ラブライブ!~Miracle and Track~ 作:K-Matsu
早速ですが、どうぞ。
眩しい太陽の光がホテルの部屋に射し込む。
結局昨夜部屋に戻ってからノートに記されていた見慣れてない譜面の事が気になって気になってどうしようもなかった。
真姫には『気にするな』とは言われたけど何か特別な想いがあるのではないか、と深く考えて込んでしまった結果あまり眠れなかった。
時計を見ると朝練が始まる30分前だったので滞った考えと眠気を吹っ飛ばすため、気付け代わりのシャワーを浴びることにした。
シャワーを浴び終え、ランニングできるような服装に着替えてから近くの公園に行くとみんなのびのびとリラックスした様子で走る前の準備体操をしていた。
……2人を除いて。
「………」
まずは絵里ちゃん。
恥ずかしさから来る物なのかはたまた別の原因があるのか頬を赤く染め、ジト目で穂乃果とにこちゃんを睨み付けていた。
「?……どうかしたのか?」
何で絵里ちゃんが一言も喋らず穂乃果たちを睨んでいるのか分からないので、事情を知っているであろう2人に聞いてみた。
「実は絵里ちゃんが寝言で『おばあさま……』って言ってたのを聞いちゃって……」
「絵里ってば甘えん坊さんなんだからっ♪」
「にこ!!!」
「ヒィッ!?」
恥ずかしさのキャパを越えた絵里ちゃんがにこちゃんとの間合いを詰めようとするが、にこちゃんはオレを盾にするように後ろに隠れた。
うっわ、今の絵里ちゃんめっちゃ怖い。
心なしか白のリボンで纏めたポニーテールがツノのように見える。
「壮大そこを退きなさい。にこにオシオキしなきゃいけない使命が果たせないじゃない」
「おおお……落ち着いてください!この事はオレたち4人だけの秘密にしときましょ?勿論オレもこの事を使って脅すつもりも無いですから!」
「……ホントに?」
バブルヘッドみたいに激しく首を動かし、嘘偽り無いことを文字通り態度で示す。
しばらく睨まれ続けていたが、観念したように絵里ちゃんは溜め息をついた。
「……分かったわ。壮大に免じて今回の事は不問にするわ」
後ろにいたにこちゃんはホッと安堵の溜め息をつき、適当にあしらってから次なる問題へと取り掛かる。
「ねぇ海未……いつまでそうしてるつもり?」
海未は大木に隠れ、近くでいつでも走れる体勢になってる真姫の質問を無視して警戒体制に入っていた。
警戒するあまりキョロキョロと周りを見ているけど、その行動が逆効果になっているの気付いてるのか?
そんな様子を見ながら海未の元へ歩み寄る。
「そんなに警戒しなくてもいいんだぞ?」
「ですが……」
「昨日と違ってみんなもいるしオレも近くにいるから……なっ?」
安心させるように語りかけ、しばらく葛藤した後に大木の陰から出てきたのを見計らって少し強引にだけど海未の手を掴み、みんなの元へと戻る。
強引に繋いでおいて意外にも小さくて柔らかい海未の手にドキドキしてしまったのは秘密だ。
「よし!行きましょう!!」
「えぇ!それじゃあ行きましょう!!」
「出発にゃーっ!!」
絵里ちゃんの合図を聞いて凛ちゃんが軽快なステップを踏んだと思ったら先陣を切って走り出した。
「凛ちゃん元気やね!!」
「そうね!」
「よぉしっ!凛ちゃんに続けーっ!」
オレたちも少し遅れて凛ちゃんの後を追うようにして、公園内のランニングコースを走り始めた。
走っている間に吹き始めたそよ風がとても心地よく、凛ちゃんの後ろを走っていたオレはチラリとみんなを見てみるとみんなも楽しそうに走っていた。
視線をメンバーから周りの様子へ移してみるとオレたちのように走っていたり、夫婦でウォーキングしたりお喋りしながら犬の散歩をしたりと日々の生活を楽しんでいるのと同時に周辺の治安の良さに感心する。
途中すれ違うオレたちに日本語で挨拶してきたりするなど異国の人間にも友好的に接してくれるので地域みんな同じ考えを持っているんだな……と少し感慨深くなる。
その後も心地よいペースで走っていると広場に出た。
「うわぁ……!見て見て!こんな所にステージがある!」
凛ちゃんがピョンピョン跳ねながらはしゃいでいたので、そちらへ向かうと細部まで彫刻が行き届いた大理石で出来たアーチがある少し大きめのステージがあった。
「ここでちょっとしたコンサートでも開いたりとかするのかしら?」
「かもしれないですねぇ……」
絵里ちゃんの言う通りチェロやバイオリンなどの楽器を演奏する野外コンサートが定期的に開催されてるのかもしれない。
それだけキレイに清掃されているステージだ。
するとのんちゃんがワクワクした様子でとある事を提案してきた。
「みんなでこのステージに上ってみぃひん?」
のんちゃんの提案に返事をする代わりにみんな横一列になってステージに上がった。
みんなの髪はそよ風の風下へ向かって伸びており、思わず写真に残しておきたいくらいの絵になっていた。
「……ちょっとだけ踊ってみない?」
今度は真姫がみんなに提案した。
それを聞いたみんなは何も言わずそれぞれ顔を合わせてニコッと笑う。
どうやらみんなの答えは一致しているようだ。
「そーちゃん。いいよね?」
代表して穂乃果が聞いてきたので、何も言わずにGOサインを出す。
『こんにちは!』
「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」
みんなそれぞれ踊り始めようとすると、現地の人だろうと思われる3人の若い女性の方がいた。
3人は穂乃果たちが今からやろうとしている事に興味を持っているような目をしていて、真ん中に立っていたブロンドの娘が流暢な英語で質問してきた。
『あなたたちは日本人なの?』
「イエス!ウィーアー、ジャパニーズ…スチューデント!」
その本来の英語の口調に対して、穂乃果は片言の英語で答える。
するとすぐに隣にいたショートカットの子が尋ねてきた。
『何のパフォーマンスをしようとしてたの?』
少しネイティブが入った英語で聞かれ、穂乃果や他のみんなでさえも何を言っているのか分からない様子だった。
「……なんと言っているのですか?」
「とりあえず怒ってはないみたいだけど……」
「……それは見れば分かります」
……仕方ない。
穂乃果の代わりに答えようと口を開いたところで意外な人物が穂乃果に聞かれた質問に答えた。
『私たちはμ'sっていうスクールアイドルなの!』
『スクール……アイドル?』
のんちゃんだ。
のんちゃんも現地の人に負けないくらい流暢な英語で質問に答えた。
初めて聞いた言葉だ…といった驚いた表情を見せる3人だったが、初めに質問してきたブロンドの娘が笑いながら話した。
『何か面白そうね!』
『今日本ではスクールアイドルが有名なんよ』
『へぇ~!次日本に行くときまで勉強しておくよ!』
その後も軽く雑談してから彼女たちは『楽しんで行ってね』『いろいろ見て行ってね』と言い残し、どこか行く場所があるのか立ち去っていった。
後ろ姿が見えなくなるとことりと凛ちゃんがのんちゃんの英会話能力について褒めており、当の本人も少し照れ臭そうにしていた。
「そろそろ軽く練習しようか。……穂乃果?」
「ふぇっ?あっ……、ごめんごめん。ちょっとボーッとしてて……」
少しボーッとしていた穂乃果は自分を律するように両頬を叩いて気合いを入れ直し、改めてステージに立った。
「よぉしっ!それじゃそーちゃんよろしく!!」
「あぁ!!」
アメリカの空気に馴染むようにリズムを取り、アメリカの空気に溶け込むようにみんなは楽しそうにステージの上で踊り始めた。
練習を終え、シャワーを浴びてとある物と外出できる準備とを整えてから朝メシを済ませてフロントにカードキーを預けてからロビーで待っているとチラホラとだけど揃って来た。
レストランのテイクアウトコーナーに置かれていたコーヒーを飲み終え、みんながいるところへ行くと穂乃果が待ちきれない様子でその場でウズウズしていた。
「最初にどこに行きましょうか?」
「やっぱり……自由の女神像かな?」
「それがいいにゃ!!」
ホテルから出てから行き先を聞いてみると自由の女神に行きたいと提案したのはことりで、凛ちゃんが賛成するようにはしゃぐ。
「他に意見はありませんか?」
「まずは自由の女神を見に行きましょ。時間はたっぷりあるんだから!」
にこちゃんが言ったことに同意するようにみんな一斉に頷き、異議は無いようだ。
「それじゃ自由の女神像に行きましょうか!」
「「「「「「「「「は~い!!」」」」」」」」」
「ハハッ、まさかここまでとは……」
「そうですね。大きいことは知ってましたが……」
呟きを海未が拾って同意してくれた。
電車やフェリーなどを使って自由の女神像の足元までやって来たオレたちは目の前にそびえ立つ巨大な自由の女神を見たみんなは驚きを隠せず、オレも思わず笑いが込み上げてくる。
「ここで来た記念としてみんなで写真を撮りましょ!」
「いぇ~いっ!」
絵里ちゃんが言い出す前に既に穂乃果はことりにカメラを持たせてポーズを決めて写真を撮って貰っており、他のみんなも女神像をバックにして写真を撮っていた。
オレもそんなみんなの様子を少し離れたところからカメラやスマホに収めていく。
ある程度時間が経つと穂乃果がオレの元に近付いてきた。
「どした?」
「そーちゃんも一緒に撮ろっ!」
オレの手首を掴んでみんながいる輪の中へ引っ張られながら加わった。
どうやら集合写真を撮るみたいで現地の人にカメラやスマホを渡したところにオレが合流したみたいだった。
「みんな~!そーちゃん連れて来たよ!」
「壮くんは真ん中決定やね!!」
「そーちゃんの隣もーらいっ!」
「ことりももーらったっ!」
「あ~っ!2人ともズルいにゃーっ!!」
キャイキャイ言いながらどのポジションで撮って貰おうか決めていっている様子を見たり聞いたりしてると女子校の先生ってこんな感じなのかなぁ……と勝手に女子校が勤務先である男の先生に心の底から同情する。
『それじゃ撮りますよ~』
「せ~のっ……」
「「「「「「「「いぇ~いっ!」」」」」」」」
__パシャッ!!!
撮ってもらったお礼をみんなで言ってからすぐにグループのチャットで今の写真が添付されたメッセージが来た。
みんないい笑顔で写っており、あまりにもいい写真だったのですぐに今の写真をトップ画面になるように設定した。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
私事ですが久々に実家に帰りました。
地元のサマースキー大会や駅伝大会に出たりして充実した帰省になりました。
高校を卒業して以来会ってなかった仲間たちに会えて嬉しかったです。
実家に帰れる時は帰った方がいい、と思い知らされた帰省でした。