洞窟の中。
「あっ、メッセージ入った。ごめん、ちょっと待って」
「ああ」
リーファは立ち止まり、アイコンを指先で押す。
『やっぱり思ったとおりだった!気をつけ、s』
「なんだこりゃ」
思わず呟くリーファだった。
「どうしたの?」
そのリーファにキリトが聞いたときだ。
「パパ、接近する反応があります」
「ユウか?」
「いえ、ですがプレイヤーです。多いです……13人」
「じゅうさん……⁉︎」
リーファは絶句した。通常の戦闘単位にしては多過ぎる。
「ちょっとヤな予感がするの。隠れてやり過ごそう」
「しかし……どこに……」
「ま、そこはオマカセよん」
すると、リーファは呪文を唱えた。
「シック・シャール・オービス・グロン・ロプト」
そう唱えると、キリトとリーファの前に擬似的な壁を作り出した。
「しゃべるときは最低のボリュームでね。あんまり大きい声出すと魔法が解けちゃうから」
「了解。便利な魔法だなあ」
「あと2分ほどで視界に入ります。でも、一人足りませんね」
「なに?」
「12人しかいません」
「どういうことだ……?」
「とにかく、まずはあいつらをやり過ごさないと」
リーファに言われ、とりあえず黙るキリトとユイ。
「あれは……何だ?」
「何?まだ見えないでしょ?」
「プレイヤーは見えないけど……。モンスターかな?赤い、ちっちゃいコウモリが……」
「⁉︎」
リーファは息を呑んで目を凝らした。
「………くそっ」
無意識のうちに罵り声を上げると、リーファは魔法を使ってコウモリを殺した。
「お、おい、どうしたんだよ」
「あれは、高位魔法のトレーシング・サーチャーよ‼︎街まで走るよ、キリトくん‼︎」
「え……また隠れるのはダメなのか?」
「トレーサーを潰したのは敵にもうバレてる。この辺に来たら山ほどサーチャーを出すだろうから、とても隠れきれないよ。それに……さっきのは火属性の使い魔なの。ってことは、今接近してるパーティは……」
「サンダルフォンか!」
「サラマンダーよ!行くよ!」
そのまま一気に駆けながらマップを広げて確認すると、この一本道はもうすぐ終わり、その先に大きな地底湖が広がっていた。
「どうやら、逃げきれそうだな」
「油断して落っこちないでよ。水中に大型のモンスターがいるから」
なんて話しながら二人はゴールまでもう少し。その時だ。目の前に壁が現れた。
「やばっ……」
「なっ……」
キリトも一瞬眼を丸くしたが、走る勢いは緩めず、そのまま剣でその壁を破壊しようとする。
「あ……キリトくん!」
案の定、弾かれて後ろにひっくり返る。
「無駄よ」
「もっと早く言ってくれ……」
「キミがせっかち過ぎるんだよ。これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れないわ。攻撃魔法をいっぱい撃ち込めば破壊できるけど……」
「その余裕はなさそうだな……」
すると、後ろから赤い鎧をまとった集団が現れた。
「湖に飛び込むのはアリ?」
「ナシ。さっきも言ったけど、ここには超高レベルの水龍型モンスターが棲んでるらしいわ。ウンディーネの援護なしに水中戦するのは自殺行為よ」
「じゃあ戦うしかないわけか」
「それしかない……ね」
そのまま二人は橋の向こうのサラマンダーを見た。
「リーファ。君の腕を信用してないわけじゃないんだけど……ここはサポートに回ってもらえないか」
「え?」
「俺の後ろで回復役に徹して欲しいんだ。そのほうが俺も思い切り戦えるし……」
リーファは頷いた。で、キリトは突撃した。
「はぁぁぁッッ‼︎‼︎」
そのままキリトが剣を振り下ろした時だ。後衛、中衛のサラマンダーがブアッぶっ飛ばされた。
「えっ」
見ると、ユウが薙刀を持っていた。
「げっ、ユウ……」
「うーわ……怒ってるよ……」
リーファ、キリトと声を漏らす。
「おにい……殺す」
と、宣言するユウの後ろからまだ死んでないサラマンダーが二人斬りかかった。
「ユウ!危なっ……」
リーファが声を上げるが、ユウは後ろを見もせずにその2人を斬った。
「」
「おにい、殺す」
すると、キリトはリーファとユイに言った。
「リーファ!ここは俺が押さえる!お前らは先に街に入るんだ!」
「ええっ⁉︎」
「早く行け!」
「な、なんでこんなことになるのよー!」
そのままユウは突撃し、キリトも応戦した。