艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、278話が終わりました

今回のお話は、物語がまた進みます

ある日を境に、サンダースの一人宛に届き始めたお弁当

それを届けていた人物とは…


279話 駆けて行く、貴方の胸に落ちて行く(1)

パイロット寮の一室…

 

写真を眺めている彼は、名前が明かされていないサンダース隊最後の一人

 

サンダース隊の隊員は、何らかの理由で横須賀に来ているのがほとんど

 

涼平は当初は復讐の為

 

園崎は救われた恩を返す為

 

森嶋は当初は横須賀にいるしかなかった為

 

そして、高垣は壊滅したとある部隊の生き残り

 

少しだけ高垣の話をしよう

 

今ではその部隊は散り散りになり、味方もいれば敵もいる

 

高垣はトラックさんの推薦でここに来た

 

実はサンダースで一番のキャリアがある高垣

 

反攻作戦の前からトラックさんとは面識もあり、トラックさんに良くして貰っていたとの記録がある

 

そして、そのキャリアに目を付けたリチャードが引っ張って来た

 

それ以上の記録はほとんど残っていない

 

後は高垣がいつか話してくれるのを待てばいい…

 

 

 

 

そして、最後の一人

 

彼にはキャリアも無く、ここに来た理由も明かされていない

 

そんな彼が今、動き出そうとしていた…

 

「涼平、いるか⁇」

 

彼がドアをノックしたのは、サンダース隊副隊長の涼平の部屋

 

涼平はサンダース隊の中で一番最年少なのにも関わらず、副隊長に抜擢されている

 

それも、サンダース隊の隊長満場一致で…

 

彼の強さは空戦もそうだが、器の大きさにあったからだ

 

「あ、はい。どうしました⁇」

 

「少し話したいんだ。いいかな」

 

「勿論ですよ‼︎どうぞ‼︎」

 

涼平の自室に入り、彼は机の前の床に腰を落とした

 

「コーラでいいですか⁇」

 

「すまん、ありがとう」

 

涼平にペットボトルのコーラを貰い、それを開けて一口飲む

 

「どうしたんですか、急に」

 

「実はな、これを見て貰いたいんだ」

 

彼は机の上に一枚の手紙を出す

 

涼平はそれを手に取り、内容を見る

 

「親愛なる“櫻井様”へ。お弁当を作って参りました。お口に合うよう、丹精を込めてあります。どうかご賞味下さい…ですか」

 

「それがこれだ」

 

最後の彼の名は“櫻井”

 

そんな彼が持って来たのは、手紙に書かれていたお弁当

 

風呂敷に包んである重箱だ

 

「何処で受け取ったんですか⁇」

 

「公園と繋がっているゲートで受け取ったらしいんだ」

 

「開けてみましょう…」

 

涼平が重箱の上の段を取る…

 

「うは〜…」

 

開けた本人がため息を漏らす

 

「美味そうだな…」

 

下に入っていたのは、お肉を中心にバランスの取れた惣菜が入っていた

 

「上はおにぎりです」

 

上の段はおにぎり

 

形が整っており、これもまた美味しそうだ

 

「「…」」

 

二人で生唾を飲む

 

「一応、毒とかの件も考えたんだ…」

 

「自分達を狙いますかね…」

 

「普通なら大尉とかを狙うはず…」

 

「つまり…」

 

「「食べていいんだ‼︎」」

 

答えが一致し、涼平は早速小皿を取りに向かう

 

その時、ドアがノックされる

 

「は〜い‼︎開いてますよ〜‼︎」

 

「失礼しますっ、と。涼平‼︎櫻井さん‼︎飯行かな…おっ⁇何だ、弁当か⁉︎」

 

入って来たのは、お昼ご飯を誘いに来た園崎

 

「丁度良い‼︎園崎にも見てもらおう‼︎」

 

「何だ⁇」

 

涼平と櫻井に案内された園崎は、お弁当の前に座り、あの手紙を読む…

 

「は〜…なるほど。皆目分からん‼︎」

 

すっかり丸くなった園崎は、こうしてサンダースの皆と話す事も多くなった

 

「俺もそうなんです…」

 

「櫻井さんは何か検討は⁇」

 

「自分も無いんだ…」

 

「自分は筋肉担当だからな…」

 

心を開き始めた園崎は、こうして時たま冗談も言うようになっている

 

そんな筋肉担当を自負する園崎だからこそ出た答えは…

 

「とりあえず、このお弁当を食おう‼︎自分にもくれるか⁉︎」

 

「勿論さ‼︎」

 

「みんなで食べましょう‼︎」

 

結局、三人は謎のお弁当をものの数分で平らげた…

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