ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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お ま た せ。

待望(?)の劇場版です。




The Extra Chapter そして彼女たちは伝説になる
Ex.1 突然の知らせ


みんな部室へと走り出し、花陽ちゃんのスマホの元に届いたメールを便りに部室のパソコンで情報を収集し始めているであろうこの時。

 

オレはみんなとは別の方向へと歩きながら制服の着こなしを正していた。

 

 

 

 

 

「………オレにも見せてくれぇぇぇぇえっ!!!」

 

音ノ木坂学院と立華高校の卒業式があった日。

 

花陽ちゃんが受信したメールを見てすぐに穂乃果を連れてアイドル研究部の部室へ走っていったのをみんなが追いかけていったのでオレも追い掛けていこうとした時の事だった。

 

___ピリリリッ!!!

 

「あぁもう!誰だよこんな時にッ!!」

 

制服に突っ込んでいたスマホが鳴り響き、それがメールではなく電話であることを知らせる。

 

一旦立ち止まって電話に出ようとするが、画面に表示されていた番号は少なくともオレが知っている人物からではなかった。

 

「はい。どちら様でしょうか?」

 

『そう……私だ』

 

「……あなただったんですか」

 

『暇を持て余した……』

 

「神々の……」

 

「『遊び』」

 

「……って何やらせてるんですか、校長先生」

 

電話の相手はまさかまさかの立華高校の校長先生だった。

 

校長先生が訳の分からないボケをかましてきたので思わずノッてしまったじゃねぇか。

 

『キミは意外とノリがいいんだな』

 

「私も立華高校の生徒の1人ですからね」

 

先生も生徒もネジがブッ飛んでる人間が多い立華高校に2年もいれば誰だってボケにすぐさまノれるようになる。

 

ちなみにどこのネジがブッ飛ぶかは想像にお任せする。

 

「どうかされたんですか?」

 

『キミは今何処にいるんだい?』

 

「音ノ木坂学院の前です」

 

『なら、話が早い。大至急音ノ木坂学院の理事長室へ来なさい』

 

用件だけ伝えると校長先生はブツッ!!と乱暴な切り方で一方的に電話を切ってしまった。

 

用件を聞いてしまった以上立ち止まっていても仕方ないので目的地をアイドル研究部の部室から理事長室へ変更し、急いで向かった。

 

……っていうか校長先生はなんでオレの電話番号知ってたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

制服のネクタイをしっかりと締め直したのとほぼ同時に着いた理事長室の重厚なドアの前に立ち、ノックを3回。

 

『はい、どうぞ』

 

比奈さんの声が聞こえたので理事長室へ入る。

 

そこには比奈さんと校長先生の姿があった。

 

「校長先生が何故ここに……?」

 

「その説明は私からするわ」

 

校長先生の代わりに比奈さんの口から説明が始まった。

 

「まずはこちらを見てもらえるかしら?」

 

比奈さんから差し出された2つの封筒を渡され、受け取って封筒を見る。

 

「エアメール……ですか」

 

海外勤務の両親から極稀に送られてくるのでエアメールの封筒自体には驚きはせず、くまなくチェックしていく。

 

赤と青と白で縁取られており、宛名はそれぞれ『Director Otonokizaka High』『Sota Matsumiya』と書かれていた。

 

差出人は『Federation of Love Live』……!?

 

まさか……!!と思い、顔を上げる。

 

「察しがいいわね。これらは通称()()()()()()()からμ'sとそのアシスタントであるあなたに宛てられた手紙よ」

 

「この手紙は音ノ木坂学院卒業式の式典中に届いたらしくてね。μ'sの本籍は音ノ木坂学院(ここ)だがキミの本籍は立華高校だということで立華高校の最高責任者である私が学校を代表してここにいる、というのがキミの質問の質問の答えさ」

 

「……今ここで中身を確認してもいいですか?」

 

「えぇ。いいわよ」

 

失礼します、と声を掛けてから自分宛の手紙の封を切ると数枚の便箋と筆記体で自分の名前が刻まれたIDタグが入っていた。

 

その中から便箋だけを取り出してザッと目を通していく。

 

内容は全て英語で記されており、頭の中にインプットされている英単語を総動員させて大雑把にだけど和訳していく。

 

概要を読み始めて十数分。

 

「……随分とまた思い切った事を計画しているみたいですね」

 

ようやく読み終えたオレは今一度顔を上げ、事の大きさのあまり驚きを隠し切れない。

 

ラブライブ連盟の意向としてラブライブ第3回大会開催を早くも検討しており、会場を前回大会まで行っていた特設アリーナから球界の盟主と言える球団がフランチャイズ指定しているドーム球場へ移行することを計画を進めているらしい。

 

それと同時につい先日アメリカのテレビ局からスクールアイドルの特集とライブオファーの依頼があったらしく、ドーム開催の先駆けだと睨んだ大会事務局は第2回大会優勝グループであるμ'sに白羽の矢を立てた。

 

そしてこの一連の動きに対し、音ノ木坂学院の生徒ではないがμ'sを第2回大会において優勝に導いた功績が認められて特例中の特例で期間限定ではあるがラブライブ連盟特別派遣アシスタントとしてμ'sのアメリカ派遣の引率をしてほしい、との事だった。

 

「大会事務局側が最も恐れているのはアメリカでのライブ及びスクールアイドルPRの失敗。このライブが失敗すればドーム開催はおろか第3回大会の開催が限りなく遠いものになってしまうわ」

 

それを防ぐため派遣アシスタントとしてメンバーのメンタルを出来るだけニュートラルにしてライブの成功に導くのがオレの役割、といったところか…。

 

異国の地で浮き足立ってる常態でライブをやったところで失敗するのが目に見えている。

 

だから大会事務局はオレを派遣アシスタントとして海外ライブを行うμ'sメンバーをサポートしてやれ、ってのがあちら側の意向らしい。

 

「校長先生」

 

「行ってきなさい」

 

「……へっ?」

 

本題を切り出す前に校長先生がGOサインを出したので、自分でもどうやって出したのか分からないくらいすっとんきょうな声が出た。

 

「いいんですか……?」

 

「キミが彼女たちの支えとなっていた事は私も知っているよ。だから今のキミに求められているのはスクールアイドルの良さを全世界に伝えようとする彼女たちを支えること……なら、キミがやるべき事は1つしかないだろう?」

 

__キミもμ'sのみんなと一緒にアメリカに行ってきなさいライブの成功に導く事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、遅くなった」

 

「そーちゃん!大変なことが起きたんだよ!!」

 

アイドル研究部の部室のドアを開けるとみんながパソコンに向かっていたが、ドアが開く音を聞いて真っ先に反応した穂乃果が興奮冷めやまぬ様子で近付いてきた。

 

「分かってる。第3回大会がドーム開催を検討してるってことだろ?」

 

「壮大はこの事知ってたの?」

 

にこちゃんがビックリした様子で恐る恐る聞いてきたが、その問いに首を横に振って否定する。

 

「いいえ?ついさっき理事長室に呼び出されて知らされました。ですが、そこで話していた事は実はドーム開催の事だけじゃないんです」

 

「……どういう事ですか?」

 

「その話の続きは私がしてもいいかしら?」

 

「お母さん?」

 

「「「「「「「「「理事長?」」」」」」」」

 

いつの間にか背後にいた比奈さんが例のエアメールを持って顔を覗かせていた。

 

「絢瀬さん。まずはこれを読んでくれるかしら?」

 

「はい……えぇっ!?」

 

「エリー?……これ本当なの!?」

 

英語に強い絵里ちゃんと近くにいた真姫が便箋を読み、驚きのあまり口をパクパクさせて言葉にならない様子だった。

 

「そう。ラブライブ連盟からμ'sへアメリカにてスクールアイドルのPRとライブパフォーマンスのオファーが届いたんだ」

 

「「「「「「「アメリカ!?」」」」」」」

 

いきなりのスケールの大きさにみんなは声を揃えて驚いた後、期待に胸を踊らせる者もいれば理解に追い付けず戸惑いを隠せない者が現れ、花陽ちゃんに至っては顔を真っ赤にしてショート寸前になっていた。

 

だが、ここで海未が疑問を挙げた。

 

「ですが私たちがアメリカに行ってる間壮大はどうするのですか?」

 

「まさかそーちゃんだけ1人寂しく日本でお留守番!?」

 

「可哀想なそーくん……かわいそーくんだにゃ」

 

「フフッ……実は壮大くんはラブライブ連盟から特例を受けて派遣アシスタントとしてあなたたちのアメリカ派遣に同行することになったのよ?」

 

理事長の話を聞いたみんなは今日一番の大声が校内に響かせた。

 

 

 

 

 

アメリカ派遣時のオレの待遇やらみんなの意思を聞いたりみんながアメリカ派遣に行く意思を見せたりして、なんやかんやあって音ノ木坂学院を出て帰る頃にはすっかり夕方になっていた。

 

「今日は何だかいろんな事があったねぇ」

 

「とても卒業式があったなんて感じじゃないよな」

 

恋人繋ぎで繋いだ手を大きく振られながら穂乃果と一緒に帰りながら今日1日の事を話す。

 

「みんなでアメリカかぁ……。楽しみだな~っ」

 

「楽しみにしてるところで悪いんだがやんなきゃいけないことあるだろ?」

 

「やらなきゃいけないこと?」

 

「最低限の英語を話せるようにならなきゃいけないだろ」

 

『英語』と聞いた途端に穂乃果の表情が苦いものになり、顔や握られている手に冷や汗みたいなものが感じ取れる。

 

逃げ出そうと恋人繋ぎを解こうとする穂乃果の手を痛さを感じさせない程度の力加減でガッチリ繋いで離さない。

 

「そーちゃん。その手を放してくれるとすごく嬉しいなぁ……」

 

「この手を放したらお前逃げるだろ?幸い手も繋いだままなんだしこのままオレの家で英会話の練習でもするか」

 

「そーちゃんの鬼!悪魔!!ドS!!」

 

「ありがとよ。最高の褒め言葉だ」

 

嫌がり駄々をこねる穂乃果をあしらいつつ家に帰ったのであった。

 

 




今回は短めに。

次回からまた通常通りの文量に戻します。
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