艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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287話 変わり果てた強敵(3)

「そうかぁ‼︎イントレピッドさんがいるのか‼︎」

 

園崎とマルセラは個人経営のレストランに行き、ステーキを頬張る

 

「向こうは強い人ばっかりだ。マッソ並にな⁇」

 

「いやぁ〜、イントレピッドさんの手解きを受けているなら、ソノザキにはもう勝てないなぁ‼︎」

 

イントレピッドはここでも名の知れたボクサー

 

店内には当時のイントレピッドのポスターが貼ってあり、二人はそれを眺める

 

「今はどんな感じなんだ⁇」

 

「ここに写真が…」

 

園崎は免許証入れから集合写真を出した

 

「はは、ポチャってるな‼︎」

 

「誰がポチャってるですって⁇」

 

「イントレピッドさんだよ‼︎見ろよ、あのポスターと全然違う‼︎」

 

「ま、マッソ…」

 

「ん⁇」

 

マッソが振り返ろうとした時、肩をグッと掴まれた

 

園崎からは肩を掴んだ女性の顔が見えていた

 

「マルセラ⁇誰がポチャですって⁇」

 

「い、いやぁ〜…その〜…あの〜…」

 

「はは‼︎イントレ、その辺にしておけ。お前の豊満ボディ、俺は大好きだ‼︎」

 

「私もリチャードの女たらし、嫌いじゃないわ⁉︎」

 

「全く…ほら、何食う⁇」

 

「皆さん‼︎」

 

そこに居たのはイントレピッド、リチャード、ヴィンセントの三人

 

「ど、どうしてここに⁉︎」

 

「どうして⁇面白い事を聞くな、ソノザキ‼︎」

 

「ここは私達の地元だ」

 

「マークも来てるんだけど、レクターと夕食をしながら話があるみたいだから三人で来たの‼︎」

 

「おおお…」

 

マッソは三人を見てから様子がおかしい

 

「そ、ソノザキ…あの三人に教えて貰ってるのか⁇」

 

「そう。みんなに鍛えて貰ったから、強くなれ…」

 

マッソはソノザキの肩を掴み、自分の方へ引き寄せた

 

「…リチャードさんとヴィンセントさんって言えば、この辺で最強のヤンキーだったんだぞ…」

 

「…マジか」

 

「…あぁ。あの二人だけで数十人が倒れる。この辺りではかなり有名だぞ⁇性格が真逆のコンビが、この辺りの治安を一気に良くしたってな」

 

「マッソ」

 

「はいっ‼︎リチャードさん‼︎」

 

リチャードに呼ばれ、マッソは立ち上がる

 

「街は平和か⁇」

 

両手で雑誌を持っているヴィンセントがマッソに問う

 

「たまに暴走族らしき輩が走っておりますが、大体平和であります‼︎」

 

「だとよっ⁇」

 

「君が居てくれる限りこの街は平和だ。よろしく頼んだぞ、マルセラ」

 

マルセラの名前を言うと同時に雑誌を閉じ、マルセラの目を見るヴィンセント

 

いつもの優しい目の裏に、当時の強さがある

 

「はいっ‼︎ヴィンセントさん‼︎」

 

「ふふっ‼︎カッコいいわよヴィンセント‼︎」

 

「…やめてくれ。恥ずかしいんだぞ…」

 

珍しくヴィンセントが照れを見せた

 

どうやらこのメンバーが集まると、全員素に戻れるらしい

 

「…あーもー‼︎リチャード‼︎イントレ‼︎それとソノザキとマルセラ‼︎好きな物食え‼︎」

 

「よーし‼︎ここはヴィンセント君の意思を組んで物凄く高いカベルネとか言う奴を頼んでやろうじゃないの‼︎」

 

「私も‼︎」

 

結局、この日の会計は全てヴィンセント持ちになったが、そこはやはり地元の人間

 

安くて美味い店を知っていたので、ヴィンセントの懐に大打撃が入る事はなかった…

 

 

 

 

「じゃあまた明日、レクターの所でね⁇」

 

「すまん、ヴィンセント」

 

「気にするな。スパイトさんにも言わない。ゆっくりな⁇」

 

リチャードとイントレピッドはモーテルに消えて行った

 

「私は基地で休むが、ソノザキは宿はあるか⁇」

 

「一晩飲み明かそうかと」

 

「そうか、有給だったな。私はこれで失礼するよ」

 

ヴィンセントも去り、ソノザキとマッソは一晩飲み明かすために、夜の繁華街へと消えた…

 

 

 

 

次の日、ソノザキとマルセラは親友として、日が暮れるまで遊びまくった

 

ドライブをし、ボウリングをし、美味い飯を食い、最後に釣りをした

 

そしてサンフランシスコ軍港に戻る…

 

「楽しかったぞ、ソノザキ‼︎また遊びに来てくれ‼︎」

 

「必ずまた会いに来る‼︎」

 

マルセラは寂しそうに頷く

 

またしばらく会えなくなる

 

それに、園崎は立派な軍人だ

 

いつ死ぬか分からない

 

いつ二度と会えなくなるか分からない

 

「…ソノザキ。ヒューストンを頼んだぞ」

 

「頼まれるのはこっちさ‼︎」

 

「マルセラ‼︎」

 

「パパ‼︎」

 

ヒューストンとサウスダコタが帰って来た

 

「またな、マッソ」

 

「またな、ソノザキ‼︎」

 

二人は別のルートを行く

 

園崎は基地に

 

マルセラは家族の元に

 

互いに背中は見送らない…

 

帰りは秋津洲と二人で、秋津洲タクシーに乗って帰る

 

「何か行きより静かかも」

 

「中将が居ませんからね…」

 

マルセラとの一時の再会を胸に残し、園崎もまた、愛する家族の元へと帰って行った…

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