三人は街を出て、そのまま迷宮区に入っていった。軽く雑談しながら緊張感の欠片もなく歩いてると、デモニッシュ・サーバントという骸骨の剣士が複数出てきた。それを確認すると、キリトとアスナは剣を抜き、ユウはポテチの袋を開けた。
「行くぜ。足ひっぱんなよ」
「そっちこそ」
で、いざ開戦。
「はぁっ!」
「やぁっ!」
「せやっ!」
「とぁっ!」
と、キリトとアスナが戦ってる中、ユウは座ってポテチを食べていた。口の周りにノリをつけたままボリボリと咀嚼する。そのまま袋の中に手を突っ込んだときだ。不審に思い、ユウは眉をひそめながらも袋をひっくり返した。
「おにい、ポテチ切れた」
「知るかあああああッッッ‼︎‼︎つーかなにやってんだよお前!」
「おやつたいむ」
「まだ3時じゃねぇよ⁉︎」
「三時という時間だけがおやつたいむじゃない。常に自分のスタイルで。自分のリラックス出来るタイミングで取るおやつたいむ。それが本物のおやつたいむ」
「一々オヤツタイム、オヤツタイム挟むのやめてくんない⁉︎ていうか壮大なこと言ってるけど要するにただの我儘娘じゃねぇか‼︎」
と、息を荒立てるキリトの前にアスナが「まぁまぁ」と立った。
「いいよ。私が買って来るから。ユウちゃん、何味がいい?」
「のり塩!」
「はーい。じゃ、行ってくるわね」
「待ってアスナ!」
「?」
キリトに声をかけられ、動きが止まるアスナ。
「どうしたの?」
「なぁ、あの扉……」
キリトの指差す先、そこにはでっかい扉があった。
「……これって、やっぱり……」
「多分、そうね。ボスの部屋」
「どうする?覗くだけ覗いてみる?」
「ボスモンスターはその守護する部屋からは絶対に出ない。ドアを開けるだけなら多分……だ、大丈夫じゃない……?」
「一応、転移アイテムは用意しとこっか」
「うん……」
で、キリトとアスナは転移アイテムを片手に中を覗く。そのキリトの背中にちょこんとユウは乗って、一緒に中を見た。すると、ボボボッと青い炎がいくつも灯され、中央のボスが姿を見せる。ギランッと光る眼は「三人でも掛かってくるなら容赦しないよ?」的な事を語っていた。そして、大きな口がゆっくりと開かれ、フシューッ……と煙が吐かれた時だ。
「がおーっ!」
「きゃああああっ‼︎」
「うわああああっ‼︎」
ユウの背後からの雄叫びで二人は一目散に逃げ出した。キリトに振り下ろされたユウは、どうしようか迷ったものの、ボス部屋の中に「しつれいしました」とだけ言って、扉を閉めて二人の後を追った。