もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

20 / 74
第20話

 

 

 

 

55層の雪山。リズとユウは二人で山を進む。

 

「びえっくし!」

 

大声でくしゃみするリズ。

 

「……寒いの?」

 

「平気よ」

 

「替えの服とかないの?」

 

「………ない」

 

「バカ丸出し……」

 

「う、うるさいわね!」

 

「はいこれ」

 

ユウはヒョイっと何かを放った。

 

「これは……?」

 

「ホッカイロ」

 

「こんなものがこの世界にあるの⁉︎」

 

「うっ……さぶっ」

 

「あんたが辛いならいいわよ!」

 

なんて話しながら進み、クエストのフラグを立てた。で、今度はそのまま山頂へ。

 

「わあ………!」

 

山頂はクリスタルで覆われていた。それを見て子供みたいにはしゃぎそうになるリズだが、隣のユウが無表情でボーッとしてるのでなんとか自重。

 

「リズ、転移結晶の準備しといて」

 

「えっ?」

 

「もし、ユウが不測の事態で死んだら構わず逃げて」

 

「はいはい、分かったわよ……」

 

とは言ったものの、リズは転移結晶を出さない。テキトーに生返事しただけだった。すると、ドラゴンの鳴き声がした。

 

「!」

 

「さて、やりますかっ」

 

男前にユウは言うと、デッカい斧を取り出した。

 

「あんた、まさかその武器使うの?」

 

「なんでっ?」

 

「いや……似合わなさすぎて逆に似合ってるというか……」

 

リズが呆れ気味に言った時だ。ユウの目の前にドラゴンが降りてきた。

 

「リズ、邪魔だから隠れてて」

 

「はぁ?何言って」

 

「いいから」

 

そう言うユウの眼光は確実に幼女のものではなかった。リズは渋々隠れる。すると、ブレスを放ってくるドラゴン。

 

「ブレスよ!避けて!」

 

だが、ユウは斧を振り下ろして、ブレスを正面から叩き斬った。

 

「なっ……⁉︎」

 

驚くリズを無視してユウは斧で突撃した。ドラゴンの攻撃を、小さい体を利用してヒョイッヒョイッと躱し、クリスタルを踏み台にして、上から遠心力を利用しながらソードスキルを発動し、背中を三回叩き斬った。

 

「……すごい」

 

そのまま着地すると、後ろからドラゴンの爪が迫る。だが、お前後ろに目が付いてんの?ってレベルでユウは躱し、アイテムストレージから小さなナイフを取り出して、ドラゴンの首に投げ刺した。

 

「毒、ナイフ……?」

 

こりゃもう勝ったな、そう思いつつ、リズはクリスタルから出た。

 

「リズ!隠れて!」

 

え?背中に目でも付いてるの?ってレベルでユウが声を出す。だが、

 

「なによー。もう終わりでしょ?さっさと……」

 

その瞬間、ドラゴンのロックオンがリズに向いた。そして、ビュウッ!と羽から強風を出すドラゴン。

 

「へっ……?きゃあっ!」

 

リズはビュワッと飛ばされ、デッカい穴の上に来た。

 

「えっ、嘘……」

 

顔が青ざめるリズ。

 

「リズッ!」

 

ユウはアイテムストレージから転移結晶を取り出した。

 

「転移、リンダース」

 

言いながらその転移結晶をリズに投げ付けた。

 

「へっ……?」

 

それがリズに当たり、リズは転移する。で、ユウがクリスタルの上に着地した時だ。真後ろから再び風がきた。

 

「二連続で、風……?うそ……」

 

その風に巻き込まれ、ユウも穴の上へ飛ばされた。

 

「て、転移結晶……」

 

アイテムストレージ取り出そうとするが、なんせ飛ばされてる最中だ。手元を狂わせ、落としてしまった。

 

「……なにこれ、積みゲー……」

 

そのまま落ちて行った。

 

「お兄……バイバイ……」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。