あの後、和人は念のためアスナの病院へ(木刀を持って)向かった。須郷が現実で何かしてくるかもしれないと思ったからだ。案の定、ナイフで斬りつけてきた須郷を木刀でボコボコにした挙句、警察に突き出した。
で、学校が始まった。SAO生還者専用の学校である。そんな中、ユウは教室で一人でポツンとしていた。友達の作り方が分からないのだった。
「……………」
二つ上に行けばシリカ……綾野桂子がいるのだが、そこまで行く勇気はない。
「………いいし、友達とか、いなくて」
*
その頃、和人。
「だ、大丈夫かなユズ……友達とかいるよね?大丈夫だよね?」
教室でものっそい貧乏揺すりしてた。
「ちょっと和人くん、少し気持ち悪いわよ」
明日奈に隣から毒突かれ、和人はガバッと振り返った。
「だって!心配だろ⁉︎あいつコミュ症だからなぁ……心配だなぁ……不安だなぁ……」
「このシスコン……」
「ていうか、なんで明日奈ここにいるんだ?学年一つ上だろ?」
「何よ、わざわざ遊びに来てあげたんじゃない」
ツンッとそっぽを向く明日奈。
「………何怒ってんだ?」
「怒ってないわよ!」
「そ、そう…ごめん……」
一応、謝りながらも和人は頭を抑えた。
「にしてもどうしよ……まじでユズ大丈夫かな……イジメなんて起きた暁にはスグと一緒に暴動だ。乱闘パーティだ」
「怖いよほんとに……」
*
今日は打ち上げがある。だから、和人と柚葉と明日奈と直葉は三人でエギルの店へ向かった。
「んー!柚葉ちゃん柚葉ちゃん柚葉ちゃーん!一緒に打ち上げなんて楽しみだなー!」
「〜ッ‼︎〜ッ‼︎〜ッ‼︎」
ギューッと抱っこしたまま直葉は和人と明日奈の後ろを歩く。
「ねぇ、妹さんって……どういう子なの?」
「剣道バカ……いや、脳筋?違うな……胸に筋肉と脂肪が詰まった……」
と、言いかけた和人の後頭部に直葉のドロップキックが突き刺さった。
「余計な事言わないで」
「い、いきなり街中で兄にドロップキックするとは……」
「義兄の癖に」
で、直葉は再び柚葉を愛でる。後頭部を抑えて悶える和人に明日奈は小声で言った。
「ほんとに武闘派みたいだね……」
「だろ?あとそれに追加。シスコン軍そ……」
再びドロップキックが刺さった。
「お兄ちゃんに言われたくない」
で、また愛でる。
「………大丈夫?」
「泣きそう……」
*
店に入ると、既に全員が揃っていた。どっかで見たことあるプレイヤーがたくさん。リズやシリカ、クライン、エギルだけでなく、シンカーだのユリエールだのサーシャなどもいた。
「おいおい、俺たち遅刻はしてないぞ」
「へっへ、主役は最後に登場するものですからね。あんた達にはちょっと遅い時間を伝えてたのよん。さ、入った入った」
リズ……篠崎里香が言った。そして、全員に言った。
「えー、それでは皆さん、ご唱和ください。せーのぉ!」
『キリト、ユウ!SAOクリア、おめでとー‼︎」
クラッカーの音と拍手。二人のポカーンとした間抜け面にいくつものフラッシュが浴びせられた。