ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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書きたいシーンが多すぎて話が長くなる…。

でも文字を打っていて楽しいと思える自分がいる。

では、どうぞ。




第54話 2人の確執

翌日。

 

穂乃果の家に集まったμ'sの面々。

 

しかし、一部分のメンバーはオレに対する視線が厳しいままな気がするんだけど……。

 

「なぁ…、穂乃果……」

 

「ふんっ!」

 

名前を呼んだだけなのにそっぽを向かれた。

 

続いて凛ちゃんの名前を呼んでみた。

 

「凛ちゃん……」

 

「そーくん不潔だにゃ」

 

「………」

 

名前呼んだだけなのに不潔って言われた…。

 

へへっ、辛いぜ。

 

「穂乃果、凛。あんたらもいいかげん機嫌直しなさいよ…。あんたらに冷たくされた壮大が大人気なく泣き始めてしまったじゃない」

 

いつもはイジられているにこちゃんが珍しくフォローを入れてくれるけどその優しさが逆に身に染みて涙が出てきやがるぜ…。

 

 

 

 

 

 

あのあと穂乃果と凛ちゃんの機嫌を何とか直してもらい、中断していたラブソングについてのアイディアを出しあうことに。

 

「好きだ!愛してる!!」

 

と、穂乃果は直球過ぎるな愛情表現をアイディアとして出してみた。

 

「うわぁーんっ!やっぱりこんなんじゃないよねーっ!!」

 

しばらく硬直してから頭を抱え、身体を捩らせる。

 

「まぁ…、間違ってはいないんだろうけど……」

 

「そういうストレートな恋愛感情をイメージしたラブソングもあるっちゃあるけど……、今回作ろうとしているラブソングのベクトルとはズレてる気がするわな」

 

「………」

 

穂乃果を励ましている絵里ちゃんとオレを言葉に出さないでじーっと見つめている真姫。

 

出来るだけ顔を向けずに目だけで視線を追いかけてみると、絵里ちゃんに向かっていた。

 

何か思うことがあるのだろうが特に気にする事もないだろうな、と思い特に声をかけなかった。

 

「ふぇ〜、ラブソングって難しいんだね…」

 

「穂乃果はストレートというよりも単純過ぎるのよ!」

 

穂乃果がテーブルに伏せながらぼやいた事をにこちゃんがすぐに拾って突っ込む。

 

「でもにこっちだってまだノート白紙やん……」

 

のんちゃんがにこのノートを覗き込みながらそう言った。

 

「こ…、これから書くのよ!」

 

穂乃果の家に集まって早くも1時間とちょっと。

 

思い思いのアイディアを出し合ってはいるがなかなかいいアイディアが思いつかないでいた。

 

するとことりがバッグに手を入れて1つのパッケージを手にしてある提案をしてきた。

 

「ねぇみんな、このDVDでも見れば何かいいアイディアが浮かぶかもしれないよ?」

 

手にしていたのは洋画のDVDのパッケージ。

 

タイトルを確認するといかにも恋愛映画っぽいDVDだった。

 

「DVDか…。悪くはない選択じゃないか?」

 

「ええやん!面白そう!!」

 

「じゃあことりが持ってきたそのDVDでも見ましょう?そうすれば何か思いつくかもしれないし…」

 

「じゃあ見よう!」

 

穂乃果がみんながいる部屋の電気を消してその恋愛映画のDVDを見 ることになった。

 

 

 

 

 

 

映画を見始めておよそ2時間。

 

いよいよ映画は最高潮(クライマックス)を迎えるシーンへと移っていく。

 

「……ぐすっ」

 

「うぅ…可哀想…」

 

「そうね…」

 

1組のカップルが抱き合っているシーンを見て、絵里ちゃんとことりと花陽ちゃんの3人は涙を流し、そのシーンを見守っている。

 

「うぅ…安っぽい映画ね…」

 

「涙流しながらそんなこと言っても説得力ないわよ?」

 

にこちゃんも口ではそんな事を言いながら溢れ出てくる涙をハンカチで拭いながら映画を見て、真姫に突っ込まれていた。

 

のんちゃんは何も喋らずに、そしてオレはタンブラーに入れてきたブラックコーヒーを飲みながら映画を見ていた。

 

え?『リア充爆発しやがれ』とか言ってモテないことを棚に上げて嫉妬しないのかって?

 

バッカお前。

 

フィクションに恨み節言ったって結末は変わらんだろ?

 

そして残る穂乃果と凛ちゃんと海未。

 

まず穂乃果と凛ちゃんの通称ほのりんコンビは…、

 

「くかーっ……」

 

「すぴーっ……」

 

映画開始早々に2人で寄り添って眠ってしまった。

 

ほのりんコンビの近くで映画を見ていたオレは着ていた上着を毛布代わりとして2人に掛けてあげた。

 

そして海未はと言うと…、

 

「ううっ……」

 

座布団を防災頭巾のように被って耳を塞ぎ、絵里ちゃんたちとは違ったベクトルで泣いていた。

 

「……これホラー映画じゃねぇんだぞ?」

 

「分かっています!分かっているのですが……!!」

 

だったら被ってる座布団から手ぇ離せ。と言いたいところなのだが、オレはこの先流れるであろう展開と海未の様子を見て何となく察してしまった。

 

大概の恋愛映画にはとある1シーンがある。

 

それが海未の中ではハレンチなものとして分類されているのであろう。

 

映画はどこまで進んだのか確認しようとテレビに目線を向けると、丁度そのシーンが写し出される。

 

「あぁ……ああああ………」

 

海未もオレと同じように確認しようとしたが、アップで写されたあのシーンをバッチリ見てしまいついには涙を溜めながら映画を見てしまう。

 

「「「きゃーっ!」」」

 

アップで写し出されている唇と唇が徐々に近付いていくのを見ていると、先ほどの画面の目の前で涙を流していた絵里ちゃんとことりと花陽ちゃんが黄色い悲鳴をあげる。

 

そして互いの唇が重なりあおうとしていたその時だった。

 

「~~~~~ッッッ!!」

 

恥ずかしさのキャパオーバーを迎えた海未が機敏な動きでリモコンを駆使してテレビの電源を消し、部屋の電気を点けた。

 

「海未ちゃん!?」

 

「見ていられません!ハレンチです!!」

 

「そうかなぁ?」

 

「そうです!そもそもこんな事は人前でするものではありません!」

 

映画を見ることに恥ずかしくなってしまった海未は、立ち上がってそう言う。

 

「いや、人前っつーか……。これ映画なんだけど……」

 

「何か言いましたか?」

 

「何でもないっす」

 

人前じゃなく映画だということを言っただけなのに、めちゃくちゃ睨まれた。

 

海未さん怖い……。

 

「あれ…?映画は…?」

 

「終わったのかにゃ?」

 

このタイミングでほのりんコンビが目を擦りながら起きた。

 

「おはようって言うのも変だけどよく眠れたか?」

 

「うん。何だかの~んびりした映画だなぁって思ったらいつの間にか眠っちゃってたみたい」

 

「そうか……」

 

えへへ…、と後頭部をかいて笑いながら答える穂乃果を見て穂乃果と遊びに行くときは絶対映画館には行かないことを密かに誓うオレであった。

 

 

 

 

 

「なかなか映画のようにはいかないわよね。それじゃあ、また始めからみんなで言葉を出し合って…」

 

「待って!」

 

「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」

 

絵里ちゃんがまた一からアイディアを出していこうとしていた時に真姫が話の腰を折った。

 

突然話を止めたことでみんなは驚き、そちらを見る。

 

「もう諦めた方がいいんじゃない?今から曲を作って振り付けや歌の練習もしないといけないのに…もし曲ができたとしても完成度が低くなるだけよ!」

 

真姫の口から出てきたのは新曲を諦めた方がいいという話だった。

 

確かに真姫の言うことは間違っていない。

 

最終予選も近いのに今から曲を作ったとしても振り付けや歌の練習も中途半端になってしまう。

 

そうなってしまっては本戦に出るどころかA-RISEにだって勝てやしない。

 

「でも……」

 

それでも絵里は何かを言い返そうとした。

 

「確かにラブソングに頼らなくても私たちには私たちの歌があります」

 

「……出来ない事に拘るよりかは出来ることをやる方が得策である時もある」

 

「相手はあのA-RISE…。下手な小細工は通用しないと思うわよ?」

 

海未の意見を肯定するようにオレもにこちゃんも現実を客観視して意見を述べる。

 

他のみんなも口にこそしないが、ラブソングなんて必要ないという意見に同意しているような感じはする。

 

「でも……!」

 

「えりち!!」

 

それでも言い返そうしていた絵里ちゃんを止めたのはラブソングを作ってみないか?と言い出したのんちゃん本人だった。

 

「希…」

 

「真姫ちゃんやみんなの言う通りや。今までの曲に全力を注いで頑張ろう?」

 

のんちゃんは表情こそ笑顔でみんなに話すが、なんだか無理して作り笑いをしているようにも見えた。

 

「それに今さっき見たら、カードもその方がいいって言ってたし」

 

「待って希。あなた…」

 

「ええんや。一番大切なのは…μ’sやろ?」

 

「………」

 

絵里ちゃんは何か言おうとしたが、のんちゃんはそれを聞き入れなかった。

 

それを聞いた絵里ちゃんは黙り込んで下を俯く。

 

「……?どうかしたの?」

 

「ううんなんでもない!じゃあ今日はもう解散して、明日からまた練習やね!」

 

その様子を見かねた穂乃果が訪ねるが何でもないと言われ、のんちゃんの言われるがままにみんなは何も言わず今日はここで解散する流れとなった。

 

だが、オレの胸の中には絵里ちゃんとのんちゃんの間にある確執の正体が何だか分からずモヤモヤとしたものだけが残った。

 

 

 

 

 

 

穂乃果の家を出るとすでに太陽は傾き、夕方になっていた。

 

「じゃあね~!」

 

「穂乃果ちゃんばいば〜い!」

 

「風邪引くんじゃねぇぞ~」

 

「壮大くんも風邪引かないでね?」

 

穂乃果とオレはそれぞれの自室から手を振りながら見送り、凛ちゃんは花陽ちゃんと一緒に帰るのかと思っていた。

 

「まーきちゃんっ!真姫ちゃんも凛たちと一緒に帰ろ?」

 

しかし凛ちゃんは真姫を一緒に帰ろうと誘った。

 

その真姫本人は絵里ちゃんとのんちゃんの後ろ姿をずーっと眺めていた。

 

「真姫ちゃん?」

 

そんな真姫を見かねた凛ちゃんはもう一度呼ぶが、真姫は凛ちゃんと花陽ちゃんに向かってこう話した。

 

「ごめん凛、花陽。先に帰ってて…」

 

何故先に帰っていて欲しいのか理由を告げずに2人の後を追いかけ始めた。

 

「真姫ちゃん……どうしたんだろう?」

 

「さぁ?」

 

凛ちゃんも花陽ちゃんも真姫の行動に疑問を持つが、考えても仕方ないっかと言って2人は仲良く帰っていった。

 

穂乃果の家に誰もいなくなった事を見計らって、真姫以外の人物にあってもいいようにカモフラージュとして買い物用のエコバッグを持って真姫の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

「よう」

 

「……壮大?」

 

家から歩いて5分ほど離れた場所にいた真姫と合流する。

 

「なんであなたがここに……?」

 

「表向きには夜メシの買い物だけどホントは絵里ちゃんとのんちゃんの間にある何かを知りたくてな。……真姫もオレと同じ考えなんだろ?」

 

「そうよ」

 

ここに来た理由を話し、真姫に問いかけると真姫は否定もせずにそうだと答えた。

 

「早く行かないとエリーと希の姿を見失っちゃうわ。……早く行きましょ?」

 

オレは無言で頷き、2人で絵里ちゃんとのんちゃんを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

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