アスナが帰り、キリトはユウにアルゴから聞いたことを相談した。
「………なるほど」
「ユウはどう思う?」
「決まってる。向こうの狙いは剣なんかじゃなく、何か別のこと。おそらく、おにいの剣を使って、何か大きい価値を手に入れようとしてる。例えば、LAアタックを取る確率を上げるとか」
「………! なるほど」
「なんにせよ、今日までに返事欲しいと言って来たなら、明日の攻略会議で何かしら動いてくるはず」
「それもそうか……ありがとな、ユウ」
「べつに。だれでもこのくらいは分かる」
「そうだな……」
「それより、もう眠い……。ユウ、寝る」
「ああ、おやすみ。………っと、俺も寝るか。明日はボス攻略だもんな」
そのまま二人は同じベッドで寝る。
「……………」
(明日は、頑張らないとな……)
そう決意して、キリトは目を閉じた。
*
次の日、さっそく攻略組はディアベルの見つけたボス部屋へと足を運ぶ。ユウはキリトの背中で寝息を立てている。その後ろをアスナはついていく。
「おい」
不意に声をかけられた。キバオウだ。キリトもアスナも顔をしかめる。
「ええか、今日はずっと後ろに引っ込んどれよ。ジブンらは、わいのパーティーのサポ役なんやからな」
「……………」
「大人しく、わいらが狩り漏らした雑魚コボルドの相手だけしとれや」
それだけ言うと、ペッと唾を吐き捨てるキバオウ。
「なに、あれ……」
アスナが声を漏らした。
「さぁ、ソロは引っ込んでろってことかな……?」
「敵だ!」
キリトが誤魔化すように言った時、誰かの声が響いた。すると、何体かコボルトが現れる。そのコボルトが襲いかかってきたが、ものっそい衝撃と共に真っ二つになった。
「ユウ!」
「おはようの、準備運動」
「いや初耳だよその準備運動」
「そんな事より、働く」
「わーってるよ」
そのままユウが暴れると、後に続くキリトとアスナ。
「おい!全員お嬢ちゃんに続けェ!」
と、誰かが号令をかけ、そのままコボルトの群れを撃退した。
*
ボス部屋に到着した。
「行くぞ!」
ディアベルがそう言うと、全員は中へなだれ込んだ。すると、灯りがつくボス部屋。そして、中央に立つのはカンガルーを強化しましたみたいな外見の獣人の王イルファング・ザ・コボルトロード。
「グルルラアアアアッ‼︎」
そう一喝するボスと、周りに湧いてくる取り巻きの皆さま。44人はそれに相対するように全員が作戦通りに動いた。
「ユウ、アスナ。死ぬなよ」
「ヨユー」
「分かってるわよ!」
そのまま最初のボス攻略が始まった。