ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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第29話 買い出しと別荘でのひととき

オレは一通り遊んでから、一休みしようと海岸に上がったらパラソルの下で優雅にハワイアンなソーダを飲んでいた真姫がイスに座っていた。

 

「隣、いいか?」

 

「いいわよ」

 

真姫の許可を得たので、休憩がてら座り込む。

 

よく見るとふわふわした真姫の頭にオレのサングラスがかけられていた。

 

「……みんなと遊ばないのか?」

 

「私はいいわ。それとサングラス、借りてるわよ?」

 

「別にいいけど……ぶふっ!?」

 

顔に海水をかけられた。

 

目の前には左手を頬に当て、うっとりとすることりの姿があった。

 

ほぅ………?

 

「……真姫、ちょっとそこのバッグ取ってくれ。重いから気ぃつけろよ?」

 

「これ?……って重っ!?何入ってるのよ!?」

 

両手で持ってきたバッグのファスナーを開け、バッグに入っていた物を順序よく装備していく。

 

小型の水鉄砲から大型の水鉄砲。

 

その水鉄砲の水を補充するタンクをつけた濡れてもいいジャケット装備する。

 

「んじゃ、ちょっとそこのいけない鳥さんにお仕置きしてくる」

 

「え、えぇ……。いってらっしゃい……?」

 

戸惑いを隠せない真姫に見送られ、オレはゆっくりとことりに近付く。

 

「え、えっと……そー、くん?」

 

ことりは狼狽えている。

 

オレは小型の水鉄砲を2丁拳銃のように構える。

 

Hey,ledy……Are you ready(お嬢ちゃん…、準備はいいか)?」

 

「い…、いえす?」

 

返事を聞いたオレは水が尽きる限り、水鉄砲をぶっぱなした。

 

水着の紐が解けるかもしれないって?

 

知らん。むしろポロリ大歓迎じゃぼけぇぇぇえ!!

 

「そーくん!?その水鉄砲の数はなんなのー!?」

 

「そんなことを聞いてる暇があるなら迎撃するか逃げ惑うかしやがれぇぇぇえ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ことりを制裁するために始まった銃撃戦は、穂乃果、凛ちゃん、にこちゃん、を巻き込んで大々的に行われたがことりの必殺技『ことりのお願い水着ver.』による鼻から出血による引き分けに終わった。

 

ことり半端ないって!あいつ半端ないって!

 

胸の谷間を強調させてお願いしてきたんやもん!

 

あんなんできひんやん普通!

 

思わずガン見しちまったじゃねぇか!!

 

健全な男子高校生にあんなえっちな攻撃耐えられるわけないやん!

 

思わずのんちゃんみたいな似非関西弁になってしまうほどの衝撃だったとさ。

 

一足先にメンバーはお風呂に入り、交代でシャワーを浴びてベタついた塩を洗い流していると何やらお困りの雰囲気になっていた。

 

「どうかしたのか?」

もうすっかりタメ口で話すことに慣れ、近くにいたのんちゃんに話し掛けてみた。

 

「あっ、壮大くん。厨房にいるにこっちの話やと何でも買い出しに行かなあかんらしくてな……」

 

「食材が足りなくなったのか?」

 

「無いことはないんやけど、どうしても今日の晩御飯だけでなくなっちまうみたいで……」

 

ありゃ。

 

「そんでな?真姫ちゃんの話やとここからスーパーが遠いらしくて……」

 

あー…、なるほどな……。

 

「別に、私一人で行ってくるからいいわよ。それにみんなスーパーの場所、誰も分からないでしょ?」

 

すると真姫が一人で行くと言い出す。

 

確かにもっともな理由だけど……、なにも一人で行く必要はないだろ。

 

「じゃあ、ウチがお供する!」

 

「うぇえ?」

 

「たまにはええやん?この組み合わせも」

 

のんちゃんは少々強引ながらも真姫に提案した。

 

真姫は少し戸惑いつつも、小さく頷いた。

 

「それじゃ、行ってくるね」

 

「おっと、待った。オレもご一緒させてもらおう」

 

「なっ……!?あなたも行くの……?」

 

オレも着いていこうとするとしたら、のんちゃんが行くといったときよりも驚いていた。

 

「いっぱい買い込まなきゃいけないんだから、荷物が重くなるんだろ?だからオレは荷物持ちだ」

 

「……勝手にすればっ」

 

顔を赤くして一足先に玄関へ行ってしまった。

 

「もしかしてウチ、お節介やったかな?」

 

「そんなことねぇよ。ありゃ好意の裏返しってやつだ」

 

「幼馴染が言うんやったらそうなんやね……」

 

オレとのんちゃんは話をしながら、素直じゃない幼馴染の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ~、夕日がキレイやんなぁ……」

 

「そうだな~……」

 

スーパーから別荘への帰り道。

 

オレは買い物袋を持ってのんちゃんと並んで歩く。

 

真姫はオレたちよりも少し先を歩いていたが、突如立ち止まって振り返った。

 

「……ねぇ」

 

「ん?どうしたん?」

 

「どういうつもり?」

 

「別に?ただ真姫ちゃんは面倒くさい人やなぁって…」

 

「……壮大はなんでそんなに私に構うの?」

 

何でって言われてもなぁ…。

 

「幼馴染だとか昔のキミを知っているだとかそんなの抜きにして、キミはもう少し素直になってもいいんじゃないかな?と思ってるだけだ」

 

これは本心だ。

 

真姫の場合はもう少し素直になるだけで…、思ったことをほんの少しだけ口にするだけで距離は縮まると思う。

 

だってキミはもうメンバーからは手を差し伸べられている状態にあると思っているから。

 

「私なら別に普通に……」

 

「そうやって素直になれないんやね……」

 

「っていうか!なんでそんなに私にばっかり絡むの!?」

 

オレとのんちゃんに立て続けに攻められ、反撃と言わんばかりな言葉を荒げた。

 

「放っておけないんよ。ウチも真姫ちゃんみたいなタイプ…、よく知ってるから」

 

「……何それ」

 

まさかのカウンターを喰らった真姫は、何も言えなくなってしまった。

 

「まっ!たまには無茶してみるのもええんとちゃうん?なっ、壮大くん?」

 

ここでオレに振るか!?

 

オレは落としそうになった買い物袋を慌てて握り直す。

 

「……そうだな。たまには開き直るのも肝心かもよ?」

 

「…………」

 

そっぽを向いているが、夕日のせいもあってか心なしか顔が赤かった。

 

「立ち話もこの辺にして、そろそろ戻ろっか。もしかしたらみんなお腹空かせて待ってるかもしれんしな?」

 

のんちゃんはそのまま一人で別荘への道をそそくさと1人先に行ってしまった。

 

「……オレたちも行こうぜ?」

 

「……そうね」

 

のんちゃんも真姫を見てオレと同じようなことを考えていたのだろうか……?

 

そんな考えは先を行くのんちゃんを追いかける頃には、頭の中から転がり落ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

「にこちゃんって料理できるんだね……。オレ、初めて知ったよ」

 

買い出しから帰ると、ちょうど夜メシの準備が整ったようだった。

 

ちなみに今日の夜メシの献立はカレーライスとサラダ。

 

お好みでシーザードレッシングやゴマだれドレッシングのボトルがテーブルの上に置かれていた。

 

ただ、花陽ちゃんだけはカレーとご飯が別々で装っていた。

 

あれに意味はあるのだろうか……?

 

と聞きたいところなのだが、あんなにキラキラした花陽ちゃんに聞いたら恐らく数時間は語りっぱなしになるだろうから聞かないでおく。

 

「フフンッ!にこをナメないでよねっ!」

 

小さい胸をさらに張って、フフンと鼻で笑うにこちゃん。

 

「それじゃあ!みんな手を合わせてー!!」

 

穂乃果が号令を出すようで、みんなは穂乃果に従って手を合わせる。

 

 

 

「「「「「「「「「いただきまーす!!!」」」」」」」」」

 

 

 

全員で礼儀正しく声をそろえた後、目の前のカレーを口にした。

 

「美味しい!」

 

「にこっち、これホントに美味しいんやけど!」

 

「当然でしょ!?このにこにーにかかればこれくらい朝飯前よ!」

 

みんながにこちゃんを褒め、にこちゃんはさっきよりも誇らしげに胸を張った。

 

確かにめちゃくちゃ美味い。

 

みんな会話に花を咲かせながらあっという間に食べきり、しばらくしてからこれからどうしようかと言う議論になった。

 

オレはボウルに残ったサラダをもしゃもしゃと食べながら、議論を聞いていた。

 

「ゆきほぉー……、お茶ぁー……」

 

穂乃果は完っ全にぐーたらモードになっていて、この場にいない雪穂にお茶を要求していた。

 

そんな穂乃果を放っておき、議論の顛末をまとめる。

 

案が出されたのは、海未が提唱した『練習する』と凛ちゃんが提唱した『花火をする』という2つ。

 

穂乃果は完全に練習する気は無いみたいだし、それは凛ちゃんもにこちゃんも同じだ。

 

ことりはそんな彼女たちの様子も考慮し、練習はやめといた方がいいと提案する。

 

そして花陽ちゃんはというと…、

 

「わ、私はお風呂に…」

 

第3の意見をブッ込んだ。

 

これによりなんとなーく纏まりかけた議論が白紙に戻ってしまった。

 

「なんなら今日はお風呂に入ってゆっくり休んで明日の午前中に練習をすればいいんじゃねぇか?」

 

「「「「「「「「「あ……」」」」」」」」」

 

この議論はオレの何気ない一言であっさりと終わった。

 

 

 

 

 

みんながお風呂に入っている間に食器を洗って片付け、交代でお風呂に入って上がるとリビングに布団が敷かれていて、その上で穂乃果と凛ちゃんとにこちゃんがコロコロ転がっていた。

 

「なにこれ?」

 

「今日はみんなでここで寝ようってことになったんだー」

 

ことりがこの状況を説明してくれた。

 

布団はしっかり10枚敷かれていた。

 

あぁ…、オレもここで寝ろってことですね?

 

話し合った結果、寝る場所は……

 

 

 

にこちゃん ことり

凛ちゃん 穂乃果

花陽ちゃん 海未

のんちゃん 絵里ちゃん

真姫 オレ

 

となった。

 

「電気消すぞー」

 

みんなの返事を確認したオレは、電気を消して布団に入った。

 

はぁー……、疲れたー……。

 

目を瞑って、その身の疲れをそのままに委ねようとする。

 

ドンドン深みに沈んでいき、あと少しで眠れそうになったところで顔にモフッとした衝撃を感じた。

 

「どういうことですか……?」

 

どうやら海未もオレと同じ状況になったようだ。

 

「えぇっとぉ……」

 

ことりっぽい声がこの惨事を誤魔化そうとしていた。

 

「オイ……、こんな夜遅くに何やってたんだ?」

 

「ち、違っ……!狙って当てたわけじゃ……!!」

 

「そうだよ!!そんなつもりは全然……っ!」

 

オレの質問に真姫っぽい声と穂乃果っぽい声が言い訳をし始めた。

 

「明日朝から練習するって言いましたよね……?」

 

「それに備えてゆっくり休めっつったよなぁ……?」

 

ことりっぽい声が声を震わせて、返事をする。

 

「それを……?こんな夜遅くに……?」

 

「お前ら、覚悟はできてんだろうなぁ……?」

 

穂乃果っぽい声とことりっぽい声が聞こえたが、オレは足元に置かれている枕を蹴って海未にパスをする。

 

パスを受けた海未は枕をキャッチし、にこちゃんが寝ていた方向に向かって投げつけた。

 

「ぐぁぁっ!!?」

 

「に、にこちゃん!?……ダメにゃ。もう手遅れだにゃ……!」

 

「超、音速枕……」

 

「ハラショー……」

 

凛ちゃんや花陽ちゃん、絵里ちゃんが戦慄しているその間にも、オレと海未のコンビネーションで迎撃しようとしたであろう気配を出している穂乃果がいるであろう方向に枕を投げる。

 

「ごめん海未、壮大……むぐぅっ!?」

 

今度は海未からのパスを受け、絵里ちゃんの声が聞こえたであろう方向に向かって枕の軌道を変える。

 

ヒットしたのか絵里ちゃんの声も聞こえなくなった。

 

残るは4人……。

 

まずは凛ちゃんと花陽ちゃんを仕留める。

 

「凛ちゃん……」

 

「かよちぃん……」

 

「「だれか助けてー!!」」

 

「ぐっ!?……ぬぅ」

 

助けが来たのか海未が後方から投げられた枕を受け、海未が呻き声を上げて倒れたみたいだった。

 

それで立ち止まってしまったのが、運の尽きだった。

 

「そーくん!覚悟ー!!」

 

凛ちゃんの声が聞こえ、オレは背中から倒れた。

 

強引に寝かされた勢いで、夢の世界へと誘われた。

 

 

 

 

何だか暴れたような気がした後に、目を覚ましたらそこには雑魚寝状態になっていて枕があちこち散らばっていて凛ちゃんがオレに抱きつきながら、その横で海未がオレの着ているシャツを掴みながら眠っているという何ともカオスな状況になっているリビングだった。

 

 

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