櫻井と大鯨の子供の正体を知ったマーカス
本来の“自分の役目”を思い出す中、情が湧いてしまったマーカスは…
「たらいま‼︎」
「かえってきまちた‼︎」
「ただいま」
「おかえりなさい‼︎三人のお昼あるわよ‼︎」
ひとみといよが手を洗いに向かった所で、貴子さんが俺の異変に気付く
「マーカス君⁇何かあった⁇」
「…一人、親が見つかった」
それを聞いた貴子さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに母親の顔に戻る
「そっか…寂しくなっちゃうわね…」
「みんなを集めてくれませんか⁇俺は少し話して来ます」
「んっ。分かったわ」
俺も手を洗った後、執務室のドアをノックする
「隊長、俺だ」
「開いてるぞ〜」
執務室に入ると、隊長はいつも通り足元にアトランタを置き、アトランタは電車のオモチャで遊んでいた
そして、隊長に全てを話す…
「そうか…私達に出来る事は、環境が整うまでここが帰る場所と教えておく事だな」
「隊長」
「返したくない、か⁇」
隊長は全てを察してくれていた
「…まぁな。情が移った。ひとみといよにはまた逢えると言ったんだが…」
「お前は良くやった。必ず伝わってるさ」
「…話してくるよ」
「私が行こうか⁇」
「いいんだ…俺にやらせてくれ…」
俺は隊長とアトランタに見送られ、執務室を出た
重い気のまま子供部屋に来た
「…」
深呼吸をした後、子供部屋を開ける
子供部屋には一人の少女が俺を待っていた
あの写真に写っていた、櫻井と大鯨の子供の正体…
それは…
「レイさん。おらをおよびか⁇」
松輪だった
「松輪は、この場所好きか⁇」
「んだ‼︎みーんな好きだ‼︎おら、ここにきてよかっただよ‼︎」
「あのな、松輪」
「んだ」
「お父さんとお母さんが見付かったんだ」
「おらのか」
「そうだっ」
「レイさんとも、ぼ〜さんともおわかれか⁇」
「すぐに会えるさ。松輪は横須賀で、お父さんとお母さんと暮らすんだ」
「またあえるって、やくそくしてくれなきゃいやだ」
松輪は小さな小指を出した
松輪の小指に、俺の小指を絡め、指切りげんまんをする
「絶対に約束する。それに、何かあったらすぐに戻って来ていい。松輪の家は、ここにもあるからな⁇」
「わかっただよ」
重い足で、松輪と一緒に食堂に向かう…
「レイ、松輪」
その道中、隊長に執務室に呼ばれる
「少し考えたんだがな…しばらくはここと横須賀を行き来したらどうだ⁇」
「松輪はどうしたい⁇」
「おらは…」
気丈に振舞っていた松輪は、隊長の提案を聞いて、ここに来てようやく揺らいだ
「迷うならそうしようか⁇な⁇」
「んだ」
「それがいい。私も急は寂しいからな」
俺と松輪が先に食堂に向かい、隊長は少し遅れて食堂に来た