もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

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第2話

 

 

 

 

「で、ユウ。どうする?」

 

二人は街を歩きながら話し合う。

 

「おにい、愚問過ぎてイラっとした」

 

「ははっ、そーだよな」

 

二人が話してるのは第一層フロアボス攻略会議に行くか行かないか。ちなみにさっきのフードの人は途中でぶっ倒れたため、キリトがおんぶして街まで連れてった。で、今は別れて兄妹二人で街を歩く。

 

「それまで、どーするか……ユウは何したい?」

 

「寝たい……」

 

「お前なぁ……大体、一度寝たらお前明日まで起きないだろ。今日は攻略会議があるんだから却下だ」

 

「ケチ」

 

「ケチで結構だ。じゃ、とりあえずなんか食べよう。腹減った」

 

「ケーキ」

 

「そんなもん一層にあるわけないだろ。てか、βテストの時を忘れたか?」

 

言われてユウは上を向いて思い出す。二人はベータテスターだ。

 

「覚えてる。ケーキが出るのは、確か10層辺りから……?」

 

「そう。それまで甘い物は我慢しろ」

 

「ユウ、定期的に糖分取らないとイライラする」

 

「それなら尚更、甘いもんは控えて欲しいな……ていうか、お前がここ最近イライラしてモンスターをよくオーバーキルすんのって……」

 

「もう一ヶ月も甘い物食べてない……誰でもいいから殺したい………」

 

「縁起でもないこと言うな!………あー仕方ないな!俺が料理スキルも頑張って上げてやるから!その間は我慢出来るな?」

 

「明日までにカンストさせて」

 

「無理だろ!」

 

なんてやりながらも二人はとりあえず、攻略会議の行われるトールバーナへ向かうことにした。が、その途中だ。

 

「相変わらずだナ。兄妹仲良いことで」

 

声がして二人は振り返ると、アルゴが立っていた。

 

「鼠」

 

「ヨッ、ユーチャン」

 

「ようアルゴ。今日も本業の取引じゃなくて、いつもの代理交渉か?」

 

「まあナ。二万九千八百コルまで引き上げるそーダ」

 

「ニーキュッパときたか」

 

アルゴにお願いした依頼人は、キリトのアニールブレード+6を買い取りたいらしい。が、毎度毎度断っている。

 

「そいつ、ばか?それだけお金あれば自分で作れる」

 

「それはオレッチに言われても困るナ、ユーチャン。あっ、なんならユーチャンのその……なんてったっけ?バカでかい斧でもいいそうだゾ」

 

「これ………?」

 

ユウは見た目、年齢に似合わず自分の身長の二倍はある斧を振り回している。

 

「まぁとにかくだアルゴ。いくら積まれようが俺たちは売るつもりはないよ」

 

「オレッちも依頼人にそう言ったんだけどナー。ああ、それともう片方の奴ダ」

 

「ああ、そいつの払った口止料は千コルだっけ?」

 

「そーダナ上積みする気になったカ?」

 

「うーん……1kか……うーーーん!」

 

「おにい、うるさい」

 

「そんなこと言ってもなユウ。あんまりしつこくされるとこっちだって気になるだろ」

 

「別に……。ていうか、向こうはたかが剣のためにニーキュッパも払おうとしてきてるんだから、こっちがいくら値段を引き上げようが、無駄」

 

「それもそうかぁ……。でもなぁ……うーん……」

 

言いながら、キリトは自分の持ち金を確認した。その瞬間、「ん?」と声を上げる。そのまま段々と表情が変わっていった。

 

「ユウ………」

 

「何?」

 

「お前、俺の金使ったか………?」

 

「おにいの金じゃない。ケッコンした今、これは二人の金………」

 

言いながら、いつの間にかユウの手にはクリームの塗りたくられた……ていうか全体がクリームによってコーティングされてるパンを齧っていた。

 

「あー!お、お、おまっ……!クリームもう半分も使ってんじゃねぇか!この前、クエストで大量に仕入れたばっかなのに!」

 

「フッ………」

 

「笑ったかてめぇ!上等だよ!今から決着つけたらぁ!」

 

言いながら二人は武器を取り出す。そんな二人にアルゴは「あ、あの……」と、声をかけた。振り返る2人。

 

「マテ、お前ら結婚してんの?兄妹でしょ?」

 

「ああ、ユウが上目遣いでお願いしてきたからな」

 

「その方が、色々と便利」

 

「うわあ………と、とにかくオレッち行くわ、うん」

 

標準語に戻ったアルゴは立ち去った。キリトとユウはそのまま圏内で戦闘を始めた。ルールは、一発でも当てたら勝ち。大抵、この兄妹は揉め事はこれで解消する。

 

 

 

 

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