高雄の部屋に着き、ヨナのサイズに合いそうな服を選ぶ
シャツ、上着、そしてパンツとズボン
靴はサンダルにした
「お急ぎみたいですね⁇」
「素っ裸で待たせてるんだ」
「それは一大事ですね‼︎全部で、えーと…2500…いえ、2000円で良いです‼︎」
「ありがとう‼︎次はもうちょい連れて来るからな‼︎」
「お気を付けて‼︎」
買った物を抱え、急いで潜水艦の中に戻って来た
「これは何ですか。タナトス様」
《それは創造主のグラサンでち。目に付けるんでちよ》
「こうですか⁇」
《そうでち‼︎》
メインモニターの前でヨナはタナトスと会話しながら俺のグラサンで遊んでいた
「グラサン気に入ったのか⁇」
「前があまり見えません。ヨナ、困りました」
「こうすれば見える」
グラサンを頭の上に付け、ヨナの着替えをキーボードの横にあるコーヒー等を置くスペースに服を置く
「まずはシャツからだ。ばんざーいってしてごらん⁇」
「ばんざーい」
俺が両腕を上げると、ヨナも両腕を上げた
その隙にシャツを通し、一旦は素っ裸ではなくなった
「次はこれだ‼︎」
ヨナに上着を見せる
赤と白の迷彩柄っぽいアロハシャツだ
ヨナにアロハシャツを渡した後、俺は軍服の上着を脱いで着方を見せる
「ここにこうやって、腕を通すんだ。やってごらん⁇」
「こうやって…」
ヨナは見よう見まねで袖に腕を通す
「おっ‼︎似合ってるな‼︎最後はパンツとズボンだ‼︎」
今度もヨナに渡してやらせてみる
「ここに足を通すんだ」
「こうですか⁇」
「そうだっ‼︎」
ヨナはパンツもズボンもキチンと履いた
《中々奇抜なシャツでち》
「緊急事態だったからな。手近に選んで来たんだ」
シャツには胸元に“鉄”とプリントされており、ヨナに着せるにはセンスが無い
「ヨナ、これ気に入りました」
挙句の果てにはグラサンを気にいる仕末
可愛いナリをして、外見は厳つくなってしまった
「タナトス。お前もシャツ欲しいか⁇」
《可愛いの頼むでち》
「ヨナのお披露目会です」
「そっ。みんなでヨナをお祝いするんだ。今日はヨナのお誕生日だからな⁇」
「お誕生日…」
《産まれて来てくれてありがとうの日でち》
「創造主様に感謝をする日ですか⁇」
《創造主がヨナに感謝する日でち》
「ありがとう、ヨナ。産まれて来てくれて」
ヨナは言葉を返さなかったが、笑顔で頷いてくれた
「さっ‼︎お披露目会だ‼︎タナトス、外にごちそうがあるぞ‼︎」
《早く行かないと無くなるでちな‼︎》
ヨナを抱き上げ、潜水艦の中から出て来た…
「あらっ‼︎可愛い子ね‼︎」
表に出ると、早速横須賀の目に止まる
「私はジェミニ。みんなから横須賀さんって呼ばれてるわ⁇」
「ヨナはヨナです」
ヨナが自己紹介をすると、横須賀は目を見開き、俺の目を見る
「可愛い子で産まれて来たのね‼︎」
そう言いながら、手を広げた横須賀の腕に渡るヨナ
「いっぱい食べましょうね〜‼︎」
横須賀はそのままヨナを連れて食事がある場所に行ってしまい、急に手持ち無沙汰になった
「横須賀さんはお母さんでちな」
横須賀と入れ替わるようにゴーヤが来た
「シャツ買いに行くか⁇」
「行くでち‼︎」
お披露目会は横須賀がなんとか繋いでくれるだろう
ゴーヤと手を繋ぎ、高雄の部屋に舞い戻る…
高雄の部屋に着き、ゴーヤは早速服を選ぶ
「ヨナみたいなのが良いのか⁇」
「ゴーヤはあのラジコン娘みたいなのが欲しいでち」
「ラジコン娘…」
頭の中で思い描く
ラジコン娘とは…
“これはだいはつちゃんでありますな”
“やはりらじこんはさいこーであります”
いた…
神州丸だ…
神州丸を思い出していた時、タイミング良く神州丸を肩車した森嶋が表を通り掛かった
「森嶋‼︎」
「隊長‼︎観艦式の方は⁉︎」
「今は横須賀に任せてある。神州丸も元気か⁇」
「元気であります、大尉殿。この神州丸“どろーん”なる物を買って貰ったであります」
よく見ると神州丸の前方の頭上にはドローンが浮いている
「たなとす殿は立派などろーんをお持ちと聞いたであります」
「どんな形であろうと、みんな立派さ‼︎」
神州丸は嬉しそうに笑う
「隊長、自分も観艦式を見に行って来ます‼︎」
「すぐに行く‼︎」
森嶋と神州丸の背中を見送る
そして、神州丸のパーカーの背中部分に“死”と書いてあるのが目に入った…
「あれメッチャカッコいいでち‼︎」
ゴーヤのセンスは俺と大して変わらない事に気付いた…