艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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27話 小麦粉の恋(3)

「これは…」

 

どうやら設計図のようだ

 

それも、かなり強力な

 

「未完成のまま、開発を終えた弾頭みたいだな…」

 

「見せて〜‼︎ね〜‼︎」

 

しおいが服を引っ張る

 

この子は何か引っ張る癖があるみたいだ

 

「ほら」

 

「…」

 

設計図を見せると、急に黙り込んでしまった

 

「分からんだろ⁇ほら、返して」

 

「はい」

 

ふと手にヒンヤリとした物が置かれた

 

「うわ‼︎なんだよこれ⁉︎」

 

置かれたのはミサイルだ‼︎

 

下手に放して地面に落として起爆したら、抱えているれーべてまっくすも危ない‼︎

 

「その設計図に書かれたのが完成した物です。散弾ミサイルの設計図ですね。ほら、先端が…」

 

「いいから早く取ってくれ‼︎」

 

「あ、はいはい」

 

ミサイルを手に取ると、背負っていた機械の中に戻した

 

「パパ、みさいるってなに⁉︎」

 

物珍しそうにたいほうがしおいの機械を見ている

 

「あ、危ない兵器だ。たいほうは知らなくていいよ」

 

「パパ、お家に帰ろう⁉︎」

 

「ん、そうだな。帰ろう」

 

 

 

新しく迎えた伊401ことしおいを引き連れ、基地に戻る事にした

 

高速艇に乗る時、二人が見送りに来た

 

「大佐、ありがとうございました。御礼はまた倉庫に入れておきます」

 

「横須賀」

 

「はい」

 

「たまには、空戦もいいもんだな…」

 

「…」

 

「二度と戻るまいと思ってたが、俺もとうとう護る人が出来た。だから、今度は…」

 

「お金ではなく、あの子達の為…ですね⁇」

 

三人が私の艦娘の方に目をやる

 

「そうだ。今度は未来…さ」

 

「おかえりなさい…大佐」

 

「ふっ…」

 

「大佐、またスペンサーの整備をしに伺います‼︎」

 

「いつでも来い。いい機体を仕入れておくよ」

 

二人に敬礼され、高速艇は基地に向かった

 

 

 

「横須賀さん」

 

「ん⁇」

 

「大佐は昔、お金の為に戦ってたんですか⁇」

 

横須賀は大笑いした後、ワンコの頭を撫でた

 

「そうさ。始まりは傭兵だったからね。今じゃあんなに丸くなって…」

 

数日後…

 

「に''〜‼︎」

 

「たいほうの‼︎」

 

「何どがじでぐで‼︎」

 

執務室の中では、しおいとたいほうがスティングレイを引っ張り合っていた

 

「私に取っては提督さん何ですっ‼︎」

 

「すてぃんぐれいはたいほうのだもん‼︎」

 

「あだだだだだだ‼︎だ、だいぢょう、だずげでぐで‼︎」

 

「普段の行いが悪いからそうなるんだ」

 

「ざっげんな‼︎あだだだだだだ‼︎」

 

「たいほう」

 

「パパ‼︎」

 

私に呼ばれると、たいほうはスティングレイを放した

 

「パパとスティングレイ、どっちが好きだ⁇」

 

「パパ‼︎」

 

「なん…だと…」

 

「これをあげるから、今日はしおいにスティングレイを貸してあげなさい」

 

引き出しの中から烈風の模型を出し、たいほうに渡した

 

「わかった‼︎おそといくね‼︎」

 

「あんまり遠くに行くんじゃないぞ‼︎」

 

そのままたいほうは外に出て行った

 

「やったぁ‼︎やっと来てくれた‼︎」

 

「嫌だぞ。俺ぁお前の艦載機パイロットにはならんぞ‼︎」

 

「違いますよ〜。私と一緒に遊んで下さい」

 

「隊長、何とか言ってくれ‼︎」

 

「あ‼︎そうだ‼︎工廠でローマが待ってるんだった‼︎バイバーイ‼︎」

 

「あ‼︎キッタネェ‼︎」

 

私が去った部屋には、勿論スティングレイとしおいだけ

 

「嫌だぞ。俺は動かんぞ」

 

隊長の机の上で踏ん反り返ってそっぽ向いた

 

すると、俺の周りに何やらオモチャの野菜が積まれていく

 

タマネギ

 

ニンジン

 

キャベツ

 

そして魚

 

「今日は野菜炒めですよ〜」

 

「…」

 

「新婚さんなのに、旦那はそっぽ向いたままだって、近所では噂ですよ〜」

 

「くっ…」

 

「あ〜あ‼︎これが倦怠期か‼︎ありです‼︎」

 

「ありな訳ね〜だろ‼︎仕方ねぇ‼︎おままごとに付き合ってやらぁ‼︎その代わりなぁ‼︎一つ約束しろ‼︎」

 

「ん⁇」

 

「次からはたいほうとも一緒に遊んでくれ。それが出来るなら、時々二人で遊ぶ。いいか⁇」

 

「うんうん‼︎」

 

「よ、よし‼︎ただいま〜っと」

 

執務室でおままごとが始まった時、たいほうはいつもの砂浜で先程のオモチャで遊んでいた

 

伊401が、艦隊の指揮下に入ります‼︎

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