もし、キリトに実妹がいたら   作:スパイラル大沼

65 / 74
第65話

 

 

シノンは鉄橋の見える森林からヘカートを構えていた。視線の先にはダインがいる。

 

「どんな時も後ろに注意よ、ダイン君」

 

そう呟くと、引き金を引こうとした。その時、後ろから物音がした。

 

「しまっ……⁉︎」

 

振り返ると、キリトがいた。

 

「待て」

 

「っ……⁉︎」

 

反射的にMP7を突き出すのと、目の前に黒い銃口が出現したのが全く同時だった。

 

「待つんだ。提案がある」

 

「何を今更ッ……!この状況で提案も妥協もあり得ない!どちらかが死ぬ、それだけよ!」

 

「撃つ気ならいつでも撃てた!」

 

言われて怯むシノン。

 

「今ハデに撃ち合って銃声を向こうに聞かれたくないんだ」

 

「……?どういう意味……」

 

「あの橋で起きる戦闘を最後まで観たい。それまで手を出さないでくれ」

 

「……観て、それからどうするの?あらためて撃ち合うなんて間抜けなこと言わないでよね」

 

「状況にもよるが、俺はここから離れる。君を攻撃はしない」

 

「私が背中から狙撃するかもよ?」

 

「それならそれで仕方ない。諒解してくれ、もう始まる」

 

「………仕切り直せば、今度はちゃんと戦ってくれる?」

 

「ああ」

 

頷くキリト。しばらく見てると、始まった。ダインはライフルを構え、鉄橋の向こうからペイルライダーがやって来た。ダインの狙撃を全く恐れることなく、ペイルライダーは接近する。

 

「あいつ、強い……」

 

シノンは声を漏らした。

 

「STR型なのに装備重量を抑えて、三次元機動力をブーストしてるんだわ……しかも、軽業スキルがかなり高い」

 

そして、なんか撃ち合ってダインはやられた。

 

「あの青いやつ、強いな……あいつが……あのマントの中身なのか……?」

 

キリトが声を漏らした時だ。その青い奴が撃たれた。

 

「「あっ……!」」

 

2人で声を漏らす。そして、鉄橋の横からボロマントの男が現れた。

 

「……シノン、撃て」

 

「えっ?」

 

キリトが怯えたような声を出す。

 

「え?どっちを?」

 

「あのボロマントだ。頼む、うってくれ、早く!あいつが撃つ前に‼︎」

 

キリトの切迫した声はシノンの指をヘカートのトリガーに移動させた。その時だ。

 

「逢いたかった……逢いたかったぞキリトォォオオオオ‼︎」

 

間抜けな声が聞こえた。後ろからライフルを持ったユウが飛び込んできた。

 

「どんなタイミングぅぅううううッッ‼︎⁉︎」

 

キリトのツッコミも無意味にライフルから弾丸が飛び出す。キリトもシノンも慌てて逃げた。が、おかげでボロマントもペイルライダーから離れて距離をとった。

 

「お、おい待てユウ!今はそんなことしてる場合じゃ……!」

 

「戦場に場合も何もない。強き者が生き残るだけだ!」

 

「ああああ!マジめんどくせぇなお前!」

 

「貴様とは一度戦ってみたかった……!好敵手よ!」

 

「なんで一回も戦ったことねェのにライバル扱いされてんの!」

 

いや、ALOとかでは何度か戦ったかもだけども。と、心の中で付け加えるキリト。

 

「シノン……貴様とも戦闘したことはなかったな。今ここで決着をつけよう!」

 

「戦ったことないのになんの決着をつけんのよ!」

 

と、3人で撃ち合いが始まる。

 

(今はこんなことしてる場合じゃないってのに……!仕方ない!背に腹は変えられねェッ‼︎)

 

そう判断すると、キリトはユウに言った。

 

「落ち着かねぇとスグに言い付けるぞ!ユズ!」

 

ユウの動きが、空中で止まった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。