艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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題名は変わりますが、前回のお話の続きです

マーカスと横須賀、そしてヒュプノスが飲茶“丹陽”にいる時、親潮と赤城は高台の松の木の下で遊んでいます

何をしているのかな⁇


267話 大きな松の木の下で

その頃親潮と赤城は、繁華街の先にある高台にいた

 

「これ」

 

赤城は足元に沢山転がっているまつぼっくりが気になる様子

 

「それはまつぼっくりです」

 

「まつぼくい」

 

「木に沢山なってます」

 

親潮が上を向くと、赤城も上を向く

 

「まつぼくい」

 

「取ってみますか⁇」

 

「とる」

 

そう言うと赤城は軽々と親潮を抱き上げ、肩車をする

 

「取れました‼︎」

 

親潮は手に二つのまつぼっくりを持ち、赤城から降りた

 

「はい、どうぞ‼︎」

 

「おやちお、ありがと」

 

「どう致しまして」

 

親潮と赤城はすぐ近くに備えられた石造りのベンチに座り、小休止を取る

 

「まつぼくい。これもまつぼくい」

 

赤城の手の中で、コロコロ動くまつぼっくり

 

どうやら赤城はまつぼっくりをボールか何かと思っているみたいだ

 

「種なんですよ⁇」

 

「たね」

 

「土に埋めると、この木になるのです」

 

「ぼーる」

 

「ボールにしては形が危ないですからね…投げたらダメですよ⁇」

 

「ん」

 

赤城はしばらくまつぼっくりを手元で遊んだ後、何も生えていない場所に目を向けた

 

「たね、うめる」

 

「埋めてみましょう‼︎」

 

親潮と赤城はその辺にあった木の枝で地面を掘る

 

数分掘り続けると、まつぼっくりが十二分に入る穴が二つ出来上がる

 

「おやちおのまつぼくい」

 

「ありがとうございます」

 

赤城からまつぼっくりを受け取り、互いに土に埋める

 

「大きくなるといいですね⁇」

 

親潮がそう言うと、赤城はいつもの様にほんの少し微笑んでいるよりも、また少し微笑む

 

「そろそろお昼ごはんですね」

 

「ごはん」

 

親潮は赤城に対し、父親がいつもそうしているのを見ているのか、自然と赤城と手を繋ぎ、執務室の方へと足を向ける

 

「今日は何でしょうか⁇」

 

「おにく」

 

「何のお肉がいいですか⁇」

 

「とりにく」

 

他愛の無い会話をしながら、繁華街まで降りて来た

 

「おっ‼︎いたいた‼︎」

 

「親潮‼︎赤城‼︎ご飯食べましょー‼︎」

 

階段を降りた所には、丁度親潮と赤城を探しに来た親二人がいた

 

「おとうさん、おかあさん」

 

「手を洗わなければいけませんね⁇」

 

「おてて、あらう」

 

繁華街の入り口に備えられた水道で手を洗い、ようやく二人の所に来た

 

「おかえりなさい‼︎」

 

「今日は何したんだ⁇」

 

「まつぼくいうめた」

 

「まつぼっくりを埋めて、育つかどうかの観察です‼︎」

 

「そっかそっか‼︎育つといいな⁇」

 

大好きな親二人に報告する二人は、いつだって明るい

 

悪い事以外は、絶対に褒めてくれるからだ

 

そんな横須賀の胸には、新しく繁華街に出来た“チキンランド・ミズホ”と書かれたバーレルに、山盛りに入れられたフライドチキンがあった

 

「本当に鳥肉でしたね⁇」

 

「からあげ、ちがう」

 

赤城にとっては、からあげとはまた違う鳥肉が出て来た

 

四人は繁華街の中心にある四人掛けのテーブルに座る

 

「これはフライドチキンよ⁇」

 

「ふらいどちーきん」

 

「こうやって、持つ所に紙を巻いて食べるんだ」

 

「いただきます」

 

赤城がフライドチキンを食べる様を、三人共手を止めて眺める

 

「おいしい」

 

「それは良かった‼︎」

 

「沢山あるから、いっぱい食べるのよ⁇」

 

赤城は両手にフライドチキンを持ってご満悦

 

その傍らで、親潮と横須賀は同じ顔と同じ食べ方をしている

 

フライドチキンを横に持ち、一番美味しい所から食べる食べ方だ

 

「どう⁇美味しい⁇」

 

「おいしい」

 

「美味しいです‼︎」

 

「チキンランド・ミズホは、これからしばらくはお試し期間で横須賀にいるの。また赤城達と食べに行きなさい⁇」

 

「ふらいどちーきん」

 

赤城も親潮も気に入った様子

 

特に赤城のお気に入りになったみたいだ

 

「さてっ。俺は早めに帰るよ」

 

「そうね。今日はありがとう、楽しかったわ⁇」

 

「また今度行こうな⁇」

 

「はいっ‼︎親潮、お待ちしております‼︎」

 

「ふらいどちーきん」

 

帰る直前になっても、赤城は俺にフライドチキンを見せてくれる

 

「そっ。フライドチキンだ。今度来たら、サラのチキンとどっちが美味しいか聞かせてくれ」

 

「さららちーきん」

 

「サラダチキンじゃないぞ⁇サラのチキンだぞ⁇」

 

赤城が何処かで覚えたサラダチキンとの単語を言い、親潮も横須賀も微笑む

 

赤城の頭を撫で、俺は基地に戻る…

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