艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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演奏を代わったメッサーシュミッター

彼はある事をどうしても知りたいが為、一人の女性を探します

メッサーシュミッター…アレンっぽい人

オーヨドン…大淀っぽい人


278話 貴女を知りたい、少しだけ

「いないな…」

 

メッサーシュミッターは一人の女性を探す

 

どうしてもその女性と踊ってみたい

 

そう思い、今日はここに来た

 

その女性と踊れば、俺は満足だ

 

「おや。君は一人かね」

 

その女性は壁にもたれ、シャンパンを飲んでいた

 

俺から声を掛けようと思ったが、先に彼女から声を掛けてくれた

 

いつもと変わらぬ服装だが、目元のマスクはキチンとしている

 

「名前は⁇」

 

「ヤボだねぇ。君がメッサーシュミッターなら、私も同じさ‼︎」

 

「踊ろう。それだけだ」

 

「おっ‼︎いいよ‼︎」

 

彼女の手を取り、皆が踊る輪に入る

 

「若干役入ってるかね⁇」

 

「そうでもしなきゃ、まともに話せないからな」

 

「そうかいそうかい」

 

彼女の手を握り、腰を抱き寄せ、踊る

 

俺は知りたい

 

最高の親友であり、相棒であり、永遠のライバルであるあの男が、何故彼女に惚れたのかを…

 

「何か知りたげだねぇ」

 

「君は彼を好いているのか⁇」

 

目線を彼女から演奏の舞台にズラす

 

彼女も目線をズラすが、すぐに俺に戻す

 

「好きだよ…とっても…」

 

彼女の顔が赤くなる

 

これ以上の確証は無いだろう

 

「そっか…深く聞かないでおこう」

 

「聞いてご覧よ。君の知りたい事が聞けるかも知れないよ⁇」

 

「何故彼に惚れた⁇」

 

「家族を教えてくれたからさ。彼は母親にならせてくれたんだよ…」

 

「彼なら出来るな…」

 

「それに、いつだって止めてくれる…ダメな事をしたり、しようとした時、いつだって…」

 

彼女の言う通りだ

 

あの男は、いつだって私達を救ってくれる

 

今までも、これからも

 

それを分かっていて好きになるのは、簡単そうに見えて理解に苦しむ

 

あの男は…色々と背負い過ぎているからだ

 

それを今目の前にいる彼女は、全て理解してくれる

 

互いに惹かれ合うのに、隔たりは無いと気付く

 

「まぁあれだよ‼︎貧乳に興味は無いと一蹴りされたけどね‼︎」

 

「今の話を聞いて、なんとなく理解したよ。ありがとう」

 

彼女の長く、黒い髪からほんの一瞬香る煙草の匂い

 

女性特有の香りと混じり、何処と無く誘惑に負けそうになる

 

彼女は強いはず

 

だが、何故だ⁇

 

心の何処かで、彼女を護らなければ…そんな感情に苛まれる

 

「シュミッター。君には還る場所があるはずだよ⁇」

 

彼女が優しく微笑んだ時、彼女の顔がピントから外れ、壁際に目をやる

 

そこには、俺の愛する人が待っていた

 

「君はその人を護ってあげるんだ」

 

彼女が手から離れる…

 

「あ…あの…」

 

「メッサーシュミッターは弱気になっちゃダメだ。子供に夢を与えなくっちゃ」

 

「“オーヨドン”‼︎」

 

俺が踊っていたのは、大淀博士らしき女性

 

俺は知りたかった

 

俺が知っている限り、レイのタイプとは真逆の彼女に何故惚れたのか…

 

オーヨドンは悲しく微笑み、首を傾げてその場を離れた今、その意味が分かった…

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