ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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第45話 一次予選結果発表

ラブライブ一次予選結果発表当日。

 

みんなアイドル研究部の部室の中に集まっているが、部室内の空気はこれでもかと言うくらい張り詰めていた。

 

「いよいよだね…」

 

「うぅ~…、緊張する……」

 

「心臓が飛び出そうだにゃあ……」

 

みんな緊張した面持ちだ。

 

「終わりましたか…?終わりましたか……?」

 

海未に至っては両手で両耳を塞ぎ、ギュッと目を閉じている。

 

「まだよ」

 

「誰か答えてください!」

 

「それじゃあ聞こえないでしょ!?」

 

「放っといてやれ。海未は緊張するとあんな感じになっちゃうタイプだから」

 

海未の行動に対して真姫は突っ込み、オレは大してなっていないフォローを入れるが、かくいうオレも心の中ではこの緊張感から早く解放させてくれ、とざわめいている。

 

「そそそそそうよ!たかが予選で…なな何緊張しちゃってるのよ!」

 

「にこちゃんが一番緊張してるように見えますけど…」

 

偉そうに腕を組んでるけど身体が身体がプルプル震えているし。

 

「う…ううるさいわね」

 

「そうやね。カードによると…」

 

「よると…?」

 

みんなのんちゃん方に向き直るけど、のんちゃんはタロットカードを取らずいかにも困った顔をする。

 

おい、なんだその表情は。

 

「みんなの不安を煽るような事はしないで欲しいのですが…」

 

「うわぁ〜ん!!やっぱり聞きたくな〜い!!!」

 

ほら見ろ!

 

普段はポジティブの塊の穂乃果が珍しく弱音を吐いちまってるじゃねぇか!!!

 

「来ました!!!」

 

花陽ちゃんの言葉でみんなパソコンに向き直る。

 

「最終予選へ突破した4チーム。まず1チーム目は……A-RISE」

 

「だろうな」

 

「2チーム目は……East Heart。3チーム目は……Midnight Cats」

 

花陽が3位のチームまで読み上げた。

 

残るイスは1つのみ…。

 

頼む!!予選を突破していてくれ!!

 

「そして最後の4チーム目は…ミュー」

 

「「「「「「「「ミュー…」」」」」」」」

 

花陽ちゃんが4位のチームの最初の文字を溜めるように伸ばし、みんなもそれにつられて伸ばす。

 

「Mu……tant Girls!」

 

花陽ちゃんが告げた名前にオレたちμ'sの名前は無かった。

 

ラブライブ一次予選落ち。

 

それはあまりにも重く残酷な事実。

 

その事実を真っ先に受け入れられたオレは部室を後にする。

 

「そんな…私たち…」

 

「予選に落ちちゃったってこと…?」

 

「そんな…」

 

みんなその事実を受け入れるには時間が掛かり、受け入れたメンバーから次々にその場に崩れ落ちていった。

 

「そんなぁ〜〜っ!!!」

 

穂乃果の信じられないという叫びは学校中に響き渡り…、

 

「ちくしょう……ちくしょぉぉぉぉぉおっ!!!」

 

オレは部室を出て数歩歩いた場所で泣き崩れた。

 

 

 

 

 

「って言う夢を見たんだよ!!!」

 

以上が本日の穂乃果が見た夢をダイジェストにしてお送りしました。

 

さて…。

 

「……穂乃果?」

 

「なに?そーちゃん」

 

「……ヒドい、夢だったな」

 

「そーちゃんなら分かってくれると思ってたよ……!!」

 

「だがな……」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

「オレがまだ寝てるところに突撃してきた挙げ句叩き起こしといて報告するような事じゃねェだろうがよォ……アァン!?」

 

 

 

 

 

 

現在朝の4時。

 

普段はまだ寝ている時間帯なのに強制的に起こされたので超不機嫌状態でありました。

 

 

 

 

 

 

「って言うことがあったんだ」

 

「穂乃果…、いくら怖い夢を見たからって壮大を叩き起こしていいことにはならないわよ?」

 

「うっ…。ごめんなさい……」

 

今日の朝の出来事をみんなに説明をし、絵里ちゃんが穂乃果を咎めた。

 

いいぞ、絵里ちゃん。

 

もっと言ってやってください。

 

そしてついでにその冷たい目線を暖かい目線に変えてオレを慰めてください!

 

お願いします!何でもしますから!!

 

「それにしても生々しい夢だよね…」

 

「ホントだよね…」

 

話を聞き終えた花陽とことりが不安そうに言う。

 

そんな2人の横では穂乃果が重そうに口を開く。

 

「ていうか今夢と同じ状況だしぃぃぃい!!!」

 

「どどどどどこが同じ状況だって言うのよ!!!」

 

手元にあるパックのイチゴ牛乳を手に取るにこちゃん。

 

しかしその手は緊張と動揺で震えていた。

 

「終わりましたか…?終わりましたか……?」

 

「まだよ」

 

「落ち着け!まだ発表を読み上げてない!!」

 

「誰か答えてください!!」

 

「答えを聞きたきゃその手をどかせ!!」

 

海未も穂乃果が見た夢と全く同じ様に耳を塞いでずっとみんなに問い掛けていた。

 

「そうやね。カードによると…」

 

「よると…?」

 

のんちゃんはタロットカードの山から引いたカードをオレらに見せずいかにも困った顔をする。

 

「はいそこ!みんなの不安を煽るような発言はしない!」

 

「これじゃあ正夢になっちゃうよ〜!そうだにこちゃん!それ一気飲みして!!」

 

「なんでよ!?」

 

「何か変えないと正夢になっちゃうんだよ〜!」

 

あぁもう!!

 

お前らは少しは落ち着くってことはできねぇのか!!

 

少しは真姫を見習って欲しいものだ。

 

少なくともメンバーの中では一番落ち着いているように見える。

 

「ねぇ、壮大」

 

「どうした?」

 

「どうやったらこの膝のガタつきどうやったら治まるのかしら…」

 

ダメだったー!!

 

その澄ました顔つきは緊張を隠すためだったのね…。

 

「来ました!」

 

ツッコミ放棄を決めたと同時に一次予選の結果が発表され、海未以外のみんなが一斉にパソコンの画面に注目する。

 

にこちゃんがイチゴ牛乳のパックを握り潰してしまい机の上が大惨事になっている事を気にも留めていない花陽ちゃんが1位から順番にグループ名を読み上げていく。

 

1位のA-RISEに2位のEast Heart、3位のMidnight Catsまでは夢と全く展開。

 

「ダメだ…。終わりだよ…」

 

穂乃果が諦めムードを出し始めたことによりその空気が伝染する。

 

「いいや、まだだ。諦めるにはまだ早いぞ」

 

「そーちゃん…?」

 

「みんなあのA-RISEのステージの後にも関わらず、プレッシャーを跳ね返してベストパフォーマンスを出したんだ。絶対予選通過してるはずだ…。花陽ちゃん、最後の1チームを読み上げてくれ」

 

「は…、はい!最後の4チーム目は、ミュー……」

 

「「「「「「「「ミュー…」」」」」」」」

 

「ズ」

 

最後の1文字を聞いたオレは小さくガッツポーズを取った。

 

「音ノ木坂学院高校スクールアイドルµ'sです!」

 

「µ'sって私たち……だよね?」

 

「そうだ。μ'sは最終予選に駒を進めることができたんだ」

 

『ぃやったぁぁぁあっ!!!』

 

穂乃果たちはパソコンに映る自分たちの宣材写真を見てこれが夢ではないと感じ、部室内の空気とみんなの頬が緩んだ。

 

一次予選突破と言う結果を受けたみんなは、部室を飛び出し各々がお世話になっていると思われる校内の人たちに報告しに行った。

 

けれど、海未だけは結果が出たというのにも関わらず未だに耳を塞いでいた。

 

「どうなったのですか?私たちは予選通過したのですか?」

 

オレは海未の肩を叩き、人差し指を伸ばす。

 

ーーーむにゅっ。

 

海未がこちらを振り向いたと同時に海未の頬がオレの人差し指を飲み込んでいく。

 

おお、やっぱり柔らかい……。

 

ほうは(壮大)!?にゃにふるんでふか(何するんですか)!?」

 

オレは無言で天井のスピーカー部分を指差す。

 

すると校内放送でラブライブ一次予選を突破したことを知らせる放送が流れてきて、その放送を聞いた海未にようやく安堵の笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

しばらくしてから部室に戻ってきたみんなは喜ぶのは束の間。

 

練習着に着替えていつも通りに屋上で最終予選に向けた練習を開始し始める。

 

そんな中オレはというとまだパソコンに食いついていた。

 

最終予選に駒を進めた4グループの得点配分を纏めたページを閲覧しているからだ。

 

視聴者投票と言うこともあり、どのグループに投票したのかをパーセンテージで表した円グラフしか無かったがこういう些細なデータも配信してくれる公式サイトには大変ありがたいと思っている。

 

「えっと…A-RISEが28%にEast Heartが20%、Midnight Catsが18%でμ'sが17%……か」

 

ベストなパフォーマンスを出し切ったとはいえまだまだA-RISEとは差がある。

 

他の3つのグループとは何処が違うのだろう…。

 

公式サイトでは各ブロックの一次予選を勝ち上がったグループのパフォーマンス映像にアクセスをして、スカウティングを始めた。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…。こんなもんか」

 

大体見終わった。

 

何処のチームもアップテンポな楽曲を披露していてEast Heartのパフォーマンスはキレと想像力があり、Midnight Catsは始めこそ小さなミスがあったものの、その後はアクロバティックなダンスで盛り返したと言ったところだ。

 

そして言わずと知れた前回王者のA-RISE。

 

やはり実力は他のグループよりも頭1つも2つも飛び出していて、最終予選にて最大の壁として立ちはだかることは間違いないだろう。

 

どちらにせよ今以上に基礎を固めていかないとラブライブ本戦出場は叶わないってことになる。

 

「こりゃ最終予選まで地道に基礎を固めていくしかないのかなぁ……」

 

ーーードパァァァン!!

 

「そーちゃん!!」

 

「ヴぁいっ!?」

 

部室のドアが乱暴に開けられ、その音量の大きさに変な声を出してしまった。

 

「穂乃果!?いきなりどうした!?」

 

「にこちゃん見なかった!?」

 

「練習じゃないの?」

 

「いないから聞いてるんだよ~!」

 

「むぅ……」

 

オレは右手の親指を鼻の下に置いて考え込む。

 

確かに誰よりもラブライブに出ることに燃えているにこちゃんがみんなに黙って帰るなんて珍しい。

 

どうしても家に帰らないといけないような大事な用件があるのか……?

 

にこちゃんの家の事情とか、アルバイトとかでどうしてもお金を稼がないといけなくなってしまったとか?

 

「にこちゃんにも突っ込んで欲しくない用事でもあるんじゃねぇの?」

 

「そうかなぁ…」

 

「あまり首突っ込んでやらない方がいいのかも知れねぇな。ってことでオレはやるべき事が出来たから一足先に帰るわ」

 

穂乃果の肩をポンポンと叩き、後ろを向いたまま手をヒラヒラ振って帰路についた。

 

 




明日でテストが終わりやぁぁあっ!!

持ち込みOKのテストですが、油断せずに行きたいと思います。

就活で欠席した分の書類もコピーしなきゃ……。




ところで、穂乃果特別編でのいい楽曲(ラブソング)ありませんかね…?

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