もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

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第41話

 

 

 

お風呂。貞操の危機を感じながらも柚葉は直葉と入浴中。で、今は湯船に浸かりながら直葉の胸に頭を置いてる柚葉。不機嫌そうに胸をツンツン突いた。

 

「…………ぶぅ」

 

「あ、あははっ……。大丈夫だよ、柚葉ちゃんもあと少し経てば大きくなるよ」

 

鼻血出そうになるのを堪えてなんとかフォローする直葉だった。

 

「でも、おにいのち○こ小さいから……ユズも……」

 

「うん関係ないんじゃないかな。ていうか見たことあるの?」

 

「SAOの時は、よく一緒に入ってた」

 

そこに確かな殺意を感じると同時に直葉は少し悲しくなった。小学生だった子が2年間もデスゲームの中に閉じ込められていたと思うと、今でも少し泣きそうになるのだ。思わず後ろから優しく抱き締めた。

 

「スグねえ……?」

 

「もう、2年間もいなくならないでよ?」

 

「………うんっ」

 

「あたし、寂しかったんだからね」

 

「………うんっ」

 

「じゃ、先上がるね」

 

直葉は上がった。ちなみに先上がった理由は鼻血であることは言うまでもない。

 

 

 

 

その日の夜。和人の部屋。柚葉と二人でナーヴギアを被った。

 

「さて、行くぞユズ」

 

「おーらい」

 

「「リンクスタート!」」

 

 

 

 

ALO内。

 

「もー、しつこいなあ‼︎」

 

金髪の少女が声を上げる。後ろから赤黒い五つの黒い影が二つの緑の影を追いかけている。

 

「仕方ない、戦闘準備‼︎」

 

金髪の少女は言いながら長刀を引き抜く。

 

「うえー、もうヤダよ」

 

もう一つの緑色の影が情けない声を上げた。

 

「向こうは五人、負けてもしょうがないけど簡単に諦めたら承知しないからね!あたしがなるべく引き付けるからどうにか一人は落として」

 

「善処します……」

 

「たまにはイイトコ見せてね」

 

そう言うと、金髪の少女は後ろの赤黒い影に突撃した。

 

 

 

 

「また……来ちゃったなぁ……」

 

キリトは森の中でそう呟いた。バグなのかなんなのか知らないが、自分の種族の領に落ちるはずが、森の中に落ちてきたのだ。で、とりあえず森の中を歩いている。

 

「ユウと、合流しないとな……」

 

そう思ったのだが、どうしても気になり、ログアウトボタンの有無だけ確認した。

 

「ほっ……あった……」

 

そのまま、色々とパラメータを見てみた。

片手剣スキル1000……体術991……釣り643……これはSAOでの剣士キリトのステータスがまんま残されている。

 

「SAOの中なのか……?」

 

そんなとをつぶやいた。気になってアイテム欄を見た。そこは激しく文字化けしたもので溢れていた。その時、キリトは突然とあることに思い至った。

 

「あっ……待てよ……」

 

そのままアイテム欄をスクロールしていく。

 

「頼む、あってくれ……頼むよ……」

 

そして、ようやくお目当ての物を見つけ、それを使用した。その瞬間、光の結晶体が現れ、地上から2mほどの高さで停止した。そして、その光の中から一つの影が生まれた。

 

「ユイ……俺だよ……ユイ。解るか……?」

 

「パパ……?」

 

そこにはユイがいた。

 

「また、会えましたね……パパ」

 

大粒の涙を煌めかせながらユイはキリトに抱き着いた。

 

「パパ……パパ……」

 

「奇跡は、起こるんだ……」

 

そんなことを呟きながらキリトはユイを抱き返した。

 

 

 

 

「で、こりゃ一体どういうことなんだろ?」

 

キリトがユイに聞いた。が、ユイはキョトンとした顔をする。

 

「いや、ここSAOの中じゃないんだよ実は……」

 

で、キリトはなんやかんやでまとめられた内容のすべてをユイに説明した。ついでに今、かいつまんで説明しとくわ。サーバーから消去されようとしていたユイを圧縮し、クライアント環境データの一部として保存したこと。ゲームクリアとアインクラッドの消滅。そして新たな世界、アルヴヘイムとそこになぜか存在する旧キリトのデータ。

 

「ちょっと待ってくださいね」

 

ユイは眼を瞑る。が、すぐに目を開いた。

 

「ここは、ソードアート・オンラインサーバーのコピーだと思われます」

 

「コピー?」

 

「はい。基幹プログラム群らグラフィック形式は完全に同一です。ただ、カーディナルシステムのバージョンが少し古いですね」

 

「ふむう……」

 

「それと、パパの個人データも覗かせてもらいましたが、所持アイテムはほとんどが破損してしまっています。このままではエラー検出プログラムに引っかかると思います。アイテムは全て破棄したほうがいいです」

 

「そうか、分かった」

 

言われるがまま、いやかなり躊躇ったけどキリトはなんとかすべて消去した。

 

「そう言えばユイはこの世界ではどういう扱いになってるんだ?」

 

「えーっと、このアルヴヘイム・オンラインにもプレイヤーサポート用の擬似人格プログラムが用意されているようですね。ナビゲーション・ピクシーという名称ですが……私はここに分類されています」

 

その瞬間、ユイは青白く発光した。と、思ったら身長は10cmほどに縮み、いやこれこそ妖精じゃね?みたいな姿になった。

 

「これがピクシーとしての姿です」

 

「おお……」

 

少し感動しつつもキリトはユイを指先でつついた。

 

「くすぐったいですー。あ、そうだ。ママは……お姉ちゃんは何処にいるんです⁉︎」

 

ユイに聞かれ、キリトは思わず表情が暗くなった。

 

「アスナは、SAOのサーバーが消滅してからも現実に復帰していないんだ。俺はこの世界でアスナに似た人を見たという情報を得てここにやってきた」

 

「そう、ですか……」

 

「おお、そうだ。ちょうどよかった。ユウの居場所は分かるか?あいつは全然ピンピンしてるよ」

 

「ちょっと待ってください……。プレイヤーを見つけました。お姉ちゃんであるかは分かりませんが、反応は五つあります」

 

「そっか。じゃ、行ってみようぜ。どうやって飛ぶんだ?」

 

「行ってみようぜって……相変わらずのんきですねぇ……」

 

「いいから飛び方教えてくれよ」

 

「はいはい……」

 

そんなこんなで冒険の始まりだ。

 

 

 

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