ラブライブ!~Miracle and Track~   作:K-Matsu

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お陰さまでユニーク15,000を越えました。

これも読んでくださった読者皆様のお陰です!

今回のお話は主人公とツンデレお嬢様との出会いのエピソードです。

それでは、どうぞ!!


『UA1.5万感謝御礼企画』 時には昔の話を

ーーピンポーン!

 

「はーい!」

 

食材を買いに行こうとした土曜日の夕方に差し掛かろうとしている時間に、唐突にインターホンが鳴った。

 

ネットショッピングでのお買い物もしてないし、親からも海外からのお土産を送ったという話も聞いていない。

 

誰だろう?と思い、ドアを開けると意外な人物が立っていた。

 

「……真姫?どうしたんだ?」

 

「えっと……、今日から明日にかけてパパとママが学会に行ってていなくて使用人の人も急にこれなくなったって……」

 

「だからオレの家に駆け込んできた……と」

 

真姫は涙を浮かべながら、小さく頷く。

 

「だから泊めて欲しいんだけど……、ダメかしら?」

 

涙目に上目遣いでお願いされた。

 

「凛ちゃんや花陽ちゃんの家に行ったらいいじゃねぇか」

 

「お願いしてみたんだけど、今日明日だけは無理だって……」

 

こりゃまた都合が悪いときにぶつかっちまったのか……。

 

1つ都合が悪いことが起きると立て続けに起きるものとはよく言ったものだ。

 

現に目の前に立つ幼馴染も、たらい回し(?)にされて駆け込み寺のようにオレん家にやってきたのだろう…。

 

オレは溜め息をついてから、ドアを解放する。

 

「別にいいけど、これから買い物しに行かないと食べるものがねぇぞ?」

 

「そうなの?」

 

「これから行こうと思っていたときにキミが来たって訳だ」

 

「なら、私も行きたいから一緒に行きましょ?」

 

泊まっていってもいいと解釈し、後ろから後光が見えそうなくらい明るくなった幼馴染の手に引かれて近所のスーパーへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

夜メシはリクエストにお応えして、ミートソーススパにしてみた。

 

オレも最近知ったんだが、ミートソースとボロネーゼの違いはトマトの使用量の差なんだそうだ。

 

ミートソースの方がトマトをふんだんに使っていて、ボロネーゼはトマトの使用量はミートソースの大体半分でパスタの本場イタリアでは基本的にミートソースとは言わないらしい。

 

「ごちそうさま」

 

「意外と食べたな…」

 

普段の1.5倍は食べたんじゃないか?

 

それに本人は気付いていないだろうけど、ほっぺにはさっきまで食べていたミートソースがついている。

 

「食後のコーヒーはいかがなさいます?」

 

「少し甘めにお願いできるかしら?」

 

「へいへい…」

 

 

 

食後のコーヒーを飲んでいるとき、こちらを見ているのに気がついた。

 

「どうした?」

 

「あ、いや…なんでもない」

 

声を掛けたらまたコーヒーが入ったマグカップに視線を落とした。

 

「なんでもないってことはないだろ?さっきからチラチラこっち見やがって…。そんなに話しにくい内容の話なのか?」

 

「そういう訳じゃないけど……、はぁ…。」

 

真姫はマグカップを置いて、一呼吸してから本題を切り出してきた。

 

「あなた、私と初めて会ったときの事覚えてる?」

 

初めて会ったときの事か…。

 

過去の記憶を遡り、答えに辿り着いた時ふと目の前に座る幼馴染を見ると唇をキュッと噛み締め、またマグカップに視線を落としていた。

 

「確か西木野総合病院の子どもの遊び道具とかが置いてあるスペースだったっけ……」

 

 

 

 

 

~Side 西木野 真姫~

 

 

壮大と初めて出会った時の事を思い出していた。

 

あの時のことは私は忘れはしない。

 

まだ4歳くらいの時だった。

 

私はママに手を引かれながら保育園からパパとママが働いている病院に連れて来られて、仕事が終わるまでここで遊んで待っていなさいと言われ、遊び道具が置かれているスペースに一人取り残された。

 

今となってはパパやママには悪いと思っているが、そこのスペースに置かれている絵本や遊び道具は粗方遊び尽くしたのでとても退屈な時間になってしまっていた。

 

何をしようかと迷っていた私だったが、一人の男の子が私がいるスペースに入ってきた。

 

「こーんにーちはーっと……うぉっ!?」

 

その男の子は挨拶をしながらスペースに入ってきたのだが、私を見て驚きを隠せずその場から1歩後ろに下がった。

 

「なぁんだ、おれだけじゃなかったのか…一人だったらここでねてようとおもってたのに……」

 

男の子は一人でぶつくさと一人言を言ってたんだっけ……。

 

「あなたは…、だれ?」

 

人見知りだった私は勇気をもって男の子に聞いてみた。

 

今考えるとあなたは誰?って聞いたら普通は怒るだろうけど、その男の子は怒りもしないで私に名前を教えてくれた。

 

「そうた…、おれは『まつみや そうた』っていうんだ。きみのなまえは?」

 

「にしきの…、まき…」

 

「まきちゃん?うーん、いいづらいから『きーちゃん』だ!」

 

私の事を初対面で『きーちゃん』と呼んだのは後にも先にもこの壮大だけだ。

 

今思うと酷い渾名だと思う…。

 

けど、その当時は西木野総合病院の娘ってだけで色々と制約がかかる生き方だったから、むしろ初めて渾名で呼ばれたことが心地よかった。

 

「きーちゃん、このパズルやってみない?」

 

壮大がとことこと私の隣に座り、手に持っていたのは400ピースのジグソーパズルとパズルをするためのパネル。

 

小さい子どもが来ることの多いこのスペースの隅っこにひっそりと眠っていた物だ。

 

当時の私もチャレンジしてみたが、余りにも難しすぎて出来ずママに泣きついた事もあった。

 

けど、壮大はこのパズルをやってみないか?と私を誘ってきた。

 

もしかしたら、2人でなら出来るかもしれない…。

 

そう思い、私は頷いた。

 

それを見た壮大はパネルを置いて、そのすぐ横にパズルのピースをばらまき協力してパズルを解き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「これ、ここ……」

 

「そっか。ならこれはここじゃない?」

 

パズルを解き始めて1時間くらい経った。

 

残り20ピースくらいになった時だった。

 

「真姫ー!そろそろ帰るわよー!」

 

「壮大!俺が母さんに怒られちまうから早く帰るぞ!!」

 

私のママと壮大のお父さんが私たちがいるスペースに入ってきた。

 

せっかくここまで解いたのに帰らないといけないの?と思い、幼い私は声をあげて泣いてしまった。

 

その姿をママはどうしていいのか分からず、おろおろし始めた。

 

泣いてる私を慰めもせずに、歩いて大人2人のところにいった壮大は帰ってしまうのかと思ったが実際は違った。

 

「とーさん、きーちゃんのおかあさん……でいいのかな?あとすこしでパズルができそうなんだ。もうすこしやらせてください」

 

って言ってくれた。

 

それを聞いたママと壮大のお父さんは、近くにあったイスに座って私たちがパズルを解き終わるまで待ってくれた。

 

そして解き終わったパズルを2人に見せ、そのパズルはしっかりとアクリル板で封をして近くの棚の上に飾ってもらって壮大のお父さんが何故かカメラを持っていて、2人並んで写真を撮った。

 

 

Side out

 

 

 

 

 

「……ってことがあったのよ」

 

そんなこともあったなぁ…。

 

その後、家に帰ったオレと親父は『健康診断だけで何でこんなにも時間がかかってるのよ!!』って親父だけが怒られていた。

 

そして、1年後くらいに真姫の親父さんとオレの親父が高校時代からの同級生だってことを知り、真姫の方が1つ年下だったってことにさらに驚いたり真姫がオレのことを『おにーちゃん』って呼ぶようになったりといろいろあった。

 

でも、何故かあの時だけは帰るなんてこと考えは無かったんだよなぁ…。

 

今となってはその時どう思っていたかなんて分からないけど、きっと声をあげて泣いていた真姫をほっとけなかったんだと思う。

 

「そういえばだけどさ、何でこんな話になったんだ?」

 

すると一度荷物とはまた別のバッグのところに行き、パネルとアクリル板とバラバラになったジグソーパズルを持ってきた。

 

「遊び場の玩具新しくするって言ってて処分されそうになったから、私が無理を言ってパパから貰ったの。……また一緒にやってみない?」

 

「そうだな…、やってみるか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、ラスト1ピースをここに埋めてっと……!」

 

壮大が持っていた最後のピースを埋めると、パズルはあっさりと完成してしまった。

 

時間にして、ものの10数分で出来てしまった。

 

「子どもの頃はかなり時間かかったのに、呆気なかったわね……」

 

「オレも真姫もそれだけ成長したってことなんだろ?」

 

あの頃に比べて背が高くなり、オレはより大人の男性らしく…真姫はより大人の女性らしく成長した。

 

もちろん色んな体験をしてきて、精神的にも成長した。

 

真姫の場合は精神的に成長しすぎて、思ったことを素直に口に出せない性格になってしまったが…。

 

でも、成長しても変わらないものもあるとオレは思ってる。

 

「そうね……」

 

その1つが、目の前に座る幼馴染の微笑みだ。

 

あの時…、パズルが完成した時の笑い合った顔と同じだ。

 

「ところで寝る場所はどうする?なんなら小さい頃と同じように一緒の布団で寝てみるか?」

 

「あら、別にあなたがいいなら一緒の布団でもいいわよ?」

 

え!?まさかの開き直り!?

 

「ちょちょちょ!!そこは顔を赤くして『はぁ!?何で私があなたと一緒の布団で寝なきゃならないのよ!イミワカンナイ!!』って言うところだろ!?」

 

「別に壮大と一緒に寝るくらいなんともないわよ。それともなに?私の知らない間に付き合ってもない女の子に手を出すような下衆な男に成り下がったの?」

 

「まさか!そんな訳ねぇだろ!?」

 

人間の成長期は男性より女性の方が先に来ると言う。彼女もまた例に漏れずにオレよりも一回りも二回りも精神的に成長っていうか図太くなったというか……。

 

「ならいいじゃない。ほら、さっさと行くわよ?」

 

そう言い残し、オレの部屋に向かうため階段を上がっていった。

 

どうやらオレは、先に成長し終えた彼女には頭が上がらないと言うことを悟った。

 

 

そして次の日、朝起きるとオレの上着を掴んで離さないようにして眠っている姿を見てこの辺は変わって無いんだな……と改めて実感させられるのだった。

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

この話を読んでみたいから書いてほしい!という方がいらっしゃいましたら活動報告の方に言ってくれれば、出来るだけ書くつもりでいます!

では、ほんぺんの方もよろしくお願いします!

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