ラブライブ!~Miracle and Track~ 作:K-Matsu
例のシーンをミラトラ流に翻訳した結果がこれです!
では、(あまり期待せずに)どうぞ!
「まさかこんな事になっていたなんて…」
穂乃果と花陽ちゃんが減量しないといけないレベルに体重が増えていたことを知らなかった絵里ちゃんも話を聞いた時はとても驚いていた。
「まあ2人共育ち盛りやからそのせいでもあるかも知れへんけど…」
「でもほっとけないレベルなんでしょ?」
「そうですね。オレの口からはプライバシーの問題もありますので到底言えることではないですけど、ヤバいというレベルでは無いですね……」
にこちゃんの質問に対し、オブラートという文字を何重にも重ねた感じの返答をしながら横目で穂乃果たちがいる方向を見る。
すると海未は、これから減量生活を強いられることになる2人にダイエットプログラムを差し出す。
それを渋々受け取った2人はパラパラと中身を診るが、早速穂乃果が噛み付いた。
「えぇ!?夕飯たったのこれだけ!?」
「お米がぁ…、お米がぁぁぁあ……」
2人は運動の事よりも食事面の方が気になっている様子。
「夕飯の食事を多く取ると体重の増加につながります。その分、朝食はしっかり食べられるのでご心配なく」
海未はニコニコとしているが、どこかサディズムが混ざった笑顔で2人に話す。
「それを差し引いてもだよ!!穂乃果の今日の夜ご飯のメインディッシュにある蒸しもやしって何!?」
「そのままの意味ですが?」
「もやしじゃ穂乃果のお腹は膨れないよ!」
毎日膨れるくらい食べてるから太ってしまったんだろうに…。
「元はと言えば自分の体重管理が出来ていなかった穂乃果が悪いのでしょう!?」
「うぅ……」
正論を突かれてしまいガックリ肩を落とすのとほぼ同時に屋上のドアが開く。
「あのー…、もしかして今休憩中ですか?」
「はい。そうですが……」
「もしよろしければですけど…、サインをお願いしたいんですけど……」
やって来たのは首元のリボンの色を見る限りだと1年生の生徒4人で、どうやらサインを貰いに屋上へ来たみたいだった。
みんなはそのお願いを快諾し、それぞれが色紙にサインを書き込んでいく。
色紙には9人分のサインが書き込まれ、嬉しそうにしていた1年生の女の子だったが一番早くサインし終えて貰った1人の女子生徒がオレの元にもやってきた。
「あの…、松宮さんにもお願いしたいんですけどいいですか?」
「オレも!?」
頭を下げながら色紙とペンを差し出されたので、思わず驚いてしまった。
「はい!私ここの陸上部なんですけどずーっと松宮さんに憧れてたんですっ!」
うおっ!まぶしっ!!
何だこの娘の純粋な笑顔はっ!!
その笑顔の眩しさに負けたオレはペンと色紙を受け取り、サインなんて考えたことがなかったから『K.Matsumiya』と筆記体でみんなの邪魔にならないような場所に書いた。
「ありがとうございます!……ところで松宮さん」
「ん?どうした?」
「気のせいかもしれないですけど、穂乃果先輩……太りました?」
「どうして?」
まさかμ'sのメンバー以外で穂乃果が太ってしまった事に気がついた人がいるとは思わなかったので、理由を聞いてみた。
「うちの制服のブレザーって結構タイトな作りになってるんですけど、夏休み明け辺りから何だかブレザーがキツそうに見えたので……」
「そっか。話してくれてありがとね」
「はい!では私はこれで失礼します。次からは競技場であったら声かけてくださいね?」
女の子はペコリ、と頭を下げてからドアを開けて屋上を後にした。
姿が見えなくなるまで後ろ姿を見送り、視線を穂乃果たちに向けるとさっきよりもショックを受けている穂乃果の姿があった。
「どうかしたのか?」
「さっきサインしに来た娘たちがそれぞれ穂乃果たちのファンだったらしいんだけど、海未やことりはスタイルの事に触れたんだけど穂乃果のスタイルのことには全く触れられる事がなかったのよ」
真姫がオレが名前を聞きそびれた陸上部の女の子と話している間の出来事を懇切丁寧に説明してくれた。
「これで分かったでしょう?……より一層やらねば、と」
「……はい」
海未にそう言われた穂乃果は何も言い返す事ができず、ただ黙って返事をすることしかできなかった。
場所を学校の屋上から神田明神に移し、基礎練習を行っている。
穂乃果と花陽ちゃんはみんなとは別のトレーニングメニューで走っていて、今しがたようやく階段を上がり終えたところだ。
「ゼェ……ハァ……」
「この階段って……、こんなに………キツかったっけ?」
2人とも肩で息をしていて、その表情はとても険しいものだった。
「そりゃ今の穂乃果たちは自分の身体に重りをつけて走っているようなもんなんだからキツいのは当然のことだろ」
2人の疑問に分かりやすい例えを使いながら答える。
「はい。次はランニング1時間スタート!」
「「えぇー!?」」
「少しは休憩させてよーっ!!」
海未が次のトレーニングメニューを告げたが、穂乃果は駄々をこね始めた。
休憩してもいいけどその分家に帰る時間が遅くなるだけだぞ?
「ダメです!休憩してはいけません!!さぁ早く!!!」
「ケチ!鬼!悪魔!そーちゃん!!」
「オイゴルァ!!さりげなくオレを罵倒していくんじゃねぇ!!穂乃果だけランニング30分追加してやってもいいんだぞ?」
「ひぃーっ!!ごめんなさーい!!」
穂乃果と花陽ちゃんはまた走って階段を降りていった。
「穂乃果たち大丈夫かしら……?」
絵里ちゃんが心配しそうに穂乃果たちの後ろ姿を見ながら呟く。
「……大丈夫なんじゃないですか?」
それは何処も寄り道せずにここに戻ってくれば、の話だけど。
~Side 高坂 穂乃果~
「スッ、スッ、ハッ、ハッ」
「スッ、スッ、ハッ、ハッ」
海未ちゃんとそーちゃんのトレーニングメニューで1時間のランニングで、花陽ちゃんと神田の街中を走っている最中。
一旦走り去ったお店の前まで戻り、その場で足踏みをしながら止まる。
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(穂乃果ちゃん?どうしたの?)」
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(花陽ちゃん!これ見てよ!)」
GOHAN-YA。
それはつい最近出来た花陽ちゃんが大好きなご飯が大盛り無料と張り紙に書いてあったりする、とにかくご飯尽くしのご飯専門店だった。
それを見た花陽ちゃんは目を輝かせて、こちらへ近付こうとしたがすぐに首を横に振って両手でバツ印を作る。
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(ダメだよ穂乃果ちゃん!私たちは今ダイエット中だよ?)」
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(大丈夫だって!今ここに海未ちゃんやそーちゃんもいないしバレないよ!!)」
その場で穂乃果と花陽ちゃんはGOHAN-YAを前に足踏みをし、対立していたが花陽ちゃんは走ることを続行させGOHAN-YAの前から走り去ろうとした。
だが、花陽ちゃんを陥落させる切り札を用意していた穂乃果は走り去ろうとする花陽ちゃんの肩を掴んだ。
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(離して穂乃果ちゃん!)」
「スッ、スッ、ハッ、ハッ(花陽ちゃん!あの旗を見て!!)」
そう。これこそが花陽ちゃんを陥落させるための切り札。
それは大きく『黄金米』とかかれた旗。
それを確認した花陽ちゃんは踵を返してGOHAN-YAの自動ドアの前へと直行する。
「ウフフ…、アハハ……!(穂乃果ちゃん!やっぱり私も食べたくなってきたよ!!)」
「アハハ…、アハハハハ……!(その意気だよ花陽ちゃん!今食べた分明日から多めに走ればいいんだよ!)」
「「フフフフ……!!!(さぁ行こう!黄金米が私たちを待っている~!!!)」」
「行ってきまーっす!!」
減量生活が始まってから早くも10日が経過していた。
他のメンバーは今日もやってるなぁ…という目で穂乃果たちを見ているが、今の穂乃果たちは何だかきな臭い印象を受ける。
「何だかあいつらおかしいような気がするんだよなぁ……」
「そうかしら?意欲的に取り組んでると思うけど……」
オレの呟きに答えた絵里ちゃんの言う通り、確かに穂乃果たちは意欲的に取り組んでると思う。
けど、それはあくまで神田明神をスタートとゴールとして設定しているロードのランニング
「……海未。オレと一緒に穂乃果たちの後を着いていってみないか?」
「分かりました」
穂乃果たちがランニングに出てからおよそ5分後。
オレと海未は穂乃果たちの後を追いかけるように神田明神を背に走り始めた。
「いやー!!今日も食べた食べた!!」
「見てみて穂乃果ちゃん!今のでスタンプカードが一杯になってご飯大盛り1杯無料だって!!」
探し始めてから40分。
穂乃果たちはつい最近出来たGOHAN-YAっていういかにも花陽ちゃんが好きそうなお店からお腹をさすりながら出てきたところを目撃した。
しかもスタンプカードが一杯になったって言ってたのを推測するに、ここに通い詰めていたってことになるよな…。
「……なるほど、そうですか。道理でこのランニングの時だけ妙にイキイキし出すと思っていたらここで隠れて食べていたのですね……」
「海未!?」
海未が穂乃果たちを見つけた途端、禍々しいオーラを放ちながら笑っていて道端の小石とか1kgないような軽いものが浮いていた。
しかし、笑っているのに目が全く笑っていないので背筋が凍りそうになった。
「あ な た た ち」
足音と気配を消して穂乃果たちに近付き、声色を強めに言い放った。
呑気に笑っていた穂乃果たちだったが、海未の声を聞くと状況は一変。
遠くから救急車のサイレンが聞こえるくらい静まり返り、冷や汗をダラダラ流しつつプルプルと震えながら後ろを振り返った。
「さぁっ、説明してもらえますか?」
チェックメイトをかけられた2人は戦慄し、ただただ叫ぶしかなかった。
「ぐすっ…、えぐっ……」
その日の夜。
海未にこってり絞られた穂乃果が大粒の涙を流しながらオレが作ったメシを食べている。
「……穂乃果」
そんな姿を見かねたオレは穂乃果を呼び、顔を上げさせた。
「なに…?そーちゃんも海未ちゃんみたいにガミガミ怒るの………?」
オレは穂乃果の問いに対して首を横に振り、その代わり頭を撫でる。
「海未だってホントはガミガミ怒りたくないはずだけど、さすがに今回は穂乃果が悪いわな」
「………うん」
普段なら頭を撫でるとへにゃっと笑う穂乃果だけど、今回ばかりはメンタル的に相当なダメージを受けたのかいまだにしょぼん……としたままでそれは自分の家に戻るまで続いた。
どうしたらいいものなのかなぁ………と考え込んでいたが、1つの結論に辿り着いたオレは早速許可を貰うために目的の人物に電話をかけた。