もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

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第28話

 

 

 

 

翌日。エギルの雑貨屋の二階でキリトとユウは死にかけていた。なぜなら、《軍の大部隊を全滅させた悪魔、それを単独で撃破した二刀流使いの50連撃》と噂が広まっているからだ。

 

「引っ越してやる……どっかすげえ田舎フロアの絶対見つからないような村に……」

 

「人混み、無理……あいつら、許さない……」

 

などと呟くアホ兄妹にエギルが言った。

 

「まあ、そういうな。一度くらいは有名人になってみるのもいいさ。どうだ、いっそ講演会でもやってみちな。会場とチケットの手はずはオレが………」

 

「するか!」

 

「ていうかユウよ、人混みが嫌ならキリトから離れりゃいいんじゃねぇか?一時的に……」

 

「や」

 

「なんで」

 

「おにいと離れたく、ないっ」

 

キリトの背中にキューっと抱き着くユウ。

 

「……随分と仲良くなったなキリト」

 

「やめてくれ。お陰でシスコン剣士って言われてんだよ」

 

「まぁ事実だからな」

 

「斬られたいのか」

 

「冗談だ」

 

なんて話してると、バタんっ‼︎と扉が開いた。ビックリして三人はドアの方を見る。そこにはアスナが立っていた。

 

「や、やあ、アスナ……」

 

「どうしようキリトくん……」

 

泣きそうな声を出すアスナ。

 

「なにかあったの?」

 

ユウがキリトから離れてアスナによじ登り、よしよしと頭を撫でた。

 

「大変なことに、なっちゃった……」

 

 

 

 

そんなわけで、エギルを置いて三人はグランザムへ。ユウはキリトに肩車されている。アスナが昨日のボス戦のことを話したら、ヒースクリフがキリトに会いたいというのだ。

 

「おにい……ちょっと早い……」

 

「あ、ああ。悪い。ていうか文句言うなら降りろ」

 

なんて言いながら歩く。すると、大きな門に到着した。その前には見張りなのか、大きな槍を装備したプレイヤーが2人並んでいる。

 

「任務ご苦労」

 

「ごくろう」

 

アスナがビシッと敬礼すると、無効の見張りも敬礼する。すると、ユウも頭の上で敬礼した。で、そのまま更に奥へ。中には螺旋階段があり、そのままコツコツと音を響かせながら登っていく。

 

「ねぇ、アスナ。まだー?」

 

「もう少しよ」

 

「ていうか自分で歩いてないだろお前は」

 

そのまま数分、ようやく到着。

 

「ここか……?」

 

「うん……」

 

三人が入ると、中には五人のプレイヤーが座っていた。

 

「ちゃおっす。ヒース」

 

「やぁ、ユウくんも一緒に来たのかね」

 

「将棋、やろう」

 

「すまないが、彼と話をしてからにしてくれないかね?」

 

「りょっ」

 

「あちらの机にお菓子などがある。食べていても構わない」

 

「さんきゅー」

 

そのままユウはお菓子を食べに行った。すると、ヒースクリフが口を開いた。

 

「話をするのは67層攻略戦以来だったかな、キリトくん」

 

「そうですね。あれは辛かったです」

 

「我々も危うく死者を出すところでしたよ。トップギルドなどと言われても戦力は常にギリギリだよ」

 

「そうですか。それで、何の用です?」

 

「なに、簡単な話だ。その君の二刀流というのを見せてもらいたい」

 

「………と、言いますと?」

 

「私とデュエルしたまえ」

 

「なっ……!ちょっと待って下さい!」

 

アスナが反応した。

 

「どうしてそうなるんですか⁉︎」

 

「落ち着きたまえアスナくん。別に命のやり取りをするわけではない」

 

「っ」

 

「単に興味があるだけだ。そして、君の腕が私の想像以上である場合、君には血盟騎士団に入ってもらう」

 

「なっ……」

 

「団長!」

 

アスナに怒鳴られてもヒースクリフは涼しい顔。すると、キリトが言った。

 

「まるで、自分が勝つ前提のような話ですね。団長様」

 

「おかしいかな?」

 

その一言にキリトはイラッとした。

 

「いいでしょう。受けて立ちます。その代わり、俺が勝てばいくつかこちらの望みを聞いてもらいます」

 

「ほう、では私が勝てば君には血盟騎士団に入ってもらう、ということでいいかな?」

 

「はい」

 

「すとっぷ」

 

幼い声が割り込んだ。ユウがいつの間にかキリトの頭の上にいる。

 

「どうしたんだ?ユウ」

 

聞くキリトをユウはジト目で睨むと、ぽかんと叩いた。

 

「痛っ」

 

「おにいが負けたら、ユウもついていく」

 

「ほう。いいのかね?」

 

「おにいと一緒なら、ユウはどうでもいい」

 

「……ふふっ、なるほど。では、そうさせてもらおう」

 

そんなわけで、別れた。

 

 

 

 

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