リリカルなのは でオリ主が割と真面目に生きる話 作:銭湯妖精 島風
「いやぁ、人間って本当に面白いよねー。そう思わない?」
「また良からぬ事を考えていますね?ヴェスタ」
「考えてないよー? 最高神が何考えてるかわからないだけさー」
「それは、いつもの事です。ほらサボってないで仕事をしてください」
「えー」
「せーい」
ヴェスタはボコられましたw
中学を卒業して早四年
俺は新設された機動六課の食堂でテレビを見ていた
此処ミッドチルダでは流れない、地球のテレビを
テレビは俺の持ち込み、録画機能付きの高性能だ
「最近また一段と良い女になったなぁ」
テレビに出ている幼馴染を、俺は眺め続ける
生放送らしく、彼女は司会者の質問に答えていた
『そういえば篠原さん? いつもそのネックレスつけてますね? お守りですか?』
『あぁ、これですか?』
キラキラと照明に当たって光る、俺があげた物を、彼女は愛おしそうに撫でる
俺は茶を飲みながら、そんなナツキの表情に魅入っていた
『これ、私が中学卒業の時に・・・好きだった人に、もらったんです。まぁ、手紙書くって言ってくれたんですけどね、彼。最初の数ヶ月でぱったり来なくなって。長期休暇にも戻ってこなかったし。今、何してるんですかね? ふふふ!』
その発言に、俺は茶を吹き出し咽せた
「ごべっっぇっへっっ(略」
「なんやの、いきなり・・・」
驚いた顔で、はやてが俺を見ている
俺は咽せながら、テレビを指差す
「ん? 俳優さんがどないしたん?」
カメラは、ナツキから別の人物に行ったようで、その人物が喋っていた
「ま、巻き戻し、ゴホッ」
軽く呼吸困難になりつつ巻き戻してナツキが喋ってる場面にする
「あー・・・なんや、気付いてなかったん?」
そこを見て、はやて は俺を哀れんだ目で見た
「は?いや、まさか」
「ナツキちゃん、好き好きオーラ出しとったやん。バレンタインやって、君に気付かれんよう、周囲に聞き込みして甘ないの渡しとったやろ?」
確かにあれは俺好みの味だった
「・・・はやて、介錯を頼んで良いか?」
「なんでや!?」
慌てるはやてに、友人二人が駆けつけてくる
「どうしたの、二人とも?」
「何か、あった・・・?」
騒ぎを聞きつけたのか、なのは とフェイトが現れた
「んぁ?あ、あぁ・・・少しな?」
死んだ様に笑いながら言う
「ボケ男の、ただの悲観や」
「はやて・・・貴様ァ・・・」
ガンドレイクを彼女に突きつける
「私、あの後ナツキちゃんに会うたんやけど。目、真っ赤に腫らして、悲しそうに笑っとったわ・・・」
「ごふぅっっ」
俺は地べたに倒れた
「・・・どうするの?」
「傷心旅行いっといでー」
ニコニコ、はやては笑う
「教導官が休暇取ったらまずくない?」
転がったまま言う
「私がいるよ、大丈夫」
なのはが、胸を張って言った
「・・・分かった」
「お目付役として、フェイトちゃんついてったってなー」
彼女の言葉に、フェイトは頷く
「待て、なんでフェイトなんだ?」
「私や なのはちゃんは忙しいし。フェイトちゃん有給たまっとるし、丁度ええやん?」
なるほど、と渋々納得しておく
「何日貰えるんだ?」
正座に体勢を整えて、はやて に尋ねる
「一週間、充分やろ?」
「大丈夫だ、問題ない」
頷くと、はやては扉を指差した
「今日からやから、はよ行った方がええよー」
「かたじけない」
武士風に言ったら、三人から笑われた
そんなこんなでキンクリ
「久しぶりだ・・・」
海鳴市に降り立ち、俺は呟く
俺達が産まれ育った地だ
実家へ向かい歩いてて、電気屋にディスプレイされたテレビを見ると、ナツキが出てるCMが流れている
「見ない日は無し・・・か」
「すごいね、ナツキ」
フェイトもニコニコしながら、俺の後をついてくる
「あぁ・・・お前、宿の当ては?」
「大丈夫、ホテルか実家に泊まるから」
だから心配するなと、彼女は言った
「実家?アレ?プレシアさん、コッチの家残してたんだな?」
「うん。アリシアもね、こっちに住んでるんだよ」
ニコニコしながら歩いていると、俺の実家に到着する
「そっか、じゃぁ休暇を謳歌してくれよ。俺は俺のケジメをつけに行ってくるから」
「・・・死んじゃ、ダメだよ? はやても、それを心配して私をつけたんだろうし・・・」
心配そうなフェイトに、俺は言った
「いや、流石に死なねーよ・・・」
荷物を玄関の中に投げ入れ、弟に用意させた単車に跨り、エンジンを始動させる
「じゃーの」
ナツキが生放送で出ている局を確認し、そこへ向かう
着くと、警備員にナツキへの伝言を頼んだ
それから生放送が終わって数分後の事
「・・・カヅキ!」
フワフワな衣装を身に纏い、ナツキが走ってくる
「よぉナツキ久しぶりだな?一瞬どこかの姫様かと思ったぞ?」
「そ、そんなことより・・・いつ、帰ってきたの?」
少し恥ずかしそうにしながら、彼女は聞いてくる
「さっきな、お節介な部隊長が気前よく有給をくれたんだ」
「そ、そうなんだ・・・」
立ち話もなんなので、近くの喫茶店でお茶をする
「仕事は大丈夫か?」
「う、うん。この後、同じ局でドラマの撮影だから」
コーヒーカップを手に持ち、ナツキは俯く
「ナツキ、お前に伝えたい事がある」
「な、何・・・?」
若干、怯えたような、悲しげな瞳が俺を見つめる
「結婚を前提に俺と付き合ってくれないか?」
「え・・・?」
ポカン、と惚けた顔で、彼女は聞き返した
「いつか俺の嫁さんになってくれ」
理解した途端、ナツキは顔を真っ赤にし、机へ突っ伏す
「ナツキ?」
「な、ななななんで、いきなり、そんな・・・///」
狼狽えて、声が震えている
「いや・・・まぁ向こうで、それなりの階級まで出世したし、お互い来年は成人認定されっし?」
「そ、そんな事、いきなり言われても・・・///」
机から身を起こし、彼女は俯いたまま目を合わせないようにしていた
「・・・やっぱ迷惑だよな?」
「迷惑じゃ、ないんだけど・・・その、私・・・アイドルだし。色々、時間合わないから・・・」
口を噤んだナツキへ、俺は告げる
「元より遠恋、気にする必要は無かろう?」
「あ・・・」
顔をあげた彼女の肩を、誰かが叩いた
「ナツキちゃん、そろそろ・・・」
「あ、はい。ごめんなさい裕里さん。カヅキ、ごめんね。お仕事の時間だって」
ナツキは紙ナプキンを取り、そこへサラサラと何か書いて俺に渡してくる
「連絡、してね? じゃあ、また」
手を振り、ナツキは喫茶店を出て行く
「掴みは良好・・・か?」
紙ナプキンの文面を携帯端末に入力して紙ナプキンは綺麗に畳んで胸ポケットへ入れる
それから会計をして単車に跨る
メールを入れ、返信の結果、午前二時に迎えに行く事になった
そんな訳で午前0時まで仮眠を取り、体裁を整えてナツキを迎えに行く
彼女は正面玄関で、仲間と思われる男女と喋っていた
「・・・あ、カヅキ!」
手を振り、ナツキはこちらへ向かってくる
「お疲れ様」
「うん、ありがとう」
何処かで見た覚えのある一人の男性が俺を睨みつけていたが、無視を決め込む
「あ、あのね? この場所に向かって欲しいの」
メモ用紙にサラサラ書いた住所に、俺は首を傾げた
「仰せのままに、我が姫」
メットを渡して言う
「じゃあ、みんなまたね?」
メットを被り、ナツキは後ろへ乗り込んだ
「掴まってろよ?」
安全運転で走り出す
それから数分バイクで走り、高層マンションに着く
地下駐車場にバイクを停め、ナツキと共にそこの高層へと辿り着いた
「良いトコに住んでるな?」
「うん、社長がね。売れて、会社も大きくなったからって。ボーナスだって」
クスクス、彼女は楽しそうに笑う
「へぇ〜」
六課の任期満了したら家買うかな・・・
ソファーに座った俺の前に、ナツキはお茶を出してくれる
「あんがと」
「口に合えばいいんだけど・・・」
お盆を抱え、彼女は はにかんだ
「腕を上げたな?美味い」
「あ、ありがと・・・///」
ナツキは反対側に座り、自分もお茶を飲む
「改めて、久しぶりだな?ナツキ、そういや答えを聞きたいんだが?」
「あ、う・・・///」
ティーカップを持ち、彼女は目を逸らした
「嫌なら断ってくれて構わない」
茶を飲み言う
「嫌じゃ、ない・・・私、また会えて嬉しい・・・///」
「俺も嬉しいよナツキ」
ティーカップを置き、彼女の隣に座る
「カヅキ・・・好き///」
「俺もだナツキ」
目を潤ませ、俺を見るナツキへキスをした
「カヅキ・・・///」
それからいい雰囲気になり、俺と彼女は一夜を共にした
えぇ、美味しく頂きましたよ
朝日が昇る頃、起きた俺は彼女を抱き寄せる
「ん・・・」
「ナツキ・・・」
髪に頬ずりしていると、ナツキが目を覚ました
「おはよう」
「・・・おはよう。昨日はお楽しみだったみたいね?」
クス、と彼女は笑い、ベッドから抜け出した
「・・・お前、思い出したのか?」
「んー? なんのことー?」
脱ぎ散らかした衣服を集めながら、尋ねてくる
「シャルロットだろ?お前」
「そうね。前世では、そう呼ばれてたわ」
俺も起き上がり、彼女を見つめる
「まさか・・・・魂の底に居たのか?」
「そ。ちゃんと、あんたの愛しいナツキちゃんもいるから、安心しなさい?」
ナツキはそのまま、衣服を洗濯しに行った
「・・・マジか?」
アイツの声を聞くと昔を思い出して口寂しくなる
「タバコ喫みたくなってきたなぁ」
「ちょっと、やめてよね。表のあたしはどうか知らないけど、あたしは嫌いなんだから」
バスローブを持ってきたナツキは、俺にそれをかぶせてくる
「さーせん」
「口寂しいなら、塞いであげましょうか?」
妖艶に笑う彼女に、俺は言った
「頼んだ」
俺たちは、濃厚なキスを交わす
「てか、あたしでいいわけ? あんたの愛しい愛しいナツキちゃんじゃ、ないんだけど?」
またもやテンションが上がり、美味しく頂いた後、彼女は言った
「お前もナツキだ、お前も含めてナツキだ、だからお前も愛してる」
「ふーん? このまま乗っ取っちゃおうかな?」
俺の肩に頭を乗せ、ナツキはニヤニヤと笑う
「可哀想だから止めてあげなさい」
「ふーん・・・?」
少し不満そうに、ナツキは俺を見上げた
「なんだ?」
「別に? お腹すいたなぁ」
ベッドから出たナツキは、キッチンへ向かい軽く軽食を作ってくれる
「食べる?」
「かたじけない」
そんな言葉に、彼女は笑った
「さて、と」
ソファーに座り、俺の肩に頭を乗せたナツキは、目を閉じる
「どうした?」
呼びかけに応えず、次に目を開けたナツキは
「あれ・・・? いつのまに夕方に?」
キョトンと、窓の外を見ていた
「疲れてたんじゃないか?」
「そう、かなぁ・・・。というか、なんでソファーに座ってるんだろう・・・?」
ハテナマークを頭に浮かべて、彼女は首を傾げる
「疲れてたんじゃないか?」
「・・・うーん?」
まぁ、俺の言葉に納得したのか、ナツキはそれ以上追求はしてこなかった
それから帰るまで、俺はナツキの部屋に入り浸った
もちろん、フェイトにはその旨を伝えてあったが
そして、帰る日
「本当に、見送りしなくていいの?」
彼女の部屋の前で、俺はナツキを見つめながら頷いた
「お前も忙しいだろ?次に長期休暇取れたら直ぐ会いにくるよ」
「・・・うん」
寂しげな笑顔を浮かべたナツキに、俺は小箱を取り出す
その中身を出すと、彼女の薬指へとはめた
「約束。今度は絶対」
「・・・うんっ!」
嬉しそうな彼女にキスをした後、俺は高層マンションを後にした
フェイトと合流し、ミッドチルダへと帰還する
その後、はやて達にメチャクチャ冷やかされたのは、また別のお話
やっと更新出来ました・・・
頑張って行きたいと思います