無断休載本当にすみません!
年末で色々ありまして…。
とりあえず本編どうぞ…
Side 九尾
クインケと赫子のすれ違い、大きな火花を散らしながら敵を絶命させるべく、クインケは首を切断させようと、赫子は心臓を貫こうと迫る。
そして、決着は大きな血飛沫によって知らされた。
その血飛沫は、真戸さんの心臓を貫き通したと同時に起きたものであり、貫いた赫子の持ち主である俺が負った傷は、狙われていた首ではなく、肩を抉られていた程度であった。
致死量の血液を流しながら、真戸さんの体は力無く倒れ、水路に流れる水がびしゃんと水音を響かせる。
ああ…、もう嫌だ…。
守りたかったはずなのに、守りたかったものがもう一つの守りたかった者と争い、争う経緯を知りながらも、俺にはなにもできなかった。
守りたかったはずなのに、どちらかを守る為、守りたかった者の片方を……殺した。
失いたくない、その筈だったのに。
他人が壊したのではなく、自分が壊した。
事切れる寸前の真戸さんの、目の前で膝からくずれ落ちる。
真戸さんはこちらを、なにか強い感情を灯した目でこちらを見ていた。
ああそうか、この人の目に映る俺は全てを奪う存在で、自分の命を奪った存在なのだ。
もう戻れないのだろう、真戸さんのわかりにくいブラックジョーク、亜門からの煩わしい程の叱り声、そんな温かくて楽しい日常も、すべては幻想だったのだ。
今の両者啀み合うこの世界では、大切な存在を失いたくないが為、両者傷つけ合い、同種である者とも傷つけ合う世界では……。
そんな世界を俺は憎み、そんな世界を変える事さえできない自分までも憎い。
なら俺はすべての者の憎しみの対象になりたい、できるかなどは知らないがそうすれば、なにか変わるかもしれない…。
もうぐちゃぐちゃになった思考の中、ただ一つだけはわかった、守りたいという気持ちは歪み形が、変わり始めているのだということを……。
絶望する俺の目は、感情を始めから灯していなかった様に、いつまでも続く深淵の様に暗くなり始め…、思考がトマル……。
右目の視界が赫く染まり、左目は暗く陰る。
テキ?、デカイ男だなー??
混沌とした思考の中、デカイ男が殴ってきた。
すぐに吹き飛ばし、近づいて足の骨を踏み潰す。
ああ…、このオト怖いなあー。
嫌いだなー、イラつくなー、ウルセェなー!!
イラつきすぎて殺しておきたくなる!!
鱗赫を引き縮め、振り下ろす…。
だが、目の前でもう1人の人間が刀で防ぎ、軌道を完全に逸らす。
あーあ、逸らされちゃった……。
あっ…、限…界かな……。
また…壊した…、いなー…。
亜門…か、足が折れてるのも全部俺か…。
死んでいなければ大丈夫。
ただ、そろそろ雛実とトーカを連れて逃げないとな…。
流石に不味い…。
俺はすぐにくるりと、身体を雛実達のいる方へと回し、2人を肩に担ぐとゆっくりその場所を去っていく。
複雑な道をゆっくりと進み、外にも近い道へと出ると2人を肩から降ろし、2人を壁に座らせると雛実が目を開いた。
「ん…、はっ!お兄ちゃん?!」
「…おはよう」
Side 雛実
いつの間にか、目を覚ますと共に目の前には、素顔を見せたお兄ちゃんがいた。
だけれど、お兄ちゃんの目を見ると暗く染まっていたが、その瞳にも私は何故か心が疼いていた。
そんなことより、なにがあったのか教えてもらわなきゃ…。
あの時いなくなった事も……。
「お兄ちゃん…?、どうしたの…」
「別に大丈夫…」
「なにも話してくれないんだ…、なんでなの?」
「お兄ちゃんがいなくなった時だって、そばにいてくれるって言ってくれたのに!!」
「なにも言わないでいなくなった…なんで!?なんでなの!?」
私はただ、なにが起きたのか教えてほしかっただけなのに、それも教えてくれないお兄ちゃんに、なにも言わないでいなくなった時の事も思い出し悲しくなり、口調が激しくなる。
隣にトーカお姉ちゃんがいるけど、もう…聞かなくちゃおかしくなりそう…。
私とお兄ちゃんの間に、沈黙ができる…。
そんな中、お兄ちゃんが口を開いた。
「俺の側にいてほしくない…」
今言われた一言が、頭に響き吐き気と、心に心が壊れる痛みが何度も起きる。
捨てられるの…??、お兄ちゃんの側にいられない?。
嫌われたの?、もう会えないの?。
嫌、嫌、嫌、嫌だ!!
「お兄ちゃん!?、なんで!?なんでなの!?」
「……」
「それも答えてくれないの……?」
「俺の側にいてほしくない、お前が傷tu」
「もういいよ、なんにも言わなくてといいよ?」
さっきと同じ言葉を言われ、私の心がお兄ちゃんを逃がさない為に、歪み檻を作った。
「お兄ちゃんは優しいもんね?、きっと鳩におかしくされちゃってたんだね!」
「雛っ!?」
「大丈夫……、お兄ちゃんは私が助けるからね??」
私は蝶の羽の様な赫子を広げ、淀んだ瞳と共に口元を歪めた。