「おつかれー」
「援護さんきゅー」
と、キリトとリーファはパシンと手を打ち合う。
「しっかしまあ……何ていうか、ムチャクチャな戦い方ねえ」
「そ、そうかな」
「普通はもっと
回避を意識してヒットアンドアウェイを繰り返すもんだけどね。きみのはヒットアンドヒットだよ」
「その分早く片付いていいじゃないか」
「早く片付けたいならあそこで寝てるのをなんとかしなさいよ」
リーファの視線の先には浮きながら寝ているユウを必死こいて持ち上げてるユイの姿があった。
「お、起きてください、お姉ちゃん……重いですぅ……」
「おにい……5000円かえせぇ……」
「だから借りてねぇよ。つーか一桁増えてるし」
で、キリトはため息をつく。
「ねぇ、手伝ってあげなくていいの?ユイちゃんがあのままじゃ落ちちゃうよ?」
リーファにも言われて仕方なくキリトは言った。
「ユイ、そいつ捨てていいぞ」
「ええっ⁉︎」
「どーせ後から追い付く」
「そ、そうですか?でも、道とか分からないんじゃ……」
「あーそれもそうか。じゃあ悪いけどユイはユウと一緒に後から来てくれるか?嫌だったら今落として叩き起こしてくれ」
「うー……分かりました」
「そうか。じゃ、先に行って……」
「落としますね」
「へ?」
ユイはフォイっとユウの真下から消えた。当然ユウは自由落下する。
「ハァ……つかれました。パパ、休ませてください……」
「あ、ああ……」
そのままキリトの胸ポケットに入るユイ。
「姉妹って、似るもんなんかなぁ……」
キリトはシミジミそう呟いた。
「さ、いきましょ」
そのままユウは上がってこなかったが、リーファとキリトは置いていった。
*
「いてっ」
ユウは地面に落下し、ようやく目覚めた。古森の中。ユウはキョロキョロする。
「ここ、どこ?おにい?ユイ?どこ?」
誰か一人なかったことにされているのは置いといて、ユウはとりあえず古森の中を歩いて進む。奇跡的に方向はあっていた。すると、ピロンとメッセージが届いた。
「おにいだ」
『キリト:先行くぞバカ』
「………おにい、殺す」
ユウはものっそい勢いで走り出した。
*
洞窟の前にキリトとリーファはいる。ただいま、ローテアウト中である。
「じゃ、行こうか」
キリトが目を覚まし、二人は洞窟の中へ。
「うええーと、……アール・デナ・レ……レイ……」
キリトはぶつぶつと呟きながら魔法のスペルワードを覚えようとする。
「だめだめ、そんなにつっかえたらちゃんと発動できないわよ。スペル全体を機械的に暗記しようとするんじゃなくて、まずそれぞれの力の言葉の意味を覚えて、魔法の効果と関連付けるようにして記憶するのよ」
「まさかゲームの中で英熟語の勉強みたいな真似することになるとは思わなかったなぁ……」
「言っときますけど、上級スペルなんて20ワードくらいあるんだからね」
「うへぇ……。俺もうピュアファイターでいいよ……」
「泣き言言わない!ほら最初からもう一回」
妹の殺意にも気付かずにのんきに旅をしていた。