ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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今回は割りと短めに。

では、どうぞ!


第14話 リーダー決定戦その2と追求

~2nd Round ダンス対決~ inゲーセン

 

「次はダンス対決よ!!」

 

にこさんがダンスゲームの機体の説明をしているみたいだが、生憎オレは今その話を真摯に耳を傾けている場合じゃない。

 

「オラ!オラ!!オラ!!!オラァ!!!!」

 

「にゃっ!にゃっ!!にゃっ!!!にゃっ!!!!にゃあっ!!!!!」

 

オレは今、凛ちゃんとガチでエアホッケー対決をしている。

 

オレが負ければ凛ちゃんにラーメンを、凛ちゃんが負ければオレにカロリーメ○トを奢るという賭けをしているのだ。

 

ゲームが始まってからかれこれ3分もラリーが続いていて、残り時間は2分を切っている。

 

少しでも気を抜いたら一気にゲームの勢いを持っていかれるので、全力だ。

 

だがしかし!!オレには……秘策がある!

 

「ところで、凛……ちゃんっ!!」

 

「なんだ……にゃっ!!」

 

「そんなに激しく動いてスカートは大丈夫なの……かいっ!!」

 

「!?にゃあっ!?」

 

凛ちゃんが慌ててスカートの裾を押さえた。

 

だが、そんな決定的な隙をオレが見逃すわけ……ないだろう?

 

「はぁっ!!!」

 

ーーースカァンッッ!!

 

オレが打ったパックは凛ちゃんのゴールに入り、オレの得点となった。が、

 

「ぐすっ…、ひっく……」

 

凛ちゃんの目から溢れ落ちている涙でオレは今まで感じたことのない罪悪感に襲われた。

 

「凛ちゃん!?ごめん!!悪気はなかったんだ!!」

 

オレは手に持っていたスマッシャーを放り投げ、凛ちゃんに駆け寄る。

 

「ぐすっ…、そーた先輩酷いにゃ……。凛にラーメン、ひっく…、奢りたくなくて、……ぐすっ。あんなこと、言ったんだにゃ…」

 

ああ、オレはなんて事をしてしまったんだ!!

 

目先の勝利を最優先にして大切なこと…、凛ちゃんという目の前の可愛い女の子を傷付けてしまった…。

 

「凛ちゃん!!」

 

「にゃっ!?」

 

オレは泣いている凛ちゃんに優しく抱き付いた。

 

凛ちゃんはビックリしたのか、流していた涙は引っ込んでしまったみたいだ。

 

「ホントにごめん!!謝ったところで許してもらえないかもしれない!でも!オレは凛ちゃんを泣かせてしまった…。だから、凛ちゃんのお願いを聞かせてくれ…。」

 

「……お願い?何でもいいの?」

 

「あぁ、何でもいいんだ。オレに何をさせて欲しいんだ?」

 

「じゃあ……、凛…そーた先輩と一緒にお出掛けしたい…」

 

「分かった。今週末時間が取れるはずだからその時に出掛けよう……」

 

「えへへ……そーた先輩とデート♪」

 

え?なにこの猫みたいな可愛い娘。

 

オレ、この娘持ち帰っても……いいかな?

 

え?持ち帰って何をするんだって?

 

恥ずかしくて言えねぇよ。

 

 

 

 

「そー、ちゃん?」

 

「そー、くん?」

 

「……壮大?」

 

すると、妄想の世界に飛び立っていたオレの耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

『振り返るな』

 

オレの本能はそう告げている。

 

しかし、本能とは裏腹に振り返るとそこには目のハイライトが消えた2年生組が立っていた。

 

「あはは…。そーちゃんってばすぐ目を放せばこうなんだから…」

 

「穂乃果!?」

 

笑ってるけど、いつものぺかーっとした笑顔じゃねぇ!?

 

「そんな女誑しなそーくんはことりのおやつにしちゃいますっ♪」

 

「ことり!?」

 

可愛く言ってるつもりだけど逆に怖ぇよ!!!

 

つーかことりのおやつって何!?

 

「フフ…、フフフ…。フフフフフフフフフ!!!」

 

「海未!?」

 

あかん!!怒りのメーターが振り切れて狂戦士(バーサーカー)みたいになってる!?

 

「「「覚悟は…、出来てる?(出来てるかな?♪)(出来てますよねぇ……?)」」」

 

「ちょっ!!まっ!!ぎゃぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

「ねぇ真姫ちゃん?あっちで壮大さんの声みたいな悲鳴が聞こえてこなかった?」

 

「さぁ?気のせいじゃない?」

 

「えへへ…、その日は何着ていこうかにゃ~…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!気を取り直して行くわよ!」

 

オレがボロ雑巾のようになってるのはスルーなんですね。

 

えぇ、分かってますよ。

 

オレが悪かったんです。

 

「凛、運動は得意だけどダンスは苦手だからなぁ~…」

 

「これ、どうやるんだろう?」

 

と、みんなオレを放置して各々がどこか不安を感じながらおそるおそるプレイしていく。

 

「プレイ経験ゼロの素人が挑んで高得点なんて取れるわけがないわ。くっくっく…。カラオケの時は焦ったけどこれは貰ったわね…」

 

まーた黒にこさんが出てきたよ…。

 

「なんか出来ちゃった~」

 

すっかり元気を取り戻した凛ちゃんが最高ランクのAAAの1つ下のAAを叩き出していた。

 

いや、これはマジですげぇぞ!?

 

何故かオレまで参加させられ、ダンスゲームは終わった。

 

穂乃果 A

海未 A

ことり B

花陽ちゃん C

凛ちゃん AA

真姫 B

にこさん A

オレ AA

 

という結果だった。

 

……このスコアはそれぞれの胸の大きさとは一切合切関係ないので、あしからず。

 

 

 

 

 

みんなは学校に戻っていったが、オレは入校許可証を学校から出る前に返却したから行かないということをみんなに伝えてから一人で帰宅していた。

 

「おっ?その後ろ姿は松宮くんやな?」

 

「東條さん。こんにちは」

 

神田明神の前をたまたま通り過ぎたら、制服姿の東條さんと会った。

 

「今日は巫女さん姿じゃないんですね。」

 

「うん。今日は巫女さん姿はお休みなんよ。なーに?そんなにうちの巫女さん姿が見たかったん?」

 

にっしっしと挑発的な笑いでオレを見てくる。

 

いやだって、巫女さん姿の方が印象が強いし。

 

スピリチュアル通り越して、もはや半予言者の領域に足突っ込んでるし。

 

「そんなことより!…東條さん」

 

何を言っても墓穴を掘りそうな気がする話題から切り替えて、東條さんと向き合う。

 

「んー?なーに?」

 

「東條さん、()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「……!」

 

僅かにだが、東條さんの顔付きが変わった。

 

思えば初めてあったあの時に聞けばよかった。

 

何故あんな表情をしたのか?

 

そして何故穂乃果たちを回りくどい方法で助けるのか?

 

「海未から聞きましたよ。ファーストライブの時、あなたは当時3人だったμ'sに手助けをしてくれたそうですね。」

 

「そう言えばそうやったなぁ……」

 

「そしてにこさんとμ'sの内輪揉めの時も『アイドル研究部設立の話を無かったことにしたくなければ、話を付けてこい』とあなたはμ'sにアドバイスを送った…。サポート役のオレが言うのもあれなんですが、どちらもあなたにとってメリットは無い筈です。……教えてください。あなたはμ'sをどうお思いになられているのですか?」

 

「…………ふっ。あっはっはっは!!」

 

すると東條さんは笑い出した。

 

今の話で笑うところ何てあったかな?

 

「ごめんごめん、悪気はなかったんや。そうやね…、別にどうも思ったりもしとらんよ?」

 

「へっ?」

 

笑った拍子に出てきた涙を拭いながら出した答えにオレは思わずすっとんきょうな声が出た。

 

「うちはただ、松宮くんと同じで廃校を阻止しようと頑張る穂乃果ちゃんたちを手助けしてるだけ。それ以外は何もしとらんよ?」

 

「……そう、なんですか?」

 

「そう。うちはえりちと穂乃果ちゃんたちの間にいるだけ。だからこの話はおしまい。ほな、うちはここで…」

 

「……もう何個かいいですか?」

 

東條さんが立ち去ろうとしたが、オレは東條さんを呼び止める。

 

「うちに答えられる範囲内なら。」

 

「……μ'sの起源は芸術を司る9人の女神から来てますが、残りの2ピースについて東條さんは何か知ってますか?」

 

「……よく知っているけど、今はまだその時やない。」

 

「……その時、とは?」

 

「……『壁』とだけ答えておこうかな?」

 

壁……?μ'sに関わる壁…?

 

ダメだ。サッパリ分からん。

 

「あとは何か無い?」

 

「個人的な話ですが、これよろしければ…」

 

そう言ってオレは東條さんに小さいメモ紙を渡した。

 

「……これは?」

 

そのメモには羅列された11個の数字と数文字のアルファベットが書かれている。

 

「オレの連絡先です。何か困ったことがあればそこに連絡下さい。」

 

「フフッ…。記念に貰っておくな」

 

「話はそれだけです。引き止めてすみません。」

 

「ほら、またな~」

 

東條さんは自宅のある方向らしき方角に向かって歩き出した。

 

そして、震えるスマートフォンを見たら1通のメッセージが。

 

確認してみると送り主は穂乃果で『リーダーは決めないことにしました!』と一言だけ。

 

オレはそれを読んで、『いいんじゃねぇか?それはそれで』と送り返した。

 

リーダーがいないアイドルグループも斬新でいいんじゃないかな…?

 

オレはそう思い、家路についた。

 

 




次回は番外編を挟んでから、いよいよ第2章のクライマックスに突入していきます。
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