で、そのダンジョンの中。キリト、アスナ、ユリエールは微妙な表情で先頭で暴れまわるユウを見ていた。
「あの……あの子は?」
「気にしないでください。ああいう子なんです」
「は、はぁ……」
そのまま無表情ながらも上機嫌に敵を殲滅するユウ。そのユウの後ろからユイが飲み物を差し出した。
「お姉ちゃん、お茶」
「うむ、よろしい」
先頭はユウとユイ。ユイを完璧に守りながらユウは上機嫌にバッサバッサ敵を斬っていく。その時だ。ユイの背後にカエル型モンスター現れた。
「!」
「やらせないっ」
すぐにユウがぶっ殺して助ける。すると、ユイが笑顔で言った。
「ありがとう、お姉ちゃん」
その様子を見ながらユリエールは呟いた。
「仲良しですね……」
「ていうか、お姉ちゃんって言われてユウがご機嫌になってるだけですね」
なんて冷静に話をする後ろの大人三人。
「ねぇねぇアスナー!」
すると、ユウとユイが元気よく戻ってきた。
「どうしたの?」
「ママ!お姉ちゃんが美味しいのゲットしたよ!」
無邪気な笑顔で言うユイ。その手に握られているのはカエルの肉だった。
「きゃあぁぁぁ!なんて物持ってるのよユイちゃん!」
「アスナ、あとで調理よろ」
ユウも言う。
「嫌よ!そんなもの……!てかカエルよ⁉︎美味しいわけないじゃない!」
「パパが気持ち悪いものほど美味しいって言ってた」
「キリトくん、あとでおはなしがあります」
そこそこ本気で怒ってるアスナだった。
*
そのまま進むと、安全エリアが見えた。そこには男性プレイヤーが一人座っている。
「シンカー!」
ユリエールが我慢できないという風に声をあげて走り出す。
「ユリエール‼︎」
答えるシンカー。
「来ちゃダメだ!その通路は……ッ‼︎」
その瞬間、黄色いカーソルが出現した。死神のような鎌を持ったモンスター。
「ダメーッ!ユリエールさん戻って!」
と、アスナが叫んだ瞬間、ユウは動いていた。ものっそい速さでユリエールを跳び蹴りして安全エリアにぶち込み、ボスと相対するユウ。
「バカ、ユウ!」
そのままユウは馬鹿でかい斧を持って相手の攻撃を確実に躱せる距離を保って攻撃している。が、反応しきれずに鎌がユウの左斜め上から降ってきた。
「!」
その鎌をガードする影。キリトが二刀でガードした。
「大丈夫か、ユウ⁉︎」
「おにい!」
そのまま二人は下がって距離を取った。
「おにい」
「ああ、分かってる。俺の識別スキルでもデータが見えない。多分、九十層クラスだ……」
で、ユウに言った。
「ユウ、お前はアスナ、ユイ、あと安全エリアの二人を連れて逃げろ。俺が時間を稼ぐ」
「や」
「や⁉︎いやお前言ってる場合じゃ……!」
「ユウも戦う」
「お前ッ……!この相手ばっかりは流石に……!」
「おにいに知らないところで死なれるくらいなら、ユウも一緒に死んだほうがマシ」
「ユウ………!」
キリトが判断に迷ってる間にも、敵はこっちに寄ってきている。その時だ。ユイがゆっくりと歩いてきていた。
「⁉︎」
「ユイっ……!」
ユウがそのユイの元へ走ろうとした時だ。ユイは微笑んで返した。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
そのユイに振り下ろされる鎌。だが、鎌が直撃した瞬間、【Immortal Object】の文字が出た。
「ッ⁉︎」
何が起こってるのか分からないユウとキリトとアスナ。それに構わずユイは大きな巨剣を出した。そのままぶんっと一回転させ、黒い死神を撃破した。
「はっ………?」
間抜けに声を上げるユウ。そのユウに振り返ってユイは言った。
「お姉ちゃん、ぜんぶ、思い出したよ……」
この後、なんやかんやでユイは宝石になった。