ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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刻一刻とラストライブが近付いてきました。

ラストライブの時のタイトルが思い付かないです…。

そんな話はさておき……、第73話をどうぞ!!



第73話 いざ、会場へ!

ラブライブ本戦当日の朝。

 

オレは気持ちいいくらいパッチリと目が覚めた。

 

ムクリと起き上がり、枕元に置いてあるスマートフォンで今の時間を確認する。

 

昨夜あらかじめセットした目覚ましのアラームが鳴り出す5分前だった。

 

「……」

 

二度寝が出来る時間でもなかったので、そのまま起きることに。

 

いつの間にか布団に侵入してオレの腕に抱き着くように眠っていた穂乃果の手を優しく放し、他のみんなも物音で起こさないように注意して布団から這い出る。

 

遮光カーテンを開けないように注意しながら窓から外を見てみる。

 

まだ少し薄暗いが、僅かに太陽が顔を覗かせているのが見えた。

 

「……」

 

ボーッとしていても仕方ないので上着を持って部室を出て、近くの水道で顔を洗う。

 

キンッキンに冷えた水で顔を洗い、完全に目を覚ましたオレは上着を羽織ってからみんなの分の朝メシを作るために調理室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

人数分の朝メシを作ったので部室まで運ぶのに時間がかかったものの、10セット目の朝メシを何とか運び終える。

 

みんなが寝ているスペースに繋がるドアを開けると、穂乃果が布団から出るところだった。

 

「穂乃果、おはよ」

 

「おはよ。起きるの早いね」

 

「何だか目覚めがよくてな。悪いんだけどみんなを起こしてくれるか?」

 

「任せて!」

 

元気よく返事をして穂乃果はみんなのところに向かうのかと思っていたら、向かった先は遮光カーテンが引かれた窓へ。

 

……何をするつもりだ?

 

疑問に感じていたら穂乃果はカーテンを思いっきり開け、燦々と輝く太陽の光を部室の中に送り込みながら大声を張り上げた。

 

「みんな!起っきろ〜!!!」

 

「眩しい……」

 

「カーテン閉めてぇ……」

 

みんなは突然の光に目を擦ったり、目を手で隠し太陽光を遮ったりした。

 

でも、やがて目を覚ましたみんなは布団から起き上がる。

 

「みんな、おはよう。起きてすぐは入らないかもしれないけど朝メシ出来てるから顔を洗うなり歯を磨くなりしてから各々朝メシを食べてくれ」

 

「「「「「「「「「は〜い!」」」」」」」」」

 

元気よく返事したみんなは顔を洗いに行ったり歯を磨きにいったりするため一旦部室から出ていく。

 

 

 

 

みんなが戻ってきたのを見計らい、朝メシを食べ始める。

 

パンが好きな穂乃果と白米が大好きな花陽ちゃんに対応できるように両方準備し、パフォーマンスの阻害となる脂質を避けるような食事をみんなは美味しいと言いながら食べてくれた。

 

そして…、

 

「壮大、これからみんなでもう一度フォーメーションの確認したりするけど壮大はどうするの?」

 

朝メシで使った食器を洗い終え、部室へと戻ると絵里ちゃんに本番前の練習を見ていかないか?と誘われた。

 

が、オレは静かに首を横に振って笑顔を見せながら答える。

 

「本番直前の練習は9人でやってください。その間にオレは個人的な用事をこなしてきます」

 

「……分かったわ。じゃあ、また出発の時間にね?」

 

絵里ちゃんはそう答え、みんながいるであろう屋上へと向かっていった。

 

絵里ちゃんが屋上へと続く階段を上っていくのを見届け、用事をこなすために昇降口へと向かうため歩き始めた。

 

 

 

 

一旦家に戻ってシャワーを浴びたり身嗜みを整え、立華高校の制服を着ていこうか迷ったけど少しでもみんなとの立場が自然に見えるように高1の誕生日プレゼントとして親父に仕立ててもらったスーツに袖を通してからまた家を後にする。

 

ホントはネクタイを締めた方がいいんだろうけど今日という1日は夜までかかるので少しでも楽な状態でいたい、という個人的な理由でまだ締めていない。

 

家を出てからしばらく歩いているが親父に仕立ててもらったスーツなだけに、なかなかに気心地がいい。

 

そして個人的な用事があると言ってまで音ノ木坂学院を抜け出し、立ち寄った場所は神田明神の男坂の石段。

 

思えばμ'sという名前を授かる前に行っていた練習場所の原点と言えばこの石段だった。

 

ここで毎日のように基礎体力強化のトレーニングを行った。

 

勝手に使わせてもらってもここで働く巫女さんや神主さんは嫌な顔をせず、快く貸してもらった。

 

……のんちゃんの口利きも少しはあったかもしれないが。

 

そして年明けの練習では、初詣などで書かれたμ's関連にする多くの絵馬を見て地元の多くの人に応援されていることを知った。

 

他にも多くの事を知ったがいつまでもここで思いに耽っていては集合時刻に間に合わなくなるかもしれないので、石段の一番上に目線を向ける。

 

「1年間使わせて頂きありがとうございました……。みんなの想いをどうか見届けていてください」

 

感謝の気持ちと今日のみんなの決意を代弁するように言葉に乗せ、深々と頭を下げる。

 

下げていた頭を上げ、次の場所に向かった。

 

 

 

 

続いて向かった場所は最終予選が行われた会場。

 

まだ太陽が高く上っているのでゲートには光は灯っておらず、人通りもそれほど多くない場所にやって来たのにも理由がある。

 

この場所で絶対王者のA-RISEと勝負し、勝利を手にした。

 

その時入院していた病院先でみんなのライブを見届けていたオレはみんなのライブパフォーマンスは人に元気と勇気を与えるだけではなく、感動も与えられることを知った。

 

そんな場所でもオレは神田明神の時と同じように頭を下げる。

 

「ここでライブをしてみんなが大きく成長できました。そんな機会を頂きありがとうございました」

 

道行く何人かの通行人に変な目で見られたけど気にも留めず、頭を上げたオレはμ'sにとってとても大切な場所であるところへと向かった。

 

 

 

 

 

最後に向かったのは音ノ木坂学院内にある講堂。

 

そのステージのど真ん中にオレは立った。

 

講堂と言えば……言わずと知れたファーストライブの会場でもありμ's再結成ライブの会場だ。

 

ファーストライブでは音ノ木坂学院のほとんどは見向きもされなかったが、それでも期待してくれている人に向けて想いを歌に乗せた。

 

そして再結成ライブ。

 

オレはその時立華高校の屋上にいたのでそのライブを見た訳では無い。

 

実際に知っているのは再結成ライブの時の心境を聞いただけにしか過ぎないが、どうやらメンバーのみんなは穂乃果がことりを連れ戻ってくることを信じて疑わなかったらしい。

 

戻ってきたのはかなりギリギリだったみたいだけど……。

 

それでも『絶対に連れ戻ってくる』と信じていた7人と『絶対に連れ戻す』と決意した穂乃果と『その想い』に見事応えたことり……合わせて9人の間に固く結ばれていた絆がまたこうして再結成へと導いてくれたんだ、とオレは勝手に思っている。

 

μ'sのみんなにとって格別な想いが込められた講堂にも先程と同じように頭を下げる。

 

頭を上げ終えると同時にスマートフォンに着信が入り、集合時間が近付いていることを告げる。

 

やれやれ…、もう時間なのか……。

 

1人で苦笑いを浮かべながらみんなが待つ校門へと足を運ぶ。

 

 

 

 

「お待たせしました」

 

「あら、学校内にいたの?用事があるって言ってなかった?」

 

「全部片付けてきましたよ」

 

昇降口を出て校門に向かって歩いていくと絵里ちゃんが少し驚いていた。

 

「壮くんは何でスーツなん?」

 

「ムカつくほど様になってるわね……」

 

「何だかそーくんがスーツ着てると高校生に見えないにゃ!」

 

「高校生ってよりも大学生に見えるよね……」

 

「壮大、そのスーツ似合ってますよ」

 

「そーくん自体の素材がいいからカッコよく見えるね!」

 

「というか別に制服でもよかったじゃない……」

 

みんなそれぞれオレの服装の意見を言っていく。

 

って、あれ?

 

「穂乃果はどこ行ったんですか?」

 

「あぁ…、穂乃果なら……」

 

__ごめ~ん!みんな~!!

 

よく通る声で謝りながら昇降口から走ってきた。

 

「お待たせ!」

 

「穂乃果、遅いですよ!」

 

海未が穂乃果を叱ったあとみんなと同じようなリアクションを見せる。

 

一通り収まったところで改めて声をかける。

 

「……準備は出来たか?」

 

「うんっ!準備バッチリだよ!」

 

元気よく返事したところを見るとキッチリ調整を済ませたようだ。

 

「じゃあ……行きましょうか!」

 

「「「「「「「「「うん!」」」」」」」」」

 

「おう!!」

 

絵里ちゃんを先頭にオレたちは学校を出ると、ラブライブの本大会が行われる会場に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

「すみません、受付をお願いします」

 

会場入りしてすぐに受付のブースへと足を運ぶ。

 

目の前に座っていたお姉さんがにこやかに笑いながら反応した。

 

「はい!受付ですね!では、学校名とグループ名を教えてください」

 

「東京都代表音ノ木坂学院スクールアイドル……μ'sです」

 

「μ's…、μ's…。はいOKです!」

 

OKを貰ったのと同時にメンバーの分とグループ関係者専用のタグが手渡され、そのタグを受け取る。

 

「では、代表者のお名前の記入をお願いします」

 

爽やかな営業スマイルと共にボールペンが手渡される。

 

「……これ、メンバーの代筆でもOKですか?」

 

「はい!全く問題ありませんよ!」

 

その返事を聞いたオレはμ'sのリーダーである穂乃果のフルネームを記入する。

 

「これで受付手続きは完了です!頑張ってください!!」

 

「ありがとうございます」

 

受付のお姉さんのエールに感謝の意を述べてから特設ステージの近くにいるであろうみんなと合流する。

 

「こんにちは」

 

「ん?」

 

その途中で声をかけられ、振り返るとA-RISEの3人とUTXの制服を着て立っていた。

 

「ハロ〜松宮くんっ♪キズの具合はどうなの?」

 

「こうして面と向かって会うのは久しぶりだな。それとキミも災難だったな」

 

「お久しぶりです。キズはもう塞がってますよ」

 

優木さんと統堂さんと世間話を交わす。

 

最終予選の時はライバル関係にあったこの人たちにも心配されていたと思うと少し申し訳ない気持ちになる。

 

話を交わしていると綺羅が真剣な顔付きになる。

 

「あと数時間ね。……どうなの?」

 

「オレたちは優勝目指してここまでやって来た。だから、あとは全てをぶつけるだけだ」

 

ありのままの言葉を紡ぐ。

 

それを聞いて3人はそう…、と答えた返事に納得するような反応を見せた。

 

「私たちはμ’sが勝つことを心から信じてる…」

 

「観客席から応援してるから!」

 

「期待しているぞ?」

 

「あぁ。みんなのステージに期待していてくれ」

 

3人のエールを受け、オレもそのエールに答える。

 

その言葉を聞いた3人は満足そうに頷き、A-RISEの3人はオレに背を向けて歩き出した。

 

オレもまたその3人に背を向け、みんなが待つ場所へと歩み始めた。

 

 

 

 

「そーくん!あれ見てみて!!」

 

みんながいる場所に再度合流すると、凛ちゃんが指差している場所へ目線を向ける。

 

指差された先にあるのは特設ステージのスクリーン。

 

そのスクリーンには『Love Live!』とローマ字で浮き上がる。

 

やがてそれがカタカナで『ラブライブ!』と切り変わり、『ラブライブ!』の文字の下に『School idol project』という英字が表示された。

 

「すごいよね?すごいよね!?」

 

この大会がいかに規模が大きい大会であるということがこのスクリーンだけでも充分伺える。

 

「そんなすごいステージに立てるんだ。……ワクワクするだろ?」

 

「うんっ!今からすっごい楽しみだにゃ!!」

 

ニッ、と口角を上げて笑うと凛ちゃんのテンションも飛躍的に上がる。

 

みんなも凛ちゃんと同様でこのステージを見てテンションが上がっているみたいだった。

 

「みんな!今から渡すタグを身に付けたら控え室へ行こう!」

 

「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」

 

オレは1人1人タグを手渡し、みんなの手に渡ったのを確認してから控え室へと向かった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!

現実でもFINAL LIVEが近付いていますね。

行きたかったんですけど落選してしまってはどうしようもないですよね…。


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