テイルズオブエクシリア2.ご!〜エル・ウィル・クルスニクの日常〜   作:ふぁみゆ

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まだまだ続きます。
改めて、エルって辛い立場にいるんだなって…


"エル"とラル〜ラルの幸せ・エルの使命〜

その怪しげな男は屋敷の客間へと入っていった。

 

扉に耳をつけ中の気配を探るエル…気配は二人だけのようだ…

中からは話し声、しかし、話の内容までは分からない。

 

ブチッ

 

エルはメイド服の袖のところに縫いこんである盗聴器を服の記事ごと引きちぎるとそれを扉の隙間から客間の中へと差し込んだ。

 

盗聴器はクランスピア社特製のもので非常に小さい。誰かが拾ってもメイド服の切れ端くらいとしか思わないだろう。

 

そして、気づかれないように気配を殺しながら。自分の部屋に戻っていった…

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

翌日よく寝れなかったため休憩時間に部屋で軽く仮眠を取っていたエル。

しかし、程なくして扉をノックする音が聞こえる

 

「エルさん少しいいかしら?」

 

声の主がラルであることを確認するとエルは部屋の扉を開けた。

 

「さっき街に行った時に美味しそうなクッキーを買ってきたの。よかったら一緒に食べない?」

 

「はい、い、いただきます。」

 

適当に紅茶を入れて席につく

 

そんなエルを見てラルはすぐにあることに気づいた。

 

「あら、エルさん。洋服の袖が破けてるわ」

 

先日、客間に盗聴器を忍ばせるために破いた服。しかし、袖を少しちぎっただけなので何も言われずに気づく人はそういないだろう。エル自身もそう思っていたため直さずにいたのだが…

 

「昨日、客間の掃除をしていた時に破けちゃったみたいで…」

 

「待ってて、部屋から裁縫箱を取ってくるわ」

 

「いいえ、お嬢様!滅相もない…」

 

「いいのよ。いつもお世話になっているんだもの、これくらいやらせて頂戴」

 

と言って止める間もなく部屋を出て行ってしまった。

 

テーンテテテテーンテンテンテン♪

 

するとすぐにエルのGHSが鳴り始める。ラルはしばらく戻ってこないだろうと踏んでそのまま電話に出た

 

ピッ

 

「ヴェルです。先日の深夜盗聴器で拾った音声をGHSに転送しました。ご確認ください。」

 

通話を切るとすぐに送られてきた音声データを再生した…

 

「!?、これって…」

 

一人は昨日屋敷に来た男。話しているのはアルクノアの犯行計画。

そして、屋敷に最初からいたもう一人の男の声は…

 

「心配するな。向こうは俺のことを疑っちゃいない。いざとなればすべての責任をこの家に押し付けることができるのさ…」

 

ラルの許嫁の男。マグナ・ゼク・ルギエヴィート

 

エルは昨日のラルの言葉を思い出す

 

「お嬢様は幸せですか?」

 

「幸せよ!」

 

だが、自分はこの幸せをもうすぐ壊さなければならない…

エルの心に黒いモヤが広がっていった…

 

 

ーーーーーーー

 

ちくちくとエルの袖を塗っていくラル。その表情は柔らかく、温かみがあった。

自分にお母さんがいたらこんな感じなのだろうか…そんな考えが思い浮ぶ。

 

「なんだか、こうしていると本当に娘ができたみたい…」

 

「……私もお母さんがいるみたいです…」

 

「あら、少し嫌なことを聞いてしまったかしら?」

 

「あ、いえ、そんなことは…」

 

「そうね…」

 

チョキン

 

ラルは縫い終え、ハサミで糸を切り裁縫箱を片付けながらこんなことを言った。

 

「あなたのお母さんにはなれないけど、お友達になることはできると思うの。だから…」

 

優しい笑顔をエルに見せる

 

「あなたも私と友達でいてくれないかしら?」

 

「……」

 

言葉自体は嬉し買った。ラルはいい人だ。そんな人に友達になってほしいと言われるのは正直嬉しい。

 

でも

 

「ごめんなさい…」

 

ふるふると震えるエル。顔を上げるとその瞳には涙をためていた

 

「私は…エルには…そんな資格は…無いんです…」

 

「!?エルさん?…」

 

バン!

扉を開け放ち駆け出していた。

 

生き残ったことでラルの運命を大きく変えてしまったエル…

そして、今からも彼女の"幸せを壊そうとしている"エルには今のラルの優しさを受け入れることができなかった…

 

「エルは、エルは…!……本当に幸せになってもいいの?……教えてよ…ルドガー!………」




さぁ、次回は決着をつけましょう!
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