ラブライブ!~Miracle and Track~ 作:K-Matsu
このお話は以下の要素が含まれます。
1.百合表現
2.一部キャラ崩壊
以上の要素が入っていても「OKだぜ!」という方や「このネタどこかで見たことあるけど…、まぁいいや!」というのみの閲覧を強く推進致します。
それでは、どうぞ!
~Side 絢瀬 絵里~
週明けの月曜日。
希と一緒に生徒会室で雑務をこなしていると真姫が生徒会室に入ってきた。
「エリー。それに希もちょっといいかしら?」
「あら?真姫ちゃんやん」
「生徒会室に真姫が来るなんて珍しいこともあるわね。何かしら?」
「エリーと希のデュエット曲が出来たわよ」
そう言って真姫はミュージックプレーヤーを私たちに渡してきた。
私は真姫と海未に希と歌えるデュエット曲の作詞・作成の依頼をしていて、その曲ができたらしくて私たちがいる生徒会室にやって来たようだった。
「今週の土曜日にはレコーディングするからそれまでにはある程度メロディーを覚えといて」
今週の土曜日まで時間はあるけど、なるべく完璧にしておきたいわね…。
さっそく真姫が私たちのために作ってくれた新曲のメロディーを確認するために希と片方ずつイヤホンを装着し、再生ボタンを押す。
「……どうかしら?」
「ハラショーよ!真姫!!」
私は思っていた以上の出来に仕上がったことに思わず感嘆の言葉をあげたが、希は首を傾げていた。
「なぁ真姫ちゃん。歌詞はどうしたん?」
希は真姫に手渡されたミュージックプレーヤーの中にインストールされていた新曲を聞いて、歌詞が入っていなかった事が気になって真姫に聞いてみたのだが当の本人は私たちとは別の方向を向いて黙り込んでいた。
「歌詞も出来ているんだけど…、みんなが2人に内緒にしておけって」
何で内緒にしておかないといけないのか意味が分からない、という表情をして答えてくれた。
私たちもそれぞれイヤホンをつけたまま真姫が言ったことに顔を見合わせながら首を傾げた。
歌詞は話を聞く限りだと週末のレコーディング前のリハーサルで分かるらしいのだが、いったいどういう歌詞なのかしら…?
Side out
「うぃーっす」
土曜日の夕方。
みんなは練習が終わってから絵里ちゃんとのんちゃんのデュエット曲のレコーディングを行うということを真姫から聞いていたでその様子を手伝いに行くという理由を使って野次馬根性よろしく見に行くことに。
そしてそのレコーディング室に入ると…、2人のレコーディングを見守りに来たメンバーと歌詞カードらしき物を持って顔を真っ赤にしながら狼狽えている絵里ちゃんと歌詞カードで真っ赤な顔を一生懸命隠しているのんちゃんが立っていた。
「こんな恥ずかしい歌詞を希と歌えっていうの!?しかもこの歌詞すごくいやらしいんだけど!?私たちまだ高校生なのよ!?」
おぉ…、すげぇ。
普段はみんなのお姉さんのようなポジションの絵里ちゃんがあんなに狼狽えてるの見たことねぇや。
それにしても恥ずかしい歌詞って言ってもどんな歌詞なんだ?
「なぁ。誰かこのデュエット曲の歌詞カードを持ってる人いねぇか?」
「あるわよ。……はい、歌詞カード」
レコーディング機器の前に座っていた真姫がノールックで歌詞カードを渡してきたので、それを受け取り歌詞カードに目を通していく。
「…………ガハッ!!!」
「ピャアッ!?壮大くん大丈夫!?」
思わず吹き出しながら膝をついてしまい、それを見かねた花陽ちゃんに心配されたけど片手で制して立ち上がる。
思っていたよりも破壊力バツグンじゃねぇか!!
っていうかこんな歌詞を作った奴の気が知れねぇぞ!?
「これ一体誰の考えなん…?海未ちゃん?ことりちゃん?」
いや、海未にこんな歌詞を書く度胸はないと思うぞ?
つまり…、
「どうして~?2人は3年生でしょ?だから大人っぽい曲でもいいんじゃないかな~って」
この歌詞の全体的な方針を決めた犯人はことりだろう。
だが、いくら2人が大人っぽいとは言えその見解はどうなんだ…?
「わ、私はただみんなの意見を……」
そして歌詞を書いた本人は今から歌う2人に負けず劣らず顔を真っ赤にしていた。
いや、まぁそうだろうなぁ!!
恋愛映画でも涙目で見るくらいピュアな海未にあんな過激な歌詞を地力で書けるわけがないからな。
大方海未に『ことりのお願い』を連発して書かせたんだろう。
その証拠に…、
「ちょっとじゃないでしょ!ちょっとじゃ!!」
「うぅ…、人としてこんなのはちょっと……」
2人はまだ顔を真っ赤にしたまま抗議を続けていた。
「みんな遊びはそこまでにしてそろそろレコーディングに入るわよ」
真姫が2人にレコーディングに入ることを知らせるのと同時にようやくレコーディング室にみんなが集まっていることを知ったみたいだ。
「なんでみんな集まってるのよ…」
「真姫が今日の夕方から2人のデュエット曲のレコーディングをやるっていうから手伝いに来た」
「そ、そう…。休日までありがとう」
「壮くんありがとうな~」
オレは素直に理由を伝えると納得してくれたのか特に追及はしなかったのだが、他のメンバーに対しては違った。
「ファイトだよっ!」
「穂乃果…。応援はありがたいんだけど……」
ファイトだけでなんとかなる問題じゃないと思うんだが…。
「凛は面白そうだったから見に来ただけにゃ~」
「いや、どう考えても首謀者の1人にしか見えないんやけど……」
悪気が無さすぎる回答に最早清々しさすら感じてくるな…。
「お姉さまたちの秘密の花園…。ユメのランデブー……」
「は、花陽?大丈夫…?」
残念ながら花陽ちゃんはすでに別の世界へトリップしているから大丈夫じゃないと思うぞ?
「あっはっはっは!!お姉さまたち格好いいじゃない!早くにこたちに大人の世界を見せて欲しいわね!」
「にこ…、なんだか楽しそうね……」
「にこっち…、後で覚えときぃや……」
あれ?
何だか2人に負のオーラが纏っているようだけど…。
うん、気のせいだろう。
「まーまーまー!!いいから2人とも早くレコーディングやっちゃいなよ!!」
穂乃果に背中を押されながらレコーディング室へと入る2人を見守ったみんなはレコーディング室の中の様子が見れるガラスに集合し、2人の行く末を見守るようにレコーディング室の中に熱い視線を送っていた。
オレは真姫の隣に座りながらインカムをつける。
「絵里ちゃん、のんちゃん。レコーディングの準備が出来たらサイン出してくださーい」
~Side 絢瀬 絵里~
『絵里ちゃん、のんちゃん。レコーディングの準備が出来たらサイン出してくださーい』
私はヘッドフォンから聞こえてきた壮大の声を聞き、後ろを振り返るとみんながガラスにへばりつくように私たちのレコーディングに熱い視線を注いでいた。
「あら、すごく期待されてるみたいね。私たち」
「『期待されてるみたいね』やないでえりち!?」
なんでそんなに冷静でいられるん!?と非難を浴びせてくる希を静かにさせ、私が考えたことを耳打ちで伝える。
「えりち!!今言ったこと本気でやるん!?それに壮くんもいるんよ!?」
「本気よ。だってあの子たちに振り回されてるだけなんて何だか負けた気にならない?」
希はそれはそうやけど…、と戸惑いを隠せずにいたけど腹を括ったみたいでいつもの余裕そうな笑顔は消え、今まで見てきた表情の中で最も真面目な顔付きになった。
いっそいい機会だからみんなにも見せ付けてあげようかしら。
私たちの本気を……!!
Side out
2人にインカムを通してスタンバイに入ってほしいことを伝えてからしばらくすると、何やら耳打ちしたりのんちゃんがまた狼狽えたりしたかと思ったらいきなり2人ともすごい真面目な顔付きになってオレたちに向かって準備OKのサインを出してきた。
それを確認したオレは真姫に伝え、真姫が機械を操作してデュエット曲のイントロを流し始める。
絵里ちゃんの透き通った声質とのんちゃんの他のメンバーとは違うどこか独特なクセを持つ声質が妙にマッチしており、何のミスもなく1番を歌い終わった。
そして2番に入り、のんちゃんから始まるパートが歌い始まった時からどこか2人の様子が変わっている気がした。
オレの隣に座っている真姫は機械を操作しているため気が付いておらず、後ろで立ってみてる残りのメンバーも気が付いていない。
オレの気のせいかな?と思っていると、2人の距離がレコーディング開始時よりも明らかに近付いていっている。
そしてのんちゃんのパートが歌い終わった時にそれは起きた。
(あの2人は……いったい何をしようとしているんだ?)
レコーディング用のマイクに向かうのではなく、何故か2人が向かい合う形で歌い始めた。
歌自体はマイクを通じて拾えているから問題はないのだが、オレらからしてみれば絵里ちゃんがのんちゃんに向かって何か愛の言葉を囁くような姿勢に見えなくもない。
そのシチュエーションを連想させる要素はまだまだいっぱいあるのだが、フラットなテンションのままでは説明できない。
何も仕事していなければかなりクるシチュエーションなんだけど、今ハイテンションに身を任せるとレコーディングを中断せざるを得ないから説明しないだけだからなっ!
「あの2人は何をしているのですか!?壮大、早くあの2人を止めてください!!」
「大丈夫だよ海未ちゃん!!まだセーフだよ!」
「やっぱり絵里ちゃんと希ちゃんだと絵になるね~」
目の前に繰り広げられる光景を見てこういうことに滅法弱い海未が止めるように申告するも、穂乃果と2人に感心することりの手によって止められていた。
っつーか、インカムつけてるんだからオレの言動がそのままレコーディング室へと入るんだからそう簡単に発言なんてできるわけないっての。
そうこうしているうちにレコーディングは2番も終わり、いよいよラストに入っていく。
「……あの2人さっきから何しようとしてるのかしら?」
頬杖をつきながらレコーディング用の機材に付属しているマイクにスイッチを入れようと人差し指を伸ばそうとするが、後ろから現れた腕によって制された。
「止めちゃダメだよ真姫ちゃん!!!」
「ちょっ!?いきなりどうしたのよ花陽!?」
真姫が思わずビックリして後ろを振り向く。
オレも言葉には出さなかったけどかなり驚き、真姫と同じように後ろを振り向くとそこには顔を真っ赤にした花陽ちゃんがいた。
他のメンバーも反応が様々で2年生組も花陽ちゃんと同じように顔を真っ赤にしており、海未に至っては手で顔を覆って指の隙間から様子を見ていた。
凛ちゃんとにこちゃんはそれぞれが思っていた想像以上の光景を見せられ、苦笑いを浮かべながら引いていた。
「なんで止めちゃダメなのよ!?」
「今ここでスクールアイドル界…、いや!アイドル界の新たな伝説が生まれようとしてるんだよ!?」
あー…、ダメだこりゃ。
花陽ちゃんの押してはいけないスイッチを押すどころか某名人よろしく高速で連打しまくった末の状態になっているので、いくら説得しても説得に応じてくれない状態に出来上がっていた。
「ああっ!!」
誰が今の声を出したのか分からないが、レコーディング室の様子から目を離してしまった隙にとんでもないことになっていた。
2人で抱き合っており、抱き付かれているのんちゃんの顔は真っ赤でタレ目が特徴のエメラルド色の瞳が妖しく潤んでいた。
間奏が終わると絵里ちゃんが唐突にのんちゃんのヘッドフォンを外し、のんちゃんが絵里ちゃんに背中を預けるように身体を回した。
そして囁くように歌い始めたところで…、
「なに!?何で隠すの!?」
にこちゃんと花陽ちゃん2人協力して真姫からヘッドフォンを取り上げ、それと同時に手で視覚と聴覚をシャットアウトさせる。
「そーくんは見ちゃダメにゃあ!!!」
「クピィッ!?」
オレはというと凛ちゃんのネックツイストで視界を強引に他のところへ向けられつつ、オレの意識を刈り取られそうになっていた。
向けられた視線のその先には失神寸前の海未と懐抱をする穂乃果とことりの姿があった。
そして薄れゆく意識の中で聞こえてきたのはガラスをバンバン叩く音と、レコーディング室の中で行われている行動を止めさせる怒号だけが聞こえてきた。
次に意識を取り戻してからμ'sのメンバーに会ったらみんな比較的頬が痩けているのに対し、絵里ちゃんとのんちゃんだけが妙に肌がツヤツヤしていた。
あのレコーディングの後に何が起きたんだ?と、他のメンバーに理由を聞いてみたところ『世の中には知らない方が幸せなことだってあるんだから!!』とみんなマジな顔付きで話し、それに恐怖したオレはそれ以来レコーディング後の出来事に興味・感心を向けることを止めた。
いかがだったでしょうか?
私自身このような表現は初めてだったので上手くいったとは思ってませんし、かなり難しいですねコレ。
次回も記念ストーリーです。
ほな、また……。