スイルベーン。三人で歩いている。
「ここがシルフの街かぁ。綺麗なところだなぁ」
「でしょ!」
キリトが言うとリーファは自慢げに胸を張る。常日頃から張ってるような胸を尚更張るなよ。そのまま店に向かう最中、
「リーファちゃん!無事だったの!」
声がした。
「あ、レコン。うん、どうにかねー」
「すごいや、アレだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん……って……な……スプリガンじゃないか⁉︎それと、ケットシー⁉︎なんで……⁉︎てかこのケットシー……‼︎」
と、反応するレコンを無視してリーファは言った。
「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、君と出会うちょっと前にサラマンダーにやられちゃったんだ」
「そりゃすまなかったな」
「違うよ!僕がやられたのはそこのケットシー!」
「へ?」
「リーファちゃんと別れてからなんとか戦おうと思ったんだよ!そしたら空から降ってきたそのケットシーにサラマンダーもろとも消し飛ばされたんだよ!」
すると、ユウを見るリーファとキリト。
「や、邪魔だったから……そのあと結局、木の上で寝ちゃった……」
で、テヘッ☆と頭をコツンと叩くユウ。
「やるならせめて無表情はやめろ」
キリトに言われてむ〜…っと唸るユウ。
「とにかく大丈夫よ。じゃね、レコン」
そのまま別れた。
*
「さ、ここはあたしが持つから何でも自由に頼んでね」
「じゃあお言葉に甘えて……」
「あ、でも今あんまり食べるとログアウトしてから辛いわよ」
「ユウはチョコパフェ75杯」
「話聞いてた?ていうか、あんたの分もあたしが持つの?」
で、リーファのフルーツババロア、キリトの木の実のタルト、そしてユウのチョコパフェ75杯が机に運ばれてきた。
「それじゃ、改めて、助けてくれねありがと」
言われてキリトは気恥ずかしそうに頬をかく。
「いやまあ、成り行きだったし……。それにしても、えらい好戦的な連中だったな。ああいう集団PKってよくあるの?」
「うーん、もともとサラマンダーとシルフは仲悪いのは確かなんだけどね。領地が隣り合ってるから中立域の狩場じゃよく出くわすし。きっと……近いうちに世界樹攻略を狙ってるんじゃないかな……」
「それだ。世界樹について教えて欲しいんだ」
「そういや、そんな事言ってたね。でも、なんで?」
「世界樹の上に行きたいんだよ」
「……それは、多分全プレイヤーがそう思ってるよきっと。っていうか、それがこのALOっていうゲームのグランド・クエストなのよ」
「なるほど……」
ちなみに横でトリコみたいにチョコパフェを片っ端から空にしているユウ。
「おにい、オシッコしたいからログアウトする」
「あ、ああ。分かった」
そのままユウはログアウトした。ちなみにチョコパフェはすでに半分片付いている。
*
ユウが戻って来ると、話が終わっていた。
「ユウ、終わったぞ」
「ほんと?どーするの?」
「明日からリーファと一緒に世界樹まで行くぞ」
「りーふぁも?」
「ああ」
「うん。よろしくねユウちゃん」
リーファは笑顔で手を差し出した。
「………やだっ」
「「えっ」」
キリトとリーファは思わず声を上げる。
「巨乳は、きらいっ」
ピキッと一発で頭に血がのぼるリーファだった。
「へ、へぇ〜言うじゃない。お子様オッパイの癖に」
「ふんっ。中学生に身体の成長で自慢するバカに碌な奴はいない」
「んなっ……⁉︎」
「ていうか、ゲームで巨乳なだけでどーへリアルでは白もやし24円(税込)」
「ち、違うわよ!リアルでも平均以上はあるわ!」
「だって、おにい」
「はっ……!」
今更男がいることを思い出すリーファ。気まずい笑顔のキリトを見ながら若干顔を赤くし、うわあーんと出て行った。
「………ユウ」
「余裕っ」
「さいですか……」
キリトはため息をついた。