ラブライブ!~Miracle and Track~ 作:K-Matsu
いよいよ最終章に入ります!!
まずはテレビアニメ2期第10話からです!
もしこの章で更新が停滞したら『あぁ…、心へし折られたんだな……』と解釈してください。
それでは、どうぞ!!
第61話 Happy New Year…?
12月31日……今日は大晦日だ。
西暦が変わる前の最後の1日ということで朝から夕方まで家の大掃除や断捨離……さらに年越しそばや御雑煮を作ったりお取り寄せしていたおせち料理を用意する。
さすがに新年明けて数日は家事から解放されたいからな。
あと穂乃果のことについてなんだが、みんなに悟られないようにするため穂乃果の前では出来るだけいつも通りに過ごすことに決めた。
意外とあいつは他人の表情の変化や心情に関することは目を見張るものがあるからな。
それにしても…、
「はふ~…、炬燵を考えた人ってすげぇよなぁ……ってこんな時間に誰だ?」
炬燵の中に足を通して年末恒例の超長時間に及ぶ歌番組を見ていると外から独特の甘い声と凛とした声が聞こえ、我が家のインターホンが鳴り響く。
「はーい」
特に上着を羽織ることもなく玄関に行き、ドアを開けると寒くない服装をした海未とことりが立っていた。
「やっほー、そーくん」
「ことり?それに海未も…。こんな時間にどうしたんだ?」
「どうしたも何も……そろそろ初詣に行く時間ですよ?」
オレは玄関に備え付けている小型のデジタル時計を見てみると残すところ今年も30分前になっていた。
「もうそんな時間か。……そこにいると寒いだろうからちょっと家に上がって待っててくれ」
「早く支度してきてくださいね?」
「3分待ってやる~♪」
とある映画の悪役の台詞を可愛らしく言うことりの台詞を耳にしながら大急ぎで準備に取りかかった。
ことりの宣言通り3分ジャストで準備を終え、オレたち3人は松宮家から徒歩十数秒しか離れていない高坂家へと向かう。
インターホンを押し、しばらく待っていると出てきたのは穂乃果ではなく夏穂さんが出てきた。
「あら、壮大くん。それに海未ちゃんとことりちゃんも……」
「夏穂さん。まさかとは思いますが……」
「えぇ、そのまさかよ……」
やっぱりか…、と溜め息をつくオレと海未。
そんなオレと海未の様子を見て穂乃果が何をしているのかを察し、乾いた笑いをすることり。
「夏穂さん。割と手荒な起こし方をしてもいいですか?」
「いいわよ~、存分にやっちゃって!」
妙にいい笑顔をする夏穂さんから許可を降りたので、海未とことりを玄関で待たせて居間にいるであろう穂乃果の元へ。
「くか~っ」
「やっぱりか……」
穂乃果はこたつでぐっすり眠っていた……しかも盛大によだれを垂らして。
このまま穂乃果の肩を揺すって起こそうとするが、思い止まる。
眠るとちょっとやそっとじゃ全く起きない穂乃果の事だからもしかしたら肩を揺するだけじゃ起きないかもしれない。
オレは穂乃果に気付かれないように炬燵の中へ潜り込んで穂乃果の足があるところに辿り着く。
十分に手を暖めてから穂乃果の左足首を片手でホールド。
残ったもう一方の手で……、
「痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!」
ありったけの力を込めて足のアーチ部分のツボを押した。
「え!?なになになに!?」
「ぷはっ…よう、起きたか?」
「『起きたか?』じゃないよ!すっっっっっごく痛かったんだからぁっ!!」
炬燵から出ると穂乃果は涙目になりながら猛抗議を始めた。
「そりゃそうだろ。力込めて押さないと意味がないからな」
というか炬燵で寝ると身体に悪いぞ……ってこんなことを説明している場合じゃなかった。
「みんなで初詣行くって約束だったろ?分かったら早く準備しろぉ!!」
「ふぇっ……?うわぁっ!そうだった!!」
穂乃果は大慌てで自分の部屋がある2階へと上がっていった。
そんなに慌てると…、
『いったーい!足の小指ぶつけたー!!!』
ほら、言わんこっちゃない…。
大きなため息をつきながら海未とことりが待つ玄関に戻った。
「穂乃果はどうでしたか?」
「炬燵でぐっすりと眠ってた」
「さっきの大声は何だったの……?」
「普通に起こしちゃ起きないだろうと思って記憶力が向上する足ツボを思いっきり押してやった……って海未?どうした?」
記憶力が向上する足ツボと言ったら何故か海未が肩を震わしていた。
「いえ…、何故だか分からないのですが話を聞いただけで激痛が……」
何で!?と突っ込もうとするが、ことりがスマートフォンを取り出して画面を見ると小さく驚いたような声をあげた。
「どうした?」
「年が…明けちゃった」
オレも急いでスマートフォンを取り出し、時間を見るとそこには『1/1 00:00』という文字が表示されていた。
「はぁ…海未、ことり。あけましておめでとう。そして今年もよろしく頼む」
「あけましておめでとう。海未ちゃん、そーくん」
「あけましておめでとうございます。壮大、ことり」
穂乃果がまだ自分の部屋で準備をしている間にオレたち3人は新年の挨拶を済ませる。
どうやらオレたちは年が変わっても穂乃果に振り回される1年になるかもしれないな。
「あっ!来た来た!!」
オレたちは海未の新年1発目のお説教を耳にしながら待ち合わせ場所に指定していた神田明神の男坂まで徒歩で来ると、階段の前で凛ちゃんと花陽ちゃんがいた。
オレたちがやって来たのに気付いた凛ちゃんは駆け足で、花陽ちゃんは歩いてやってきた。
「お待たせ、2人とも」
「凛ちゃんと話してたからそんなは待ってないけど…」
「何かあったのかにゃ?」
「おこたで熟睡していた誰かさんを起こしてたら遅くなった」
凛ちゃんと花陽ちゃんに遅れてきた理由を話しながらまだお説教を受けている人物に目を向けると、状況を察してくれたのかそれ以上何も聞かずに苦笑いを浮かべながら何度も頷いてくれた。
ちなみにことりはそんな2人を優しく諭そうとするいつもの流れの中にいる。
「それと……あけましておめでとう。今年もよろしく頼む」
「あけましておめでとうだにゃ!」
「今年もよろしくお願いしますね」
お互いにお辞儀をしながら新年の挨拶を済ませ、頭を上げると凛ちゃんの服装に変化が見られたのに気が付いた。
「……そのスカートは?」
「えへへ~!クリスマスにおかーさんに買って貰ったんだっ♪」
凛ちゃんは笑いながらスカートの裾をちょこんと摘まむ。
……ふむ。
「……いいじゃん、なかなか似合ってるぞ」
「えへへ…ありがとう!そーくん!」
「褒められてよかったね、凛ちゃん!」
「うんっ!」
凛ちゃんは褒められて嬉しそうにし、花陽ちゃんも自分のように嬉しそうにする。
それもいいのだが…、
「……真姫は?」
てっきり凛ちゃんたちといるもんだと思ってたのにここに来てからまだ1度足りとも見ていない。
すると花陽ちゃんが困ったように笑いながら答えてくれた。
「真姫ちゃんもさっきまでここにいたんだけど…」
「恥ずかしいからって向こうに行っちゃったにゃ」
凛ちゃんが指差した方向を見てみると、電信柱の影からこちらの様子を伺っている赤毛の女の子が1人。
オレはそちらに向かって歩いていき、電信柱の前で立ち止まる。
「お前こんなとこで何してんだ?ほら、恥ずかしがってないで早く出てこい」
「きゃっ!ちょ…、ちょっと!そんなに引っ張らないでよっ!!」
オレは真姫の手を掴み、引っ張るように歩きながら凛ちゃんたちの前に歩いていく。
「「「おお~っ!」」」
「真姫ちゃんビューティフォー!」
いつの間にかお説教を終えた穂乃果たちも凛ちゃんのところに集まっていて、真姫の服装の感想を伝える。
真姫は自分の髪と同じ赤の振り袖を身に纏っていて、オレもあまりにもの美しさに言葉を失う。
すると真姫は照れ臭そうに顔を少し赤くしながら話し出した。
「私は普通の格好がいいって言ったのにママが着て行きなさいって…ていうか!!なんで誰も着てこないのよ!?」
真姫はみんなが私服で来た口にしてきた。
「『なんで』と言われましても…」
「そんな約束したっけ?」
「いや?してないはずだな……っと」
約束したしていないというやり取りをしていると、不意に着メロが鳴り出した。
ディスプレイには非常に懐かしい人物の名前が表示されていた。
みんなに電話に出てくる、と断りを入れて少し離れた場所まで歩いてから電話に出る。
「はい?」
『……松宮』
「キャプテン?どうしたんですか?」
『俺…、大丈夫かな?』
「いきなりそんなこと言い出す時点で大分イカれてますね。いい脳外科知ってます……よ?」
自分でそこまで言ってからハッと思い出す。
センター試験まで残り少ない。
自分にとって関係ないとは思ってたけど、1つ上の人たちにとって追い込みの時期じゃん。
「キャプテン」
『……なんだ?』
「オレにはキャプテンが抱えている不安全部が全部分かる訳ではありませんが、自分で自分を揺らいでしまったら解ける問題も解けなくなると思います。ですので自分に自信を持ってもいいんじゃないですか?」
『そうだな……。よし、落ち着いてきたよ。松宮、ありがとう』
「いえいえ、お安い御用です」
電話を切ってしまう。
「お待たせ……ってみんなどうしたんだ?」
みんなが待つところへ行くとまるで誰かの背中を見ているかのように同じ方向を向いていた。
「ううん、何でもないよ。それよりも初詣に行こうよ!」
「ああ…、そうだな」
穂乃果が先陣を切り、みんなで境内へ続く男坂を登り始める。
みんなの背中が少しだけ逞しく見えた……気がした。
境内に入るととんでもない数の人だかりが出来ていた。
それでもみんなはこの状況も楽しみながらも順番待ちに耐え、そしてオレたちの順番になった。
拝む前にみんなでお金を賽銭箱に投げ入れ、二礼してからそれぞれのお願いを心に秘めながら拝み始める。
「かよちんは何をお願いしたの?」
「それは秘密だよ?……ことりちゃんは?」
「もちろん『ラブライブ優勝!』だよ!」
「だよねー!凛も同じだにゃ!」
拝み続けていると先に拝み終えた凛ちゃんと花陽ちゃん、それにことりの声が聞こえてくる。
「……穂乃果?」
「それに壮大くんもまだ拝んでいるね……」
「穂乃果ちゃんもそーくんも長いにゃ〜!」
穂乃果とほぼ同じタイミングで拝み終え、一息つく。
「どうせまた欲張りなお願いでもしてたんでしょ?」
真姫の言葉を聞いて、穂乃果は首を横に振って否定する。
「そんな事ないよ。ただ私たち9人で最後まで楽しく歌えるようにって…」
「オレはインターハイ2連覇と自身の健康についてお願いしていたけどなっ!」
「え~っ!?そーくん自分のお願い事だけしてたの~!?」
穂乃果がらしくない発言と顔付きをしたから、すかさず自分の事を中心にお願いしていたことを暴露をしてみんなの笑いを誘う。
本当は穂乃果たちの行く末の事
「後がつかえていますのでここで…」
解散しましょう、とでも言いたかったのだろう海未だったが何故か固まった。
「……花陽はどこに行きましたか?」
海未に指摘され、オレを含めたみんなが花陽ちゃんの姿を探し始める。
「あそこだにゃ!」
凛ちゃんが一生懸命ジャンプをして探し続けた結果、花陽ちゃんは無事に見つかった。
でも…、
「うぅ…、ダレカタスケテ~!!!」
人の荒波に揉まれていた。
「おぉ!花陽ちゃんが流されていく!」
「んな悠長な事言ってる場合か!?」
オレは人と人の隙間を切り裂きながら花陽ちゃんの救出に向かった。
真ん中辺りで花陽ちゃんの身柄を確保し、最後尾まで抜ける。
「花陽ちゃん…、大丈夫か?」
「うん。私は大丈夫だけど…壮大くんは?」
「オレか?オレは鍛えてるから大丈夫だ」
花陽ちゃんに心配をかけまいと咄嗟に嘘をつく。
本当はピンヒールに踏まれたり、鳩尾にエルボーを喰らったりしました。
少し遅れてみんなもオレたちの元へとやって来た。
「かよちん!大丈夫かにゃ?」
「うん。大丈夫だよ」
「そーくんは…、うん。心配する必要はないみたいだにゃ」
「お…、おう……」
「じゃあ2人と合流したからあの3人の様子を見に行ってみようよ!」
またしても穂乃果の号令の元、この場にいない3人の様子を見に行くことに。
それにしても……何だろう、あの扱いの差。
慣れっこだから気にしてないけどさ!
……気にしてないけどさぁっ!!
思っていたよりも執筆の意欲が…。
あぁ…、絵里ちゃん特別ストーリーもやらなきゃ……
ダレカタスケテ~……