ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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溜まりに溜まっていた記念ストーリー第1段。

元ネタは某アニメのドラマCDより。

それでは、どうぞ!!


『お気に入り250記念』 文化祭とメイド喫茶

「よし!これで今日の練習を終わる!!各自身体のケアを怠るなよ!!」

 

陸上部の顧問の先生が練習終わりのミーティングを締め、再び校舎の中へ戻っていったのを確認し、陸上部の男子部員が一斉に円を作り始める。

 

しかもここには今受験勉強真っ盛り中の一代前の部長がペラ紙1枚持っていた。

 

「みんなを呼び止めたのは他でもない。今日から約2週間後に控えている文化祭の出し物についてなんだが……」

 

「陸上部で何かやるんですか?」

 

1年生の短距離ブロックの椎名が手を挙げて質問する。

 

「おう。実は我が部の伝統で『メイド喫茶』をやることになっているんだ」

 

『はぁ!?』

 

『今年もやるのか……』

 

1年生が一斉に驚き、2年生は遠い目をしながら呟いた。

 

まぁ、驚くのも無理はない。

 

昨年の今ごろ、オレが1年生の時にも同じ反応をしたし。

 

「メイドのコスプレするんですか!?俺嫌ですよ!?」

 

「そうですよ!!そもそもこんな大人数入る教室なんて無いですよ!?」

 

1年生を中心にメイド喫茶をやることに不満を口にするが、部長は後ろに備え付けられているホワイトボードを裏拳で叩いてこの場を沈ませる。

 

「うるせぇ!!男のクセにガタガタ抜かすな!!……それに、全員が全員メイドをやる訳じゃねぇんだ。メイドをやるのは選抜制だ……」

 

超大真面目な顔付きで語ってるけど、内容と顔付きのギャップを突っ込んだらきっと負けなんだろう。

 

誰も突っ込まずにいると、部長がどこから借りてきたのかくじを引くガラガラを机の上に乗せた。

 

「と言うわけで『誰がメイド喫茶のメイド役をやるのか!?』くじ引きたいかーい!!はい、拍手ー!!」

 

と、こんな男子高校生特有の勢いのままメイド選抜クジ引き大会が開かれた。

 

ルールは簡単。

 

部員の人数に対し、約3割ほどの当たりを引いてしまった者がメイド喫茶のメイドをやるという至極単純なルールだ。

 

口では簡単に言っているが…、

 

「ぃよっしゃぁぁぁぁあっ!!!メイド回避だぁぁぁぁあ!!!」

 

「はい、メイド免除~。………チッ」

 

「なんで今舌打ちなんかしたんですか!?部長!!何はともあれ免除だぁぁぁぁぁあっ!!!」

 

ある者たちはメイド回避を喜び、歓喜の雄叫びをしたり……

 

「はい、メイド決定~!」

 

「嫌だぁぁぁぁぁあっ!!!フリルのついたエプロンドレスなんて着たくねぇよぉぉぉぉぉおっ!!!」

 

「はい、お前もメイド決定~!」

 

「メイドは見るからいいのに自分がメイドをやるなんて嬉しくねぇぇぇぇえっ!!!」

 

……ある者たちは自分の運を嘆くものたちによる絶望の嘆きを叫ぶ、まさに天国と地獄が繰り広げられた。

 

「んじゃ次、松宮の番だな」

 

「うぃーっす」

 

オレはガラガラのグリップの部分を握り、回し始める。

 

文化祭か…。

 

穂乃果たちを呼んで一緒に回るのも悪くねぇかもな……。

 

当日のことを考えながら回していると、急に大当たりの鐘がなっている音が聞こえてきた。

 

「今年1番の犠牲……、もとい大当たりは松宮に決定~!!」

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌だ!オレはこんなメイド服着たくねぇ!!」

 

次の日の部活終了後、オレは憤りを隠せずにいた。

 

ちなみに今のは衣装を発注・制作している女子部員の手から直々にデザインされたA4のコピー用紙を渡され、目を通すがすぐに地面に叩きつけた際に放った台詞だ。

 

「仕方ないでしょー?呪うなら大当たりなんて引いてしまった自分の豪運を呪いなさい?」

 

「大丈夫ですよ!!センパイは比較的中性的な顔付きですし、身体のラインも細めですし!!」

 

フォローにすらなってねぇ!?

 

「諦めなよ。うちの部の伝統で当番(メイド)になった人がやらないとどうなるか分からないあんたじゃないでしょー?」

 

「うぐっ……」

 

オレは言葉を詰まらせる。

 

うちの部の伝統で当たりクジを引いた人が当日急な事情以外で当番をすっぽかすと退部という伝統があり、数年前に3人ほど退部させられている経験があるらしい。

 

一番始めにメイド喫茶をやると言い出した人をブン殴ってやりてぇ。

 

「不幸だ……」

 

オレは男女平等パンチで有名な某ラノベ主人公の口癖を溜め息混じりで呟いた。

 

 

 

 

 

~Side 高坂 穂乃果~

 

「ねぇ海未ちゃん、ことりちゃん」

 

「はい?」

 

「どうしたの?穂乃果ちゃん」

 

練習が終わって更衣室で練習着から学校の制服に着替える時、ふと思ったことがあったので2人に聞いてみた。

 

「そういえば今週末辺りそーちゃんの学校の文化祭の季節じゃない?」

 

「そうでしたっけ?少なくとも私には連絡が来ていませんね。…ことりは壮大から何か聞いたりとかはしてないのですか?」

 

「ううん。何も聞いてないよ?」

 

「なになに?何の話をしてるにゃ?」

 

3人で話していると着替えの途中だった凛ちゃんが話に入ってきた。

 

「そーちゃんの学校の文化祭そろそろじゃなかったかなーって…。凛ちゃんもそーちゃんの学校の文化祭気になるでしょ?」

 

「そーくんの学校の文化祭!?凛も行きたいにゃー!!」

 

「こーら、凛。着替えの途中なんだからはしゃいだりしないの。また転ぶわよ?」

 

「そうだよ、凛ちゃん。着替えの途中で走ったり跳んだりすると危ないよ?」

 

「ん~?みんなで集まって何話してるん?」

 

凛ちゃんがピョンピョン跳ねたり、それを真姫ちゃんと花陽ちゃんがなだめたりしているとみんなよりも先に着替え終わった希ちゃんたちも話の輪の中に入ってきました。

 

「何よそれ。そんなの壮大に電話すれば一発じゃない」

 

希ちゃんたちにも話の内容を説明すると、にこちゃんが最もな意見を提案してきて私たちは一斉ににこちゃんを見た。

 

「…なによ?」

 

「にこちゃんが…!まともな意見を言うなんて……!!」

 

「どういう意味よ!!あまりバカにするとほっぺつねるわよ!?」

 

「もうつねってるにゃ~……」

 

にこちゃんが凛ちゃんのほっぺをつねりながら怒り、ほっぺをつねられている凛ちゃんは涙目になりながら抗議をしていた。

 

一通りのやり取りが終わり、にこちゃんの言う通りにみんなを代表して穂乃果のスマートフォンを使うことになったのでカバンの中から取り出し、スピーカーモードにしてからそーちゃんに電話をかけた。

 

『……穂乃果?どうした?』

 

みんな声を出さず、静かにして待つこと数十秒。

 

電話に出たそーちゃんは何だか機嫌が悪そうだった。

 

「そーちゃん?今時間大丈夫?」

 

『……少しだけなら』

 

機嫌が悪い、というより何だか疲れているような感じだった。

 

もしそーちゃんが機嫌悪かったら言葉遣いも荒くなるしね。

 

っとと!!こんなこと考えてる場合じゃないや!

 

そーちゃんの学校の文化祭の事について聞かなきゃ!

 

「そーちゃんの学校の文化祭っていつ?」

 

『今週の土日』

 

「穂乃果たちもそーちゃんの学校の文化祭見に行ってもいいかな?」

 

『来んな』

 

返事として返ってきたのは、意外にも拒絶の反応だった。

 

『いいか?来るなよ?絶っっっっっっ対来るんじゃねぇぞ!?』

 

一方的に電話を切られ、通話が終了した機械音だけが穂乃果のスマートフォンから聞こえてきました。

 

「壮大は『絶対来るな』と言っておりましたが…」

 

「今の壮大くんの口調からしたらどう考えても…」

 

「フリにしか聞こえなかったにゃ」

 

みんな同じように顔を見合わせ、数分の話し合いの結果今週の土曜日にそーちゃんの学校の文化祭をみんなで見に行くことになりました。

 

でも何でそーちゃんはあれほどの拒否反応を見せたのだろう…?

 

Side out

 

 

 

 

 

 

文化祭当日。

 

学校の正門から校舎入口に向かって伸びていく数々の屋台が並んでいるのを眺めながら、文化祭関連で何回ついたか分からない溜め息をつく。

 

「壮大センパイ!似合ってるじゃないですかそのメイド服!!」

 

「全っ然嬉しくねぇ!!」

 

いつの間にかオレの隣にやってきた後輩ちゃんが目をキラキラ輝かせ、息を荒くしながら近付いてくる。

 

なんかもう…ヤバいってより女として腐ってんじゃねぇの?この娘。

 

「っつーか…、このメイド服スカート丈すっげぇ短いんだけど?」

 

「そりゃ壮大センパイが当たりくじを引きましたからね。それよりもあと5分で開店しますから早くスタンバイしてください」

 

「……へいへい」

 

仕方ねぇ…、もう腹括ってやるしかねぇか…。

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ~!ご主人様っ♪」

 

オレは出来るだけ爽やかな笑顔で入ってきたご主人様……もといお客様を迎える。

 

「うん上出来!さすが壮大センパイ……可愛いです!萌え~ですよっ!」

 

「それにしても、壮大さんってあんなキャラだったか……?」

 

「オイ!先輩の目をよく見てみろ!腐った魚のようになってんぞ!!」

 

「あっはっはっは!壮大マジ面白い!!いやー、今後しばらくあいつをイジるネタが出来たわー!!」

 

裏方でヒソヒソと話している部員たちの会話もバッチリ聞こえている。

 

最後に喋ったやつ今すぐ出てこい。

 

今なら3/4殺しで済ませてやる。

 

っと、また新たな客……しかも大人数で来たか。

 

「お帰りなさいませ~!ご主人様っ♪」

 

「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」

 

「…………」

 

オレは戦慄した。

 

団体客を迎え入れるため、演技とはいえノリノリで来店の挨拶をした。

 

しかし、今回ばかりは相手が悪かった。

 

そこには『絶対来るな』と、あれほど釘を刺したにも関わらずやってきたμ'sのメンバーが全員オレの目の前に立っていたからだ。

 

蔑むような目を向けるもの、すでに大笑いしているのに無駄に笑いを堪えようと頑張るもの、戸惑いを隠せぬものと様々だ。

 

「そー……ちゃん?その格好は……なに?」

 

「……メイド服だが?」

 

穂乃果の戸惑いに答えると、みんなが一斉に口を開いた。

 

「壮大って……実はそんな趣味があったの……?」

 

「ありませんけど!?」

 

絵里ちゃんには変な勘違いをされ…、

 

「気持ち悪い……」

 

「知ってるよ!!」

 

真姫からストレートに言われ…、

 

「最低です…、あなたは最低です!!」

 

「何が!?」

 

海未からは罵られ…、

 

「壮大くん……、無理があるんじゃないかなーって…」

 

「頼むからドン引きしながら言わないで!?」

 

花陽ちゃんも後退りしながら拒絶され…、

 

「そーくん!そのメイド服かわいいね!!」

 

「フォローになってねぇ!!!」

 

ことりにはフォローになってないフォローをされ…、

 

「そーくん、凛の目が腐るからこっち見ないで欲しいにゃ。もしくは凛の視界に入らないところにいて?」

 

「オレにどうしろと!?」

 

凛ちゃんにも拒絶され…、

 

「…………」

 

「目ぇ反らさないで!?」

 

にこちゃんに至っては目を合わせてくれず…、

 

「壮くん…」

 

「のんちゃん……」

 

そして女神ことのんちゃんには…、

 

___パシャ。

 

「これで壮くんが悪いことしたらこれを盾に出来るやんな?」

 

弱味を握られた。

 

「…………すまん。少し休憩貰うわ」

 

「ど、どうぞ……」

 

オレは近くにいた後輩に休憩に入ることを伝え、メイド喫茶が開かれている教室から制服がある陸上部の部室へ全力で走っていく。

 

……流れる涙も拭わずに。

 

 

 

 

 

 

 

~Side 高坂 穂乃果~

 

「ちょっと言い過ぎたかな……?」

 

「そうですね…。私たちが混乱したとはいえ心許ない発言をしてしまいましたし……」

 

「そーくん物凄く落ち込んでたよね…?」

 

私たちはそーちゃんがいためメイド喫茶には入らず、他のところでご飯を食べてから他の展示や催し物を見て回っていた。

 

絵里ちゃんや凛ちゃんたちも学年別で回ってみたいところがあるらしく、今は私たちの3人だけだ。

 

すると、何やら歓声とどよめく声が聞こえてきた。

 

「何やってるんだろうね?」

 

「この先は…どうやら体育館のようですね」

 

「行ってみよ?」

 

私たちは人が多い体育館に入り、2階に上がって何とか体育館の中が見れるスペースを確保して身を寄り出して確認してみると……、

 

「うらっしゃぁぁぁぁぁあっ!!!」

 

『何ということだ!急遽メンバーに欠員が出たチームに飛び入り参加した2年陸上部の松宮くんの勢いが止まらなーい!!これで今日だけでダンクは10本目ぇぇぇぇえ!』

 

「オラどうしたぁ!?まだまだ暴れたりねぇぞ!!」

 

『もうやめて!相手チームのライフはもう0よ!!』

 

……そこには鬼神と化したそーちゃんが暴れまわっていた。

 

「海未ちゃん、ことりちゃん!」

 

「えぇ!!」

 

「やるしかないようだね……!」

 

(そーちゃんに…)

 

(壮大に…)

 

(そーくんに…)

 

(((私たちがみんなの代わりに全力で謝ろう……!!!)))

 

 

 

こうして立華高校文化祭は幕を閉じた。

 

心に深いキズを負ったそーちゃんは、部員全員に血涙を流しながら訴えかけたことにより立華高校陸上部伝統のメイド喫茶を廃止。

 

その代わり普通の喫茶店にすることになったらしいのだが、それはまたの別のお話。

 

「…………」

 

「そーちゃん!ホントにごめん!!」

 

「壮大!この度は本当に申し訳ありませんでした!!」

 

「…………」

 

「そーくん!ことりたちを許してください!おねがぁいっ!!」

 

「嫌だ」

 

「「「そ…、そんなぁぁぁあっ!!!」」」

 

そして、その原因を作った私たちには1週間口を聞いてくれませんでしたとさ。

 

 

 




次回はUA6万記念ストーリーをお届けします!

ネタはまだ未定です。

次回も頑張ります!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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