もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

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第4話

 

 

 

 

 

翌日の会議。そこでそこにいる44人にはユウとアルゴが作った攻略本が配られていた。そして、裏表紙にはこう書かれていた。

 

【情報はSAOベータテストの時のものです。現行版では変更されている可能性があります】

 

「おいユウ、本気か」

 

「本気。ていうか、ここにいる人にはもうバラした」

 

全員がざわざわとざわつきながらユウをチラ見したりしている。

 

「みんな、今は、この情報に感謝しよう!」

 

声を張り上げたのはディアベルだった。

 

「このガイドのお陰で、2、3日はかかるはずだった偵察戦を省略できるんだ。正直、すっげー有難いって俺は思ってる。だって、一番死人が出る可能性があるのが偵察戦だったからさ」

 

そう言うと、周りも納得したようにウンウンと頷き出した。

 

「それじゃ、さっそくだけど、これから実際の攻略会議を始めたいと思う!何はともあれ、レイドの形を作らないと役割分担もできないからね。みんな、まずは仲間や近くにいる人とパーティを組んでみてくれ」

 

「ぶっほぁっ!」

 

急にユウがヘッドショットされたように吹っ飛んだ。

 

「な、なに?」

 

フードのプレイヤーがキリトに聞く。

 

「ユウは友達がいないんだ。よって体育の時のような今の台詞を聞くと問答無用でぶっ倒れる」

 

「………はぁ、仕方ないわね」

 

フードのプレイヤーはユウをパーティに誘いに行った。気が付けば、周りもすでにパーティを組んでいる。キリトはてっきり、貴重な戦力であり、自分がベータテスターであることをバラしたユウに周りは群がると思ったが、やはり所詮子供と思われてるのか、人はたかってこなかった。

 

「おにい!」

 

声がかかり、キリトはそっちを振り返る。見ると、アスナとユウが仲良さそうに手を繋いでいた。

 

「早く。どーせ誰とも組んでないんでしょ」

 

「この妹ひどいよぉ……」

 

まぁ、なにはともあれパーティは組めた。

 

(アスナ、か………)

 

 

 

 

「で、説明ってどこでするの?」

 

会議が終わった後、スイッチやらポッドやらの意味がわからないアスナのためにキリトが解説することになった。

 

「あ、ああ……俺はどこでもいいけど。そのへんの酒場とかにするか?」

 

「…………いや。誰かに見られたくない」

 

「なら、どっかのNPCハウスの部屋とか……でも、誰か入ってくるかもしれないしなあ。どっちかの宿屋の個室なら鍵かかるけど、それもナシだよな」

 

「当たり前だわ。………だいたい、この世界の宿屋の個室なんて、部屋とも呼べないようなものばっかりじゃない。六畳もない一間にベッドとテーブルがあるだけで、それを一晩50コルも取るなんて。食事とかはどうでもいいけど、睡眠だけは本物なんだから、もう少しいい部屋で寝たいわ」

 

「アスナ」

 

「ん?なにユウ?」

 

ユウが声を掛けると、急に柔らかい口調になるアスナ。

 

「ユウが泊まってる部屋、ベッド大きいしお風呂までついてる」

 

「………………なんですって?」

 

そんなわけで、一行はキリトとユウの部屋へ向かった。

 

 

 

 

アスナとユウがお風呂に入ってる中、キリトは一人で考え事をしていた。が、その考え事はノックによって遮られた。仕方なく出ると、アルゴだった。

 

「珍しいな、あんたがわざわざ部屋まで来るなんて」

 

「まあナ。クライアントが、どうしても今日中に返事を聞いて来いっていうもんだからサ」

 

で、ミルクを2杯分用意して、本題に入る。

 

「そんジャ、そろそろ本題にはいらせてもらっていいかナ」

 

頷くキリト。

 

「まあ、依頼人がいるって時点で察しはついてると思うけどナー。例の、キー坊の剣を買いたいって話……今日中なら、三万九千八百コル出すそーダ」

 

「…………さ…………」

 

思わず間抜けに開いた口をなんとか抑え、聞き返した。

 

「…………あんたを侮辱するつもりはないけど……それ、何かの詐欺じゃないのか?どう考えても四万コルは間尺に合わないよ。素体のアニールブレードの相場が確か一万五千くらいだろ?」

 

「オレっちも、依頼人に三回そう言ったんだけどナ!」

 

「……アルゴ、あんたの、クライアントの名前に千五百コルだす。それ以上積み返すか、先方に確認してくれ」

 

「………わかっタ」

 

すると、メッセージを飛ばすアルゴ。1分後、帰ってきた。

 

「教えて構わないそーダ。キー坊はもう、そいつの顔と名前を知ってるヨ。昨日の会議で大暴れしたからナ」

 

「…………まさか…………キバオウか?」

 

だが、アルゴは答えない。代わりにこう帰ってきた。

 

「……今回も、剣の取引は不成立ってことでいいんだナ?」

 

「ああ…………」

 

「そんじゃ、オレっちはこれで失礼するヨ。っと、帰る前に悪いけど隣の部屋借りるヨ。夜装備に着替えたいカラ」

 

「ああ…………」

 

そのあと、さらにキリトは考える。キバオウの狙いについてだ。だが、その瞬間だった。

 

「わあア⁉︎」

 

「…………きゃあああああ‼︎」

 

「ラッキースケベ、いただき!」

 

という声の後に、アルゴでもユウでもないプレイヤーがドアの奥から飛び出してきた。その後のキリトの記憶はない。

 

 

 

 

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