混獣と九尾と毒虫   作:魚王かます

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先週は本当にすみませんでした!!

無断休載本当にすみません!
年末で色々ありまして…。

とりあえず本編どうぞ…




Side 九尾 『傷心』

Side 九尾

 

クインケと赫子のすれ違い、大きな火花を散らしながら敵を絶命させるべく、クインケは首を切断させようと、赫子は心臓を貫こうと迫る。

 

そして、決着は大きな血飛沫によって知らされた。

 

その血飛沫は、真戸さんの心臓を貫き通したと同時に起きたものであり、貫いた赫子の持ち主である俺が負った傷は、狙われていた首ではなく、肩を抉られていた程度であった。

 

致死量の血液を流しながら、真戸さんの体は力無く倒れ、水路に流れる水がびしゃんと水音を響かせる。

 

ああ…、もう嫌だ…。

 

守りたかったはずなのに、守りたかったものがもう一つの守りたかった者と争い、争う経緯を知りながらも、俺にはなにもできなかった。

 

守りたかったはずなのに、どちらかを守る為、守りたかった者の片方を……殺した。

 

 

失いたくない、その筈だったのに。

 

 

他人が壊したのではなく、自分が壊した。

 

事切れる寸前の真戸さんの、目の前で膝からくずれ落ちる。

 

真戸さんはこちらを、なにか強い感情を灯した目でこちらを見ていた。

 

 

ああそうか、この人の目に映る俺は全てを奪う存在で、自分の命を奪った存在なのだ。

 

もう戻れないのだろう、真戸さんのわかりにくいブラックジョーク、亜門からの煩わしい程の叱り声、そんな温かくて楽しい日常も、すべては幻想だったのだ。

 

今の両者啀み合うこの世界では、大切な存在を失いたくないが為、両者傷つけ合い、同種である者とも傷つけ合う世界では……。

 

そんな世界を俺は憎み、そんな世界を変える事さえできない自分までも憎い。

 

 

 

なら俺はすべての者の憎しみの対象になりたい、できるかなどは知らないがそうすれば、なにか変わるかもしれない…。

 

もうぐちゃぐちゃになった思考の中、ただ一つだけはわかった、守りたいという気持ちは歪み形が、変わり始めているのだということを……。

 

絶望する俺の目は、感情を始めから灯していなかった様に、いつまでも続く深淵の様に暗くなり始め…、思考がトマル……。

 

 

 

 

右目の視界が赫く染まり、左目は暗く陰る。

 

 

テキ?、デカイ男だなー??

 

混沌とした思考の中、デカイ男が殴ってきた。

 

すぐに吹き飛ばし、近づいて足の骨を踏み潰す。

 

ああ…、このオト怖いなあー。

 

嫌いだなー、イラつくなー、ウルセェなー!!

 

イラつきすぎて殺しておきたくなる!!

 

 

鱗赫を引き縮め、振り下ろす…。

 

だが、目の前でもう1人の人間が刀で防ぎ、軌道を完全に逸らす。

 

あーあ、逸らされちゃった……。

 

 

 

 

あっ…、限…界かな……。

 

また…壊した…、いなー…。

 

 

 

亜門…か、足が折れてるのも全部俺か…。

死んでいなければ大丈夫。

 

ただ、そろそろ雛実とトーカを連れて逃げないとな…。

流石に不味い…。

 

俺はすぐにくるりと、身体を雛実達のいる方へと回し、2人を肩に担ぐとゆっくりその場所を去っていく。

 

 

 

 

複雑な道をゆっくりと進み、外にも近い道へと出ると2人を肩から降ろし、2人を壁に座らせると雛実が目を開いた。

 

「ん…、はっ!お兄ちゃん?!」

 

「…おはよう」

 

 

 

Side 雛実

 

いつの間にか、目を覚ますと共に目の前には、素顔を見せたお兄ちゃんがいた。

 

だけれど、お兄ちゃんの目を見ると暗く染まっていたが、その瞳にも私は何故か心が疼いていた。

 

そんなことより、なにがあったのか教えてもらわなきゃ…。

あの時いなくなった事も……。

 

「お兄ちゃん…?、どうしたの…」

 

「別に大丈夫…」

 

「なにも話してくれないんだ…、なんでなの?」

 

「お兄ちゃんがいなくなった時だって、そばにいてくれるって言ってくれたのに!!」

 

「なにも言わないでいなくなった…なんで!?なんでなの!?」

 

私はただ、なにが起きたのか教えてほしかっただけなのに、それも教えてくれないお兄ちゃんに、なにも言わないでいなくなった時の事も思い出し悲しくなり、口調が激しくなる。

 

隣にトーカお姉ちゃんがいるけど、もう…聞かなくちゃおかしくなりそう…。

 

私とお兄ちゃんの間に、沈黙ができる…。

そんな中、お兄ちゃんが口を開いた。

 

「俺の側にいてほしくない…」

 

今言われた一言が、頭に響き吐き気と、心に心が壊れる痛みが何度も起きる。

 

捨てられるの…??、お兄ちゃんの側にいられない?。

 

嫌われたの?、もう会えないの?。

 

嫌、嫌、嫌、嫌だ!!

 

「お兄ちゃん!?、なんで!?なんでなの!?」

 

「……」

 

「それも答えてくれないの……?」

 

「俺の側にいてほしくない、お前が傷tu」

 

「もういいよ、なんにも言わなくてといいよ?」

 

さっきと同じ言葉を言われ、私の心がお兄ちゃんを逃がさない為に、歪み檻を作った。

 

「お兄ちゃんは優しいもんね?、きっと鳩におかしくされちゃってたんだね!」

 

「雛っ!?」

 

「大丈夫……、お兄ちゃんは私が助けるからね??」

 

私は蝶の羽の様な赫子を広げ、淀んだ瞳と共に口元を歪めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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