テイルズオブエクシリア2.ご!〜エル・ウィル・クルスニクの日常〜 作:ふぁみゆ
超万能メイドさんエル・ウィル・クルスニク!
クランスピア社…
今日もまたエルはイバルから仕事の説明を受ける。
「現在、エレンピオスとリーゼマクシアの和平条約が結ばれて早十年。だが、未だに互いのわだかまりが解けた訳ではない…反対派やアルクノアは未だに社会の闇に蔓延り、暗躍している…」
窓の外の世界を見つめ、今の世界情勢を語る。10年たってもまだ完全に一つになりきれない世界。そのために超えなければならない壁はたくさんある。イバルたちクランスピア社はそれを解決するために今も頑張っていた…
「ねぇ、急に真面目に話し込んじゃって、どうしちゃったのイバル?」
「社長は救いようのない馬鹿ではありません。たまにはあんなふうに良い所を見せることもあります。たまには…」
「ふぅ〜ん…」
のだが、そんなイバルの真面目な話をエルは全く真に受けていない。それどころかイバルが窓の外を見てこちらに背中を向けているのをいいことにヴェルとひそひそ話なんてやっている。
「今回お前にやってもらいたいことはアルクノア構成員としての疑いのあるとある家庭への潜入、及び捜査だ」
さすがに本題に入ったためエルの表情が引きしまる
「潜入捜査?でも、エルにはそんな経験全くないよ?」
「いや、今回の仕事はマルチに活躍しているお前には適任だと判断した。現地で戦闘になった場合潜入班単独の潜入では、対応しきれない可能性があるからな…」
確かに潜入班は戦闘訓練を受けているとはいえ単独での潜入では、対複数との戦闘になった場合に敵に負けてしまう可能性が高い。その場合は実戦経験の豊富なエルのほうが適任ではあるだろう。
だが、それでも潜入自体でバレてしまわないことが最も望ましいので不安ではあった…
「そんな顔をするなよ。一応指導役は用意してある。しっかり練習してから行けばいい…」
「なら、いいんだけど…それで、私はどうやって潜入すればいいの?その家庭の仕事先に?…」
それを聞くとイバルは少し笑った。いや、にやけた
「いや、それはな…」
ーーーーーーー
「お帰りなさいませ!ご主人様!」
黒のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせたエプロンドレスに、同じく白いフリルの付いたカチューシャ。
人はそれをメイド服と呼ぶ。
エルは今、それを着て華やかな笑顔で定番の台詞を言ったのだ。
「ほっほっほ、素晴らしいですよエルさん」
それを褒めるのはローエン・J・イルベルト。
何を隠そう今回のエルの指導役は元執事であるこの人なのだ。
「…はぁ〜、なんで私がこんなことを…」
当然イバル社長のせいです。
潜入するのは容疑者の自宅。その容疑者は大富豪であるためとても大きな屋敷を持っていた。そこにメイドとして潜入するのが今回の作戦なのだ。
「まぁまぁ、これも平和のために必要なことだと思って頑張りましょう。」
常に笑顔なローエン閣下…
「ローエン、なんか楽しんでない?」
「えぇ、勿論。ここまで育て甲斐のあるメイドさんは初めてです。私にお任せください、エルさんを最高のメイドにして差し上げましょう!」
「え、いや、潜入のためだし!メイドになるつもりなんかないし!」
「では、次の特訓は…」
「特訓!?そんなに真面目に!?ちょっとローエン!?」
こうして、エルはローエンによりメイドの指導をそれはそれはみっちりと受けた…もう本職メイドでやっていけるくらいに…
そして、ようやくローエンに認められたエルはすぐに潜入捜査に向かった。
とある思いに掻き立てられて…
「もう、メイド服は着たくない」
という個人的な理由で…
ーーーーーーー
ピンポーン
メイド服を着たエルはチャイムをならす。いよいよ潜入するのだ…
緊張はなかった。
ローエンの地獄の特訓を乗り越えてきたのだから。
ガチャリと扉が開く
すぐにエルはローエン仕込みの精一杯の作り笑顔であいさつをする…
「本日よりこの家で働かせていただきます。エル・ウィル・クルスニクです。よろしくお願い…いた…しま…す…」
しかし、言葉が途切れ途切れになってしまっていた
目の前の人物に驚きを隠せなかったからだ…
「あぁ、あなたが新しく来たメイドさんね。話は父から聞いています。」
なぜなら、その人物はあまりにも似ていたからだ…
「娘の"ラル・メル・マータ"です。どうぞ、入ってください。」
自分の顔に…
今回は二話完結にはならないかもしれませんね…
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