扇情的に誘う姉
人の話を聞かない妹
そのどちらも魅力的であり、自動的に男を落とす
そんな中、一人の少女まで…
同時刻、教会前広場
「遅れてしまいましたね…」
「出来るレディは、ほんの少しだけ華を持たせるのよ⁇」
姉が微笑み、妹もうっすらと微笑みを返す
「参りましょう、姉さん」
「行きましょう‼︎」
二人の女性が教会の扉を開く…
「この雰囲気…久し振りだわ‼︎」
「姉さんはダンスが好きですものね」
「ダンスは雰囲気、そして楽しむ為にあるのよ⁇」
突如として現れた、双子の美人
会場で立食を楽しんでいた若い男性達の視線が一気に其方に向く
「誰だ…⁇」
「凄い美人だ…」
目元にはフワフワ素材の黒いマスクを付けている二人は、若い男性の視線を一瞬で集める
黒いドレス、主張する胸元、足元のスリット
そのどれもが魅力的な女性としてのポイントを抑えており、今すぐにでもダンスの相手に誘いたくなる
「さぁ‼︎楽しみましょう‼︎」
「えぇ‼︎姉さん‼︎」
「うふふっ…貴方にき〜めたっ‼︎」
「が、頑張ります‼︎」
姉が誘ったのは涼平らしき青年
「貴方、お名前は⁇」
「け“ケンチクン”です‼︎」
「そう…良いお名前ね⁇固くならないで…楽しみましょう⁇ねっ⁇」
「あっ…」
姉は蟲惑的な言葉を使う中、仕草は子供という、非常に厄介かつ男性の落とし方を熟知している
彼女はケンチクンの手を取り、クルクル踊る
「クルクルしましょう⁇これだけでも楽しいわ⁇」
「あの…お名前を伺っても…」
「あら、ごめんなさい⁇そうね…“謎の女13番”…これでどうかしら⁇」
「じ、じゃあ謎の女13番さん、よろしくお願いします…」
「ふふっ…お願いするのはどっちかしらね⁇それっ‼︎」
「あっ‼︎」
ケンチクンをクルッと回し、謎の女13番はすぐにケンチクンを受け止める
「女性にエスコートされるのはお好き⁇」
「慣れていますっ‼︎」
倒れかかったケンチクンを謎の女13番は腰を支えて受け止めた為、程良くダンスの体勢になる
「さぁっ‼︎クライマックスよ‼︎」
「はいっ‼︎」
ケンチクンは体勢を直し、謎の女13番と手を繋ぎ、くっついたり離れたりを繰り返す
「姉さん、張り切ってますね…」
「貴方もですよ“怪盗14番さん”」
怪盗14番と呼ばれた妹の方も、姉に負けず劣らずの踊りを見せる中、謎の女13番の方は踊りを終える
「素敵でしたわ、ケンチクン⁇」
「ありがとうございました‼︎」
「素敵な夜を‼︎」
謎の女13番が去り、怪盗14番が彼女に寄る
「姉さん。立食パーティーに行きましょう」
「そうね。お酒飲んじゃダメよ⁇貰っちゃったら、近くの大人にあげなさい⁇」
「姉さん‼︎りんごジュースがありました‼︎」
この怪盗14番
小さい頃から人の話を聞かない癖は大人の体になっても治っていないが、行動力があるのは相変わらず
彼女が言う事を聞く人物は少なからずいるのだが…
それに反して謎の女13番は、大人らしき対応はするが、仕草や行動に何処と無く幼さが未だに残っている
それがまた絶妙にアダルトな男性を狂わせる
「おぉ⁉︎スゲー美人の人がいるぞ‼︎」
「本当だな。りんごジュースを飲んでいる」
立食パーティーの見回りをしていたモーニングマスクと、い〜ちゃんマスクが二人の存在に気付いた
「何だろな…アタイ、どっかで会った様な感じがするんだ…」
「貴方、お名前は⁇」
モーニングマスクがブツブツ呟いていると、謎の女13番が来た
「へっ⁉︎アタイ⁉︎アタイはモーニングマスクさ‼︎」
「それ、一つ頂けるかしら⁇」
「お⁉︎おーおー‼︎どぞっ‼︎」
謎の女13番が手に取ったのは、モーニングマスクの近くにある小エビが乗ったクラッカー
「…」
謎の女13番がクラッカーを食べる姿を、モーニングマスクはつい魅入ってしまう
なんて美人なんだろう…
食べる姿でさえ綺麗だ…
謎の女13番はそれに気付いたのか、テーブルにあったタオルで指を拭いた後、モーニングマスクに近付いて来た
「へぁっ⁉︎あ、アタイに何か…」
謎の女13番はモーニングマスクの前で屈み、彼女の頬を撫でた
甘い髪の香りが鼻をくすぐった時、モーニングマスクは声を出す
「ひっ‼︎」
「流石はあのお方の娘。貴女もきっと美人さんになるわね」
「あ…ありがとうございます‼︎」
「ふふっ。次は一緒にお菓子でも食べましょう⁇」
謎の女13番は別の人とのダンスに向かう
「ほぁー…」
謎の女13番の虜になり、放心状態になっていたモーニングマスク
「おい‼︎しっかりしろ‼︎い〜ちゃんマスクの作ったエビのボイルを食うか⁉︎」
「だ、ダメだダメだ‼︎」
我に返るモーニングマスク
そして、ふと気付く
「あの人の髪の毛の匂い…ありゃあ子供用のシャンプーの匂いだったなぁ…」
謎の女13番…どことなくひとみっぽい、おっぱいのデカイ姉の方
怪盗14番…なんとなくいよっぽい、足が綺麗な妹の方