ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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今回は次回以降の繋ぎとして。

もしかしたら後日話の内容を大幅に話を変更するかもです。

では、どうぞ。




第57話 目を覚まさぬ間には……

そーちゃんの意識が失ってから早くも5日が経った。

 

お医者さんの娘である真姫ちゃんの情報だとそーちゃんはまだ目を覚まさないらしい。

 

私たちμ'sはというと、この5日間の間ほとんど練習に費やした。

 

最初の方はあれだけの事件があったのでみんな動揺していたし、私自身もまだ夢に出てきたりフラッシュバックしたりすることだってある、

 

でも今は…、

 

「じゃあみんな!そろそろ練習始めよう!!」

 

「「「「「「「「はいっ!!!」」」」」」」」

 

今は目の前に迫った最終予選に向けて最高のパフォーマンスが出来るように練習を打ち込むだけだ。

 

……そーちゃんの心に響き渡るように。

 

 

 

 

 

~Side 園田 海未~

 

 

私とことりは練習が終わってから西木野総合病院内の壮大の病室にやって来ました。

 

簡単に言うと壮大のお見舞いです。

 

「あらあら。今日も来てくれたの?」

 

「えぇ…、まぁ……」

 

「あ、あはは……」

 

面会手続きを担当している看護師さんの問い掛けに、私は曖昧な相槌でことりは乾いた笑いで答えました。

 

実はというと穂乃果には内緒で壮大の手術が終わった次の日から毎日ことりと2人でお見舞いに来ているのです。

 

生まれた時から家族ぐるみの付き合いがある穂乃果には及びませんが、やっぱり私やことりも壮大とは長い付き合いですから目を覚ましてくれないと心配なんです。

 

「はい、確かに確認出来ました。時間が多少オーバーしちゃってもいいから壮大くんのお見舞いしてあげてくださいね?きっと彼も喜ぶだろうし、そうした方が早く目が覚めると思うから…」

 

「はい。ありがとうございます」

 

私とことりは看護師さんに頭を下げ、壮大が眠っている病室を目指して歩いて病室へと向かいました。

 

「そーくん、まだ目を覚ましてないんだね……」

 

「そうですね…。それだけ傷が深かったということなのでしょうか…?」

 

真姫の話では意識こそ戻ってないが容態は安定しており、緊急手術が終わった時に話していた最悪の事態については余程の事が無い限りまず大丈夫だろう、とのことでした。

 

ですが壮大の血液型…ボンベイタイプの輸血パックは日本全国に広がるあらゆる病院に問い合わせしてみても殆ど取り扱っていないとのことでしたので、油断はできないというのが現状らしいのです。

 

まったく…、壮大には呆れたものです。

 

これだけ多くの人が心配しているのにまだ目を覚まさない寝坊助な壮大が目を覚ました時にはたーっぷりと説教しないといけませんね…。

 

 

 

 

 

 

「壮大ー、入りますよー?」

 

「そーくん、入るよー?」

 

私とことりは夕日が差し込む壮大の病室へと足を踏み入れました。

 

病室の中で眠る彼はいつ見に来ても元気だった時とは程遠く、筋張った腕には痛々しいまでに点滴等のチューブが繋がれており…口元は酸素を供給するマスクで被われていました。

 

「じゃあことりは花瓶のお花とお水を変えてくるね?」

 

「…いつもことりばかりに任せて申し訳ありません」

 

「ううん。ことりが好きでやってることだから海未ちゃんは気にしなくてもいいよ」

 

ことりは殺風景にならないように持ってくる花と花瓶の中の水を入れ替えるため、一旦病室から離れました。

 

私は病室の中に備え付けられているイスを壮大が眠るベッドの近くに置き、顔が見える位置に調整してから座りました。

 

「…壮大。ラブライブの最終予選まで数えるほどになりました」

 

いくら問いかけても今の壮大に届かないことくらい分かっていますが、何故だか自分でも分からないのですがこうしていたくなるのです。

 

「1度ラブライブの道は諦めよう、という空気になりましたが穂乃果は出よう。と、自分で決意して今は最終予選に向けて日々の練習に打ち込んでいます。これもあなたが身を挺して穂乃果を守ってくれたお陰です。」

 

ですがやはり壮大がいない日常は寂しいものですね…。

 

って私はいったい何を考えているのです!?

 

これはその…、あれです!!

 

壮大がいつまで経っても目を覚まさないとかではなくてですね!!

 

って、なんで私は得体の知れない誰かに向かって言い訳してるのでしょう…。

 

やっぱり湿っぽい話をすると心が重くなってしまいますね。

 

少し話題を変えて見ましょうか…。

 

「そう言えばこの話を壮大にするのは初めてですね。最近ラーメン好きの凛がラーメンを食べるのを控えてるらしいのですが、その理由を知ってますか?『そーくんが目を覚ましたら凛と一緒に病室でラーメンを食べて貰いたいからにゃー!!』ですって…。ふふっ、おかしな話でしょう?」

 

この後、花瓶に新しい水と花を入れてきたことりが戻ってきて出来るだけ湿っぽい話にならないような話をしていると病室に入ってから1時間半を示す時刻を差していました。

 

「では、壮大。時間ができたらまたお見舞いに来ますね?」

 

「そーくんまた来るねー♪」

 

壮大の右腕が微かに動いたのが見えた気がしましたが、気のせいだと思った私はことりと共に病室を後にしました。

 

…早く目を覚ますとよいですね。

 

 

 

 

 

~Side 西木野 真姫~

 

 

「壮大…、入るわよ?」

 

いつもはり凛や花陽と来ている壮大のお見舞いに一人でやって来た。

 

病室に入ろうとしたのだが、海未とことりが先客としてお見舞いに来ていたようだった。

 

私は海未とことりを誰も入っていない壮大の病室の隣の個室の病室でやり過ごし、海未とことりが過ぎ去ってから病室に入った。

 

花瓶にはきっとことりが置いていったのであろう真新しい花が生けられていた。

 

相変わらずこういう気遣いができることりが少しだけ羨ましいわ…。

 

そう思いながらイスに座る。

 

壮大、あなたは今年に入ってから頑張り過ぎなのよ。

 

何で壮大がここまで目を覚まさないのか昨日パパに聞いたことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

「とても他の人に言えることではないんだけど、壮大くん…彼の身体に相当な負担がかかっているんだ」

 

「負担?」

 

「他の科の先生が見たら『一体何をやっていたらこうなるんですか?』と動けることに驚きを隠せなかったみたいでね…」

 

そう言えば少し気になっていた。

 

壮大は私たちが朝練で走ったりするときは壮大も一緒に朝早く起きて朝練に参加する。

 

それから立華高校に登校し、たまにサボってるって聞くけどそれでも厳しい授業をこなす。

 

放課後には練習をするか、すぐに私たちのところに来る。

 

当然通学で使うロードバイクをほぼ全力で漕いでくる。

 

練習が終わってからも壮大の事だからかなり強度の高い練習をしているに違いない。

 

それに壮大の両親は自宅にはいない。

 

つまり毎食自分の手で作らないといけないし、掃除や洗濯も自分でやらないといけない。

 

それから体育科とは言えども中途半端な進学校よりも進行ペースが早い授業についていくための予習や、今までの授業の振り返りとしての復習もやっているに違いない。

 

さらに言えば自分の練習メニューや私たちの基礎練習の内容を考えたり

していることだろう。

 

突き詰めていくと1つの疑問が浮かび上がってきた。

 

壮大の睡眠時間はいったい何時間なのだろう…?、むしろ寝ているのだろうか?…と。

 

 

 

 

 

 

「ホントに底抜けのお人好しね…」

 

何もこんなに無理しなくてもいいのに私たちのために時間を使ってくれる。

 

そんなだからみんな壮大の事を信頼するのかもね…。

 

私は未だに眠り続けている壮大の頭を撫で、普段は整髪料かなにかで纏めている彼の髪をくしゃくしゃにする。

 

きっと壮大が起きたら…海未の事だから『少しは自分の身体の事くらい気を遣ってください!!』って怒るかもね…。

 

もしそれでへこんでいたらちょっとは優しくしてあげようかしら…?

 

いや、私じゃなくても普段から優しいことりとかが壮大の事を見るだろうから私は特にやらなくてもいいのかな…?

 

まぁ何にせよ早く目を覚まして貰わないことには始まらないわよね。

 

そして早く目を覚まして私たちの歌をその耳でしかと聞いてもらわないとねっ!

 

「よし…」

 

私は外にいる患者さんや看護師さんに聞かれないような声で気合いを入れる。

 

壮大が目を覚ましてビックリさせるくらいのパフォーマンスを披露してやるんだから……。

 

 

「ちゃんと聞いてなさいよねっ?」

 

 

私は壮大に声をかけ、病室を後にした。

 

 

 

 

 

 

そして壮大が目を覚まさないまま最終予選当日の朝を迎えることとなった……。

 

 

 

 

 

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