艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

927 / 1101
270話 第三居住区建設区画視察(3)

「ないな…」

 

五人で探し回るが、それらしき場所は見当たらない

 

「地下にある、とまでは大湊側でも情報を得たのですが…」

 

「仕方ない…最強のコンシェルジュに頼ろう」

 

横須賀に通信を繋げる…

 

《親潮。この基地の地図を出せるか⁇》

 

《先程、大淀博士から伝達を受けてスキャニングをしているのですが…ジャミングの影響でしょうか、その施設に地下室は見当たりません》

 

「なら別の場所か…⁇」

 

考えろ…

 

何処にある…

 

俺なら何処に地下室を置く…

 

「あ…」

 

「何か案がありましたか⁇」

 

「工廠だ」

 

サラは工廠の隅に地下室の入り口を置いていた

 

工廠なら限られた人間しか入れないし、秘匿にはうってつけだ

 

「ここに無いと言われればそれきりですものね…行ってみましょう」

 

棚町が派遣した工作員と共に、工廠を目指す

 

「そういえば、名前を聞いていなかったな」

 

「申し遅れました。小林と申します、オルコット大尉」

 

「俺の名前は知ってるのな…」

 

「職業柄、自分の素性は露見せずに相手側を調べる事が多いもので…」

 

「そうだな…その気持ちは良く分かる」

 

良く似た事を昔していたからこそ、彼の言っている事は良く分かる

 

「…少し、関係の無いお話をしても⁇」

 

「楽しいのを頼むぞ」

 

「森嶋は元気ですか⁇」

 

「お。知り合いか⁇」

 

小林は工廠に着くまでの間、森嶋の名前を出して来た

 

「彼がSPをしていた時に知り合いになりまして…私の良き理解者です」

 

何故そのタイミングで森嶋と知り合いになったか、何となく想像が出来た

 

「彼が居なければ、私は本当に今ここの研究員だったのかも知れません」

 

粗方想像と合っているだろうが、ここは詮索しないでおこう…

 

「今度、結婚と出産祝いを持って行ってやるといい」

 

「分かりました」

 

この小林、飲み込みが早い

 

「さて…」

 

いざ工廠に着くと、再び五人が集まる

 

《創造主様。聞こえますか⁇》

 

丁度集まった所で、親潮から通信が入る

 

「どうした⁇」

 

《一部分はジャミングの影響下にありますが、大凡の基地一帯のスキャニングが完了しました。やはり地下施設は工廠にある模様です》

 

「ビンゴだ。誘導出来るか⁇」

 

《畏まりました。正面の扉から、一番奥に向かって下さい》

 

親潮の誘導で、俺達は工廠の一番奥に向かう

 

「爆弾だ…」

 

大淀博士の目線の先には、工廠で作られたまま放置されていたのは、イーサンに巻き付けられたのと同型の爆弾

 

「あっちは深海の主砲です」

 

健吾の前には、深海の艤装…その中でも人が携行可能なサイズの主砲がある

 

「地獄絵図だな…」

 

そう発した直後、大淀博士が俺の左側に来た

 

「今はレイ君の“助手”になるよ‼︎」

 

《創造主様。右の角にフェンスがございませんか⁇》

 

親潮の誘導で右を見るとフェンスがあり、カードキーとパスワードを打ち込む機材があるのが見えた

 

「ある。カードキーを通せば良いか⁇」

 

「大淀さんがハッキングしよう」

 

《待って下さい。その扉は、カードキーを通した後にパスワードを打ち込まなければ解錠出来ません。それに、一度間違えるとそのカードキーでは開かないシステムになっています。創造主様、通信を切り替えますね⁇》

 

親潮に何かを言おうと思った瞬間には、もう通信が切り替わった

 

《アタシがパスワードをハッキングして打ち込んだげるわ。いい⁇ちょっとでも力で開けようとしたら、もう開かないわよ⁇》

 

「ヘラか。助かる」

 

「見ておこっと…」

 

切り替わった無線の主はヘラ

 

ヘラなら電子施錠の機材をハッキングする位簡単だ

 

大淀博士はヘラの実力を見たいのか、パスワードを打ち込む機材を見始めた

 

《カードキーを通して頂戴》

 

ヘラに言われ、カードキーを通す

 

緑のランプが点き、パスワード入力画面になる

 

「よし、通した」

 

《待ちなさい》

 

あっという間にパスワードが打ち込まれていく…

 

《さ。開いたわ。気を付けて行きなさい》

 

「ありがとう、ヘラ」

 

《これ位いつでもっ。じゃあね》

 

ヘラとの通信が切れ、大淀博士とアレンがニヤケているのが見えた

 

「ヘラちゃんの早さにも関心したけど、やっぱりレイ君の子だね〜」

 

「ちゃんと意思は継がれてるな⁇」

 

「有り難い事だ。さぁ、行こう」

 

《そのフェンスの先に、地下に続く階段があります。そこから向かって下さい》

 

「地下には何がある⁇」

 

《現状は不明です。此方でも解析は進めていますが、地下がジャミングの影響が一番強いです》

 

「未知との遭遇、だな⁇」

 

《創造主様。どうかお気をつけて…》

 

「了解した。行って来る」

 

いざ地下へと足を踏み入れる…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。