、隊長が同じように脇から手を入れるとすんなり降りた

 

しかし…

 

「いだっ‼︎」

 

アトランタは抱っこした隊長に対して頭突きをかます

 

「アトランタ‼︎おっぱい無しよ⁉︎」

 

「それはいかんな‼︎大人しくしいでででで‼︎」

 

おっぱい無しになったのはお前のせいだと言わんばかりに、アトランタは隊長の頬を引っ張る

 

その間、勿論ジト目

 

「ほらほら‼︎お腹空いてるのかしら…」

 

ようやく貴子さんの手に渡り、授乳の為に一旦食堂を出た

 

「なんとまぁ凶暴だ…」

 

「おしぇんたくおわい‼︎」

 

「あしゃごはん‼︎」

 

ひとみといよ、そしてグラーフが洗濯から帰って来た

 

「えいしゃん、ぱぱしゃん、おはよ‼︎」

 

「おはよ‼︎」

 

「おっ‼︎おはよう‼︎ありがとうな⁇」

 

「ご飯にしような‼︎」

 

朝からアトランタにボッコボコにされた俺達は、ひとみといよを見て何故かホッとする

 

「隊長もオトンもボッコボコ」

 

「理由は分からんが懐かれないんだ。レイに至っては線路になってる」

 

「アトランタにも敷かれて、嫁の尻にも敷かれる。ははは、オトンは敷かれる運命」

 

「うぬぐぐぐ…言い返せんのが辛い‼︎」

 

グラーフの言葉で少し場が和み、朝ごはんを食べる…

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