ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

13 / 121
第12話 学院生活とインタビュー

にこさんがμ'sに加入してから、2週間と数日が経った。

 

この週末の間に東京大会があり、100も200も何とか無事に勝ち抜き関東予選に出場することができるが、脛の怪我で影響…とは言いたくはないけど少しタイムを落としてしまっていた。

 

まぁオレ個人の話をしたところであまり興味を持つ人などいないだろうから割愛させて貰おうか。

 

「ねぇ、そーちゃん!よく撮れてると思わない!?」

 

そしてオレは穂乃果たちに呼ばれて音ノ木坂学院に足を運んだ。

 

事務所で入校許可の手続きをしようとしたんだけど、顔と名前を覚えられてていわゆる顔パスってやつで入校の許可を貰った。

 

おそらく日本で一番女子校に足を踏み入れている男子高校生…。

 

一歩間違えれば犯罪だし、国内の男子がこの事を知ったら嫉妬のあまり壁という壁がなくなりそうだ。

 

おっと、話が逸れてしまったな。

 

一応説明しておくと、どうやら音ノ木坂学院で今注目の部活動を紹介すると言うことで、穂乃果たち『アイドル研究部』に白羽の矢が立ったらしい。

 

それでありのままの姿を撮りたいと言うことで、東條さんが撮影してくれたというビデオを見せてもらっていると言うわけなのだが…。

 

「穂乃果…?」

 

「なーにー?」

 

「……お前、授業中はいつもこんな感じなのか?」

 

ビデオカメラは穂乃果が授業中だと思われる時間に涎を垂らして眠っているシーンが写し出されていた。

 

『スクールアイドルとはいえ、学生である。プロのアイドルとは違い

時間外で補修を受けたり、早退が許されるという事はない。故にこうなってしまう事がある。』

 

そのシーンに乗せるように東條さんのナレーションもついていた。

 

『昼食を摂ってから、また熟睡。』

 

今度は堂々と寝ている。

 

しかも午前中と同じで机に伏せてまた涎を垂らしながら寝ていた。

 

『そして先生に発見されるという1日だ。』

 

先生に肩を叩かれ、驚いた拍子にイスから転落したシーンで一旦映像は終わっていた。

 

ちなみに今この動画を確認したのは、穂乃果とオレと海未とことりと凛ちゃんと東條さんの6人だ。

 

「ありのまま過ぎるよ!というかこれ誰がとったの!?」

 

どうやら穂乃果もこれは初見だったようで、驚いていた。

 

誰が撮ったか…。

 

「上手く撮れてますね!ことり先輩♪」

 

「うん!先生に見つからないかドキドキしながら撮ってたんだ~♪」

 

やっぱりことりだったか。

 

何だろう…。ことりの笑顔が最近ちょっとだけ黒いような…。

 

「えぇ!?ことりちゃんが!?酷いよ~……。」

 

「普段からだらけているからこういうことになるんです。」

 

海未が腕をバタつかせて文句を言う穂乃果を宥める。

 

いいぞ海未。もっと言ってやれ。

 

「さっすが海未ちゃん!」

 

文句をたれていたと思えばすぐに機嫌が直ったり…。

 

ホント穂乃果は犬っぽいなぁ…。

 

何て思っているとビデオカメラは教室から弓道場に移り、弓道着に身を包んだ海未が真面目に練習しているところだった。

 

バシュンッ!という音と共に矢を放った。

 

矢を射ち終わったあとの『残心』もキレイだ。

 

インターハイの学校代表になるくらいだからやっぱ実力があるんだな……ん?何だ?鏡の前に立って…。

 

「これは……笑顔の練習…?」

 

そこまで見たところで顔を真っ赤にした海未の手によって止められた。

 

「プライバシーの侵害です!!」

 

「よし…、こうなったら!」

 

穂乃果が立ち上がり、机の隅っこに置いてあるカバンの1つに手をかけた。

 

「ことりちゃんのプライバシーも…。あれ?なんだろう、これ?」

 

「ふっ!」

 

「あぁ…。」

 

するとことりは残像が残りそうな速さでカバンを奪い取り、ファスナーを閉めてからカバンを背中に隠しながら壁側に移動した。

 

「ことり?どうしたんだ?」

 

「何でもないのよ。」

 

「いや、でも明らかにその動き…。」

 

「何でもないのよ何でも。」

 

ことりがカバンを奪い取る直前、見る気はさらさら無かったがチラッとカバンの中が見えてしまった。

 

そこにはメイド服を着たことりの写真があった。

 

それに今まで触れてなかったけど、この部室に筆記体で『Minalinskey』と書かれたサイン色紙が飾られている。

 

もしかして、ことり……。

 

「そー、くん?」

 

「何だ…ッ!?」

 

そこには目のハイライトが失われたことりがゆらり…と立っていた。

 

「忘れて?」

 

ことりはオレにしか聞こえないような小声で忘れろと囁く。

 

「……何の話だ?」

 

冷静に受け答えしたけど、内心は冷や汗が滝のように流れている。

 

なんなの!?なんなのなの!?この異様なまでのプレッシャー!?

 

オレが知ってることりはこんなプレッシャーを放つような娘じゃないぞ!?

 

「わ す れ て ?」

 

「……ハイ。」

 

結論、ことりはスイッチが入ると海未よりも怖い。

 

「完成したら各部の代表の人にチェックしてもらうことにしているから、問題があったら取り直しすることだってできるし…。」

 

「でも絢瀬さんがこれを見たらどう思いますかね…。」

 

『あなた方のせいで音ノ木坂学院が怠け者の集団に見られたら困ります。』とか本気で言いそうで怖い…。

 

すると部室の扉が力一杯開かれた。

 

そこには息を切らしたにこさんの姿があった。

 

「ちょっと…、取材が来てるってホント!?」

 

「にこ先輩!?」

 

「ちょうど来てますよ?ホラ。」

 

ことりが東條さんを手で指す。カメラを持った東條さんを見たにこさんは…。

 

「にっこにっこにー!みんなの笑顔ににこにこにーの矢澤 にこでーっす。えっとぉ…好きな食べ物はぁ…。」

 

「ごめんそういうのいらないから。」

 

「だからそれ控えろって言いましたよね?」

 

東條さんとオレでにこさんのぶりッ娘アイドルモードをぶった切った。

 

「ってぇ!?壮大!?なんであんたがここにいるのよ!?」

 

「入校許可貰ったんで。それよりもにこさん、今回は部活動の素顔に迫るって言うのがコンセプトらしいです。」

 

「あ、あぁ…OKOK。そっちのパターンね。ちょっくら待ってね~。」

 

するとにこさんはオレたちに背を向けて、トレードマークのリボンをほどいた。

 

「いつも…、いつもはこんな感じにしているんです。アイドルの時の私はもう一人の私…、髪をキュッと止めた時にスイッチが入る感じで…。」

 

何か始まったし。

 

つーかこの人、ここにオレ以外の人がいないことに気付いてねぇのか?

 

そんなことを気にせず、にこさんは1人で進めていく。

 

「え?あぁそうです。普段は自分の事にこって呼ばないんです。」

 

「あのー…、にこさん?」

 

「……何よ?」

 

あ。素に戻った。

 

やっぱそれも演技だったか。

 

「ここににこさんとオレ以外いないんスけど…?」

 

「……っていないし!!」

 

ようやく気付いたのか……。

 

でも今回は珍しいもん見れたから不問にしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、助けて…。」

 

アイドル研究部の部室から場所を変えて中庭にやって来て、今度は真姫、凛ちゃん、花陽ちゃんの1年生組だ。

 

そして1年生組のトップを勤める花陽ちゃんがインタビューが始まって開口1番の言葉が助けを求める台詞だった。

 

ちなみにカメラマンはオレだ。

 

助けたくても助けられない立場にいる。

 

「花陽ちゃん?別に緊張しなくても大丈夫だ。インタビュアーの質問に答えてくれるだけでいいから。」

 

さすがに不憫だと感じたオレは花陽ちゃんに助け船を出す。

 

「それに編集もするからどんなに時間がかかっても大丈夫やし…。」

 

オレに続いて東條さんも援護する。

 

「で、でも…。」

 

「凛もいるから、頑張ろっ!」

 

隣にいた凛ちゃんも花陽ちゃんを励ましながらカメラに写り混む。

 

「ほら、真姫ちゃんも早くー!!」

 

渡り廊下の手すりに肘をつけて髪の毛先をクルクル回している真姫にカメラのレンズを向ける。

 

「私は大丈夫。」

 

「もぉ…。」

 

真姫が断ると、凛ちゃんは不満そうな声を出す。

 

「まぁ別に?無理して受ける必要はないけど…ねぇ?東條さん?」

 

「そうやな。どうしても嫌ならインタビューしなくても…。」

 

オレと東條さんは頷き合う。

 

どうやら思考が一致しているようだ。

 

オレは無言で録画ボタンを押した。

 

『真姫だけはインタビューに応じてくれなかった。スクールアイドルから離れればただの多感な16歳。これもまた自然な…。』

 

「ってなにナレーション被せてるのよ!」

 

東條さんがノリノリでナレーションを被せてくれたのだが、真姫が撮られているのに気付き撮影をストップさせられた。

 

「よし、真姫も来たところで改めて1年生組を撮り直そうか。」

 

オレの一言で諦めたかのように溜め息をついてから、花陽ちゃんの隣に立った。

 

「ではまずはアイドルの魅力について聞いていきたいと思います。」

 

やっとこさインタビューらしいインタビューが始まった。

 

「ではまずは花陽さんから」

 

「え、えっと…」

 

東條さんが花陽ちゃんに話を振り、緊張した顔で答えようとした時…、

 

「かよちんは昔からアイドルが好きだったんだよね~」

 

「は、はい!」

 

凛ちゃんのアシストのお陰で詰まりながらも答えた。

 

「なるほど…、それでスクールアイドルに?」

 

「はい、えっと…。」

 

続く東條さんの質問に答えようとカメラに向いたが、質問の答えではなく何故か堪えるような笑いが返ってきた。

 

花陽ちゃんと同じ方向を向いていた凛ちゃんと真姫も何故笑い出したのか原因が分かったようで、凛ちゃんも花陽ちゃんと同じように笑い出してしまった。

 

何だ?オレの見えないところで何が起きてるんだ?

 

「ちょっと止めて!!」

 

真姫はそんな2人とは対称的に、少し怒った表情を露にしてカメラのレンズを手で覆い隠した。

 

「真姫?いったいどうしたんだ?」

 

いきなりカメラのレンズを覆い隠されたので、カメラから顔を外してから聞くて真姫は黙ってオレの後ろを指差した。

 

それを見たオレはようやく後ろを振り向くと、そこには人形を手にした穂乃果が立っていた。

 

「いやぁ…、緊張してると思って解してあげようかなぁと思って…。」

 

「ことり先輩も!!」

 

「頑張っているかね?」

 

この学校のどこにあったのか、ひょっとこのお面を被ったことりの姿があった。

 

女子校でひょっとこは無いだろう…。

 

「全く、これじゃμ'sがドンドン誤解されていくわ!」

 

「おぉー…。真姫ちゃんがμ'sの心配を…。」

 

「なっ…!べ、別に私はこんな茶番早く終わらせたいと思ってるだけよ!」

 

はい!ツンデレ入りやしたぁぁぁあ!!

 

最近久しく真姫のツンデレを見てなかったので何としてでもカメラに収めようとしたのだが…、

 

「撮らないでっ!!」

 

秒で却下されてしまった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。