やっとリアルの方が落ち着いてきたた為、少しずつですが投稿を再開いたします
Side 雛実
お兄ちゃんを傷つけた瞬間、自分がやってはいけない…、いや、もっともやりたくない事をやったという事を心からわかった時、ヒナミの中で死にたい、謝りたいという気持ちだけが溢れていった。だけれど、もう無理なんだとわかった。お兄ちゃんと前みたいに戻る事ができない、という現実が気持ち悪くなる程、頭の中に溢れていく。
その瞬間に自分が選んだ答えは…、死んでしまうという事だった…。お兄ちゃんと元に戻れないのなら、生きる意味なんてない、生きたくない。その事を思い立ったがすぐに、私は自分に心臓に向けて赫子を放った…。
お母さん、お父さん。
ごめんなさい……。
その言葉が思い浮かぶと同時に、意識が途絶えた…。
Side トーカ
目覚めてみれば、目の前の光景に驚いた。水路の壁や床には、戦闘によりできた大小の傷が無数にあり、戦闘の大きさがこちらにひしひしと伝わってくる。
そして周りを見渡せば、僅かに雛実の面影を残した何かと、雛実を置いていった馬鹿が脇腹を抉られ、大きな傷を受けており、顔は少しばかり青白くなっついた。その隣には、私の見た事ない包帯の女?が立っていた。
もう一度雛実の方を見てみる、俯いているから表情がわからないけど、ボソボソと何かを呟いていた。すると、雛実は急に顔を上げる…。すると、その顔は涙でグチャグチャになっており、今にも消えてしまいそうな程の儚かなさを強く感じてくる。すると、雛実は自らに自分の赫子の切っ先を向け始め、その瞳には暗く深い絶望が潜んでいた。
その表情を見た瞬間に、雛実を放っておいてはいけない!、そう心の中の何かが告げた気がしたと共に、すぐに惚けていた自分の意識がハッキリしていき、その危機感により私の背中をなにかに押されたように、地面を蹴って雛実の元へと一気に近づく。
クソッ!間に合え!
すぐに雛実の前に辿りつくと羽赫を最大出力で展開し、雛実自身の赫子を遮る。だが、雛実の赫子は存外硬く、羽赫を突き抜ける私に浅く突き刺さった。服を血が湿らせていくが構わずに、雛実を力強く抱き締めてやる。
後ろを振り向き九夜を睨みつけようとすると、もたれ掛かって気絶しており、近くには包帯の女が立って、こちらに胡散臭い笑顔をしていた。
「アンタ…なにもんだよ…!」
「さあ?、誰でしょうー…?なーんてね…」
ハハッ…と不気味な笑いを上げなら、嘲笑ってくる為、私の怒りもフツフツと湧き上がってくるが、なんとか表情にはでないように踏ん張る。
「答えんなってねぇーんだよ…!」
「そんなに知りたいの?、なら教えてあげ」
目の前の包帯の女が答えようと瞬間、大きな衝撃音と共にかき消され、その方向に目をやると。そこには忘れる事などできない、いつからかすれ違ってしまい決別した弟のアヤトが壁を殴った状態で立っていた。
「アヤト…?」
その後から、こいつらの仲間の奴らが3人出てくる。3人とも別々の仮面をつけており猫、狼、猪。と、関連性の見えない仮面を付けていた。その3人は一直線に九夜の元へと走っていき、1番体格のデカイ男が九夜を背負い連れ去っていく。
九夜が連れ去られていく状況に危機感を感じ、取り返そうと羽赫を出し、襲い掛かる
「おい!てめぇ!」
「…!?」
「無駄な事すんじゃねぇ…!」
いつの間にか、目の前にいたアヤトがそう言うと共に、強力な蹴りを私の腹部にめがけて放ち、もろに受けた私思いっきり、地面を惨めに転がっていく。
「弱くなったな…」
「待て……よ…ウッ」
そう一言嘲笑うように、一言の残して去っていく。包帯の女もアヤトの背後からニヤッと笑うと水路の暗い方へとゆっくり去っていく。
くそが!、なんでアヤトまで…!。あいつら…なんなんだ…よ…