基地に帰って来たアトランタ
どうやらアトランタは鯉のぬいぐるみを別のおもちゃと思っており…
基地に帰り、アトランタは手洗いをしてからテレビの前に降ろされた
「いい⁇アトランタ。暴れちゃダメよ⁇」
カーペットの上に降りたアトランタが一目散に向かって行った先には、俺がいる
「おっ‼︎アトランタ‼︎ぬいぐるみ買って貰ったのか⁇」
ハイハイで目前まで来たアトランタは、俺の目の前で座り、鯉のぬいぐるみを掲げた
「良かったな‼︎アトランタもぬいぐるみ欲しかったんだな⁉︎」
カーペットの上には、ひとみといよのイルカのぬいぐるみもある
そのひとみといよはお風呂に行き、今カーペットの上にいるのは俺とアトランタだけ
「おっ」
カーペットの上に置かれたイルカのぬいぐるみの横に、アトランタは鯉のぬいぐるみを置く
どうやら並べたかったみたいだな
数秒並べた後、アトランタはオモチャ箱をガサゴソし始める
…奴か⁇
…奴を出すのか⁇
「アトランタ⁇パースィーは良くな…」
アトランタが持って来たのは相変わらずパースィーだが、今回は様子が違う
昼間ひとみといよ達と遊んでやり方を覚えたのか、器用にパースィーの電源を入れる
アトランタの手元でシャカシャカし始めると、パースィーをカーペットの上に置いて走らせ始める
パースィーが壁に向かって走り始めたのを見て、アトランタは鯉のぬいぐるみを手に取る
パースィーにそうした様に体を反転させ、何かを探す
目当ての物がなかったのか、アトランタは俺の方を向いて鯉のぬいぐるみを差し出した
パースィーの様に動かせ‼︎と、目で訴える
「鯉さんは走らないぞ⁇こうやって、撫でてあげるんだ」
それでもアトランタは鯉のぬいぐるみを押し付ける
何とかして走らせろ‼︎と…
「コラコラ、アトランタ」
隊長に抱き上げられたアトランタ
「鯉のぬいぐるみは走らないぞ⁇」
アトランタなりに分かっているのか、隊長には鯉のぬいぐるみを押し付けない
俺はアトランタに期待されているみたいだな…
いいだろう…その期待に応えてやる…
俺はみんなが寝静まった後、工廠に篭った…
次の日の朝…
「おはようマーカス君‼︎」
貴子さんが工廠まで呼びに来てくれた
「おは…もうそんな時間か⁉︎」
「忙しかった⁇」
「ふっふっふ…たまにはおもちゃでも作ろうかと‼︎」
「そっかそっか‼︎マーカス君は将来おもちゃ屋さんの道もあるのね。そっかそっか…」
貴子さんが笑い、俺も笑う
「朝ごはん、こっちに持って来よっか⁇」
「もう完成したので行きます‼︎」
「行きましょ‼︎」
机の上に置いた“それ”をポケットにしまい、貴子さんの後ろを着いて行き、食堂で朝ごはんを食べる…
朝ごはんを食べ終えた後、俺は夕方の哨戒任務まで子供達と遊ぶ
「アトランタはこっちだぞ」
隊長に抱き上げられ、アトランタは執務室に連れて行かれる
ひとみといよは既に執務室に行った
「アーク。ちょっと任せていいか⁇」
「ウンチッチか⁇」
「違わい‼︎」
「ここはアークに任せろ‼︎」
アークに食堂にいる子供達を任せ、俺も執務室に向かう
「隊長。入っていいか⁇」
「いいぞ」
執務室のドアを開けると、隊長は机に向かって書類仕事
執務室の中心では、ひとみといよ、そしてアトランタが電車の模型で遊んでいる
「びう‼︎」
「れぱ〜と‼︎」
レールの先にはビルとデパートがある
アトランタはレール先端から、装甲列車を構えている
「「すた〜ろ‼︎」」
ひとみといよの掛け声と同時に、アトランタは装甲列車を発進
「ろっか〜ん‼︎」
「ばあばあです‼︎」
ビルもデパートも見るも無残に大破
「…今日はまだマシだな」
隊長が恐ろしい事を呟いている…
「普段そんなにヤバいのか⁇」
「あぁ。この前は村を丸ごと轢き逃げしてたからな…」
「う、う〜ん…」
実に子供らしい遊びだが、もうちょっと可愛く遊んで欲しい
ので、俺は一晩掛けてとある物を作っていた
「ひとみ、いよ、アトランタ‼︎」
「あいっ‼︎」
「ど〜しあしたか‼︎」
ひとみといよが反応し、それと同じくアトランタも俺に目を向けた
「この子も友達にしてくれないか⁇」
三人の前に屈み、ポケットから作っていた物を取り出す
「いうかしゃんら‼︎」
「くえうの⁉︎」
取り出した物は三つ
二つは電動で走るイルカ
これはひとみといよの分
そして、もう一つを見たアトランタは目をキラキラさせた
「走る鯉さんだ‼︎」
三人共早速それらを手に取り、レールの上に走らせる
「いうかしゃんれっつお〜‼︎」
「いけ〜‼︎」
先に走らせたのはひとみといよ
アトランタはイルカが行ったのを見た後、走る鯉の模型をレールの上に置いた
レールの上を走る鯉は非常にシュールだ…
アトランタはそれを見て、お腹の前で拍手を送る
「えいしゃんあいあと‼︎」
「あいがと‼︎」
「仲良くな⁇」
三人の頭を撫でて食堂に戻ろうとした
「おぉっ⁉︎どうした⁉︎」
その時、アトランタが物凄い力で俺の足を掴み、もう一度屈ませる
すると、アトランタは俺に抱き着き、胸板に頬を擦り付けた
「えいしゃん、あいあと〜って‼︎」
「あとあんた、あいがと〜って‼︎」
「珍しいな⁇私か貴子にしかしないんだぞ⁉︎」
普段から人差し指で撫でてくれたりはするが、こうしてスリスリしてくれるのは初めてだ
「ドッカーンしちゃダメだぞ〜⁇」
アトランタのスリスリを堪能した後、俺は食堂に戻り、いつもの日常へと戻った…
テレビの前に降ろされる度に貴子さんに釘を刺されるアトランタ