ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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今回からテレビアニメ2期第12話です。

アニメのサブタイトル『ラストライブ!』に相応しい内容が書けるように頑張っていきます!

では、どうぞ!!



第70話 前日

第2回ラブライブ本戦2日前。

 

都内某所にてライブパフォーマンスの順番を決める抽選が行われようとしていた。

 

オレは例にもましてパソコンを用いて国内動画配信サイトにアクセスし、生放送でこの抽選会を見守っていた。

 

『解説の北條さん。今大会最も注目度が高いアイドルグループはやはり……』

 

『えぇ。何と言っても東京都代表のアイドルグループ……μ'sでしょう。彼女たちは前回王者のA-RISEを抑えて激戦区東京都代表校として出場します。今大会μ'sは注目度及び実力もNo.1と言っても過言では無いでしょう』

 

プロのアイドルによる解説付きという何とも豪華な生放送だ。

 

その解説のアイドルがμ'sの事を話している間に画面はイスに座って抽選の順番を待っているみんなの姿が映る。

 

みんな緊張はしているが、決して会場の雰囲気に飲まれる事もなくいい意味でこの雰囲気を楽しんでいるようだ。

 

「エントリーナンバー11番。東京都代表国立音ノ木坂学院スクールアイドル『μ’s』!!」

 

アナウンサーがμ'sをコールし、みんな一斉に立ち上がるとホール内からは歓声がわいて拍手も巻き起こる。

 

それに伴ってパソコンの画面もコメントの弾幕で覆われる。

 

やはり解説の人の言う通りでμ'sはそれだけ注目を浴びてるグループにまで成長したと言うことになるだろう。

 

『代表者は前に出てきて抽選を行ってください』

 

最初はリーダーである穂乃果がステージ上に続く階段を上ろうとするが、後ろを振り返って何やら誰かに向かって話しているようだ。

 

『おや?どうしたのでしょう?』

 

『えぇっと…情報が入ってきました。どうやらμ'sは2年生リーダーの高坂さんではなく音ノ木坂学院のアイドル研究部内の部長である3年生の矢澤さんに抽選を引かせるみたいですね……』

 

なるほどな…。

 

にこちゃんはアイドル研究部の部長。

 

高校入学当時からこの大舞台を夢見て挫折も栄光も味わってきたのだから……この抽選を行うにはうってつけの人選だ。

 

気合いが入った表情を見せるにこちゃんはステージ上ど真ん中にあるパフォーマンス順を表す数字が書かれたボールが入った箱の中に右手を突っ込んだ。

 

中でどれにしようかシャッフルしてから箱から引き抜くようにボールを選んだ。

 

そして発表された数字は…、

 

『何と言うことでしょう!音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sは47番目!つまり今大会の大トリを務めることとなりました!!』

 

「マジ!?」

 

にこちゃんすげぇぇぇぇえっ!!

 

以前やったガラポンの抽選ではみんなの期待をことごとく裏切ったのに……今回はみんなの期待にキッチリ応えやがった!!

 

それからも各グループの代表者が抽選を引いていき、それに応じて順番を決めていく。

 

そして最後の沖縄代表の順番が確定したところで抽選会が終了した。

 

『これにて第2回ラブライブ本戦パフォーマンス抽選会を終了致します。明後日の大会の健闘をお祈り致します!』

 

司会担当のアナウンサーの締めの言葉で生放送が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてその次の日…、つまりラブライブ本戦前日。

 

μ'sの9人とオレは音ノ木坂学院アイドル研究部の部室内にいた。

 

「フフフフ……」

 

にこちゃんが腕を組みながら笑っていた。

 

「にこちゃんすごいにゃーー!!」

 

「当たり前でしょ!!この私を誰だと思ってるの!?大銀河宇宙No.1アイドルにこにーにこちゃんよ!!」

 

そこで堂々としていればカッコいいのにみんなから顔を背けて緊張した…、なんて呟くもんだから何だか締まらない。

 

「でも…、1番最後…。それはそれでプレッシャーね……」

 

「そこは開き直るしかないだろうな」

 

「でも私はこれでよかったと思う!だってずっと目標にしてきたラブライブに出れて歌えるんだよ!しかもその最後!!」

 

こういう時の穂乃果の前向きな発言はホントに助かる。

 

こうやって幾度もなくみんなを引き上げて来たと思うと少し感慨深い。

 

「ちょっと…、私が引いたんだけど……」

 

「はいはい……」

 

「偉い偉いにゃ」

 

不満を抱いたにこちゃんが呟くが真姫と凛ちゃんに適当に流されてしまい、にこちゃんは少しへこむ。

 

「それじゃあ練習に行きましょうか!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

絵里ちゃんを先頭に部室から出ていき、部室にはにこちゃんと花陽ちゃんが残った。

 

「はぁ…、まったく……」

 

「大丈夫だよ」

 

「花陽……?」

 

まだへこんだままにこちゃんを励ます花陽ちゃん。

 

「みんな口ではあんな事言ってるけどすごく感謝してたから……」

 

「分かってるわよ…」

 

「えっ……?」

 

花陽ちゃんの言葉を聞いて頭をあげ、優しく微笑む。

 

「最後までいつもの私たちのままでいようって事でしょ?ねっ、壮大?」

 

「そうですね……」

 

最後までいつものみんなのままで……。

 

っと……ここでしんみりしても仕方ないよな、うん。

 

「……オレたちもそろそろ行きましょうか?」

 

「えぇ!」

 

「うんっ!!」

 

にこちゃんと花陽ちゃんは元気よく返事をし、そのままみんなの後を追いかけるように屋上に向かった。

 

 

 

 

 

 

屋上へ向かうとみんなはストレッチをしていた。

 

にこちゃんと花陽ちゃんもすぐにストレッチを始め、それが終わると明日の本戦にて使用する曲を流しつつ何度も何度も振り付けやフォーメーションの確認を行った。

 

「ラスト!ポージングまで気を抜かずに!!」

 

「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」

 

みんな汗を流しながら返事をしてからラストのポージングをキレイに決める。

 

「OK!それじゃ少し休憩にしよう!!」

 

パンパン、と手を叩いて休憩を促す。

 

その間にも各メンバーのスポーツドリンクを渡していく。

 

「そーくん、そこのスポーツドリンク取ってくれるかにゃ?」

 

「そぉいっ!!」

 

凛ちゃんはその場に座り込んでスポーツドリンクを要求してきたので、凛ちゃんに向かって軽く放り投げる。

 

「ほら、穂乃果の分だ」

 

「ありがとう……」

 

ちょうど日陰になるところに敷いているマットに座っている穂乃果にもスポーツドリンクを手渡す。

 

「ほい、海未とことりの分も」

 

「ありがとうございます、壮大」

 

「ありがと、そーくん」

 

ことりとは例の一件があったので気まずくなるのかと思っていたら、案外今までと同じように普通に接してきたので今のところ気まずさは感じていない。

 

何というか…女の子って強いな。

 

そんな中、穂乃果は休憩に入ってからというもの言葉を発せず違ったところを見ていた。

 

何を見ているのだろう?

 

日の当たるところにいるメンバーを見てみると……、

 

「えへへ〜♪どうかにゃ?」

 

「すごいよ!凛ちゃん!!」

 

「まったく……、いったい何してるのよ?」

 

ガールズファッションショーの時から練習着にしているスカートを翻すようにスピンし、それを見ていた花陽ちゃんと真姫はそれぞれ異なった反応を見せていた。

 

そして3年生がいるところを見てみると…、

 

「にっこにっこにー♪」

 

「にっこにっこにーっ♪」

 

「に…、にっこにっこにー……」

 

まさかののんちゃんと絵里ちゃんはにこちゃんの代名詞でもある『にっこにっこにー』のやり方を教わっていた。

 

でも、絵里ちゃんの『にっこにっこにー』が少しぎこちなくてにこちゃんからの指導が入っていた。

 

「穂乃果ちゃんっ!」

 

「ふぇっ?」

 

微笑ましい光景を見て心安らんでいると、ことりが叱るような口調で穂乃果を呼んでいたのでそちらを見る。

 

「寂しがっちゃダメ!今はライブに集中!」

 

「そうだね。……でも」

 

でも……なんだ?

 

おもむろに立ち上がった穂乃果は次の瞬間、思いもよらない行動に走った。

 

「ぎゅ~~~っ!!」

 

「わわっ!?穂乃果ちゃんっ!?」

 

「いきなりどうしたんです!?」

 

「急に抱きしめたくなった!」

 

そう言いながらも抱き締める力を強くしていく穂乃果。

 

「私もする~!ぎゅ~~っ!!」

 

抱き締めているうちにことりも便乗し、穂乃果と同じように海未と穂乃果を抱きしめる。

 

「穂乃果…。ことり…。苦しいですよ……」

 

「そーちゃんも一緒に混ざろうよ!!」

 

「いや…、オレは……」

 

遠慮気味に穂乃果たちから距離を置こうとするも、最も近くにいたことりがオレの腕を掴んできた。

 

「つっかま~えたっ♪」

 

「ちょっ…!ことり……!!」

 

手を離して貰おうと説得するよりも早く互いが互いを抱き締めている3人の中に引き摺り込まれてしまった。

 

「えへへぇ…、ぎゅ~~っ!」

 

「ぎゅぎゅぎゅ~~~っ!」

 

「壮大…!お願いですから離れてください…!」

 

「そういうのはことりと穂乃果に言ってくれ……!」

 

ことりと穂乃果に抱き締められ、困り果ててしまった海未とオレはただただ2人が満足するまで抱き締められ続けるしかなかった。

 

 

 

 

休憩明け、もう1度振り付けやフォーメーションの確認を取ったところで明日は本番ということで練習を早めに切り上げた。

 

「あ〜あ、もう練習終わりなのかぁ……」

 

凛ちゃんが少しだけ名残惜しそうに呟く。

 

「まぁ、こればかりは……」

 

「仕方ないよ凛ちゃん…」

 

「そうよ。明日に疲れを残しちゃいけないからね」

 

「ふふっ…。そうだね…」

 

ことりがそう言ってからオレたちは何も喋らず歩き、校門の前まで歩いていく。

 

「じゃあ明日!みんな時間間違えないでね?」

 

「そうですね。それでは穂乃果のところには私が電話しますね?」

 

「凛には私がするわ」

 

「オレはどっちも心配だから2人に1時間が経つ毎に連絡しよう」

 

「もうっ!2人とも!!遅刻なんてしないもん!」

 

「そうにゃそうにゃ!!それにそんなに連絡しなくても1回で充分だにゃ!!」

 

穂乃果と凛ちゃんのツッコミを聞いてみんなが笑う。

 

オレはただ2人が心配だからこんなことを言ってるのに…。

 

「あっ……」

 

歩行者専用の信号が青に変わり、みんなで横断歩道に1歩足を踏み入れようとしたところで花陽ちゃんが何かに気付いて小さく声を上げた。

 

「花陽ちゃん?どうかしたのか?」

 

「もしかしてみんなで練習するのって……、これが最後なんじゃ…」

 

「「「「「「「「あっ…」」」」」」」」

 

それを聞いたみんなも足を止め、青になっていた歩行者専用の青信号も点滅してから赤信号に変わる。

 

花陽ちゃんが呟いた事実にみんな閉口してしまう。

 

「ダメよ!」

 

にこちゃんただ1人除いて…。

 

「ダメよみんな!今はラブライブに集中よ!!」

 

「えぇ…わかってるわ!」

 

にこちゃんの言葉を聞いて絵里ちゃんは返答する。

 

「じゃ、行くわよ?」

 

信号もまた赤信号から青信号に変わったので今度はにこちゃんを先頭にしてまた歩き始めようとするが……、

 

「何いつまでも立ち止まってるのよ?」

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

みんな立ち止まったまま誰1人として動こうとしなかった。

 

「そうだ!」

 

穂乃果は手のひらをポン、と叩く。

 

こんな重苦しい雰囲気を吹き飛ばすような何かいいアイディアが浮かんだようだ。

 

「みんなで神田明神に行かない?」

 

まさかの神田明神へ行くことを提案してきた。

 

「なんでまた……?」

 

「えへへぇ…、いいからいいから!!」

 

穂乃果を先頭にしていろんな思い出が詰まった神田明神に向けて歩みを進めることにした。

 

……一体何をしようって言うんだ?

 

 

 




実のところ『ようやくここまで来た』という感情と『ここまで来てしまった……』という感情の板挟みになってます。

でも!ここで折れてちゃライブシーンなんて書けないですよね!

1話1話終わる度に気合入れていきたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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