週刊○年ジャンプで打ち切りを逃れるために、UBSの主人公が本誌掲載作品をボコる   作:夏ノ雪

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R1 (ラウンド1) 男子トイレに女子が入っても問題ない。その逆は通報

東京一ツ橋。

 

皇居から歩くこと数分、目的の場所にたどり着いた。

さっそくジャンプ編集部に殴り込みだ。

 

奴らを全員殴り倒せば俺の天下になるはず。

 

 

ドカッ

 

「ぐうう」

 

透明な壁にぶつかり転ぶ。

手を前に出して触る。

 

サスサス

 

見た目には分からないが、物理的な壁がある。

 

「な、なんだこれは!!!」

 

クスクス

 

聞き覚えがある声がする。

 

後ろから現れる人影。

 

「ももっち!」

 

「クスクス・・・やはり来ていましたか。ですが現在のあなたでは結界を突破することすらできません」

 

「け、結界だと・・・」

 

ももっちは、パッツンな前髪をごくわずかに揺らしながら建物を見上げる。

 

「あなたの現在の知名度、発行部数はゼロに等しい。この結界は特定条件をクリアしなければ通過できません」

 

俺は再び透明な壁をタッチする。

 

ポチポチ

 

ダブルクリックするが効果はない。

 

「うおりゃあああ」

 

ゴツン

 

正拳突きをするが、壁はびくともしない。

 

ジーン

 

拳に残る鈍い感触。

 

「くそ~かて~な」

 

ももっちは俺を見ながら、流れるように動く。

俺を中心として。

 

「クスクス・・・分かったでしょ、警備員が出てくる前に逃げますよ。平日の真昼間から学生服姿の私たちがここにいるのは目立ちます」

 

スッ

 

スッ

 

ムーンウォークで歩き出すももっち。

後ろに目があるかのように、見事に通行人を躱していく。

 

「うあぁ」

 

サラリーマン姿の男性がももっちを見てたじろぐ。

 

「クスクス」

 

そんなサラリーマンを見て笑うももっち。

 

「ひぃ・・・全く最近の若者は・・・」

 

そういいながらさっていくサラリーマン。

 

俺はビルを見あげる。

天高く聳えたつビル。

頂上は見えない。

ビルの周りは壁で囲まれており、中には戦車の姿も見える。

 

「まってろよ、編集部」

 

俺は、通行人を引かせながら道を進んでいく、ももっちの後を追う。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

西船堀。某所。

 

「この中か?」

「クスクス・・・え~この中です」

 

扉には青い男性のマーク。

ドアを開けももっちと中に入る。

 

室内には小便を足している男が二人。

一人がこちらを見る。

 

「な、なんで女の子が入ってきてるんだ!」

 

その声に反応してもう一人もこちらを見る。

 

俺はももっちを見る。

いつも通り不気味な笑顔のももっち。

 

「敵です。やってください」

「おうよ」

 

俺は小便中の男に襲いかかる。

 

「お、おい!」

 

男はズボンをしめよとするが、そこは小便中、オロオロとするばかり。

 

俺は後ろから思いっきり蹴りこむ。

 

「ぐわぁああ」

 

ゴーン

 

便器に頭をぶつけ、倒れこむ男。

口から泡を出している。

そして股間をまるだしのまま小便を垂れ流している。

 

「お、おい、君たち、なんてことを・・・」

 

もう一人の男がそんな光景を見て驚愕している。

眼鏡をガタガタ揺らしている。

 

ブルブル

 

スタスタ

 

俺はもうひとりに近づく。

 

「ちょ、待ちなさ・・」

 

男は携帯を取り出し、どこかに駆けようとする。

させん。

俺はセリフの途中から思いっきり頭を掴み、便器に叩きつける。

 

ゴーン

 

再び響く鈍い音。

 

男は便器の中に頭を突っ込む。

 

携帯が床に転がる。

 

おれはそれを踏みつぶし、大便の中にいれる。

 

パチャン

 

これでよし。

部屋の中では、股間をだし倒れている男が二人。

 

「クスクス・・・陣。あまいですよ、敵はまだ潜んでいます・・・」

 

なんだと!

どこだ!

どこにいる!

 

俺はももっちの視線の先を見る。

 

そこは、大便。

一つの扉のみ閉まっている。

 

「気づきましたか・・・そう、大きい方です」

 

ちょっと恥ずかしそうにするももっち。

なぜこのタイミングで恥じらう・・・

 

ガクン

 

大便の個室がある方から何やら音がする。

心なしか、息遣いが聞こえる。

 

ハーハー

 

個室は5つ。

閉まっている個室は一番奥の個室。

念のためだ。

 

俺は一番手前の個室から確認する。

1番目の個室。

 

「おりゃあ」

 

ドコン

 

ドアを蹴り飛ばす。

 

「ちっ、中にはだれもいないか・・・」

「ひいいいいい」

 

どこからか、そんな声が聞こえる。

 

スタスタ

 

次は2番目の個室。

 

「うおりゃあああ」

 

ドコン

 

「っち、ここもはずれか」

「ひやぁああああああ」

 

又しても響く悲鳴。

心なしか、悲鳴の元に近づいている気がする。

 

スタスタ

 

次は3番目のと見せかけて、一番奥。

 

「うおりゃああああ」

「ひやあああああああああああ」

 

ドゴン

 

扉が拭き飛ぶ、中にいるのは少年週刊ジャ○プを読んでいる男子学生。

便器に座ったまま気絶している

口から泡をだし、恐怖に顔を歪ませている。

 

怪しいな・・・

 

「ちっ、気絶してやがんのか・・・」

 

俺は個室から出るふりをして、背を向け、そして回し蹴りを男子学生に決める。

一瞬目が開け、喜びの表情をした学生だが、瞬時に絶望にかわる。

 

「ぐふぉはああああ」

 

ドゴン

 

カコン

 

ポチャン

 

壁に当たり、弾き飛び、頭から便器に突っ込む。

 

これでフィニッシュか。

 

「クスクス・・・・・さすが陣。見事なお手並みですわ」

 

スッ

 

ももっちが水平移動で俺に近寄る。

 

「敵の不意を突くことに微塵も躊躇しない鋼の精神。

 わざわざ回りくどい方法で恐怖を演出するエンターテイメント性。

 戦意喪失した相手に全力で追撃する隙のなさ。

 私が見込んだ男ですわ」

 

「うん、当然だ。それでももっち、これからどうすればいい?」

 

ももっちはフラフラと浮浪者の様に男の便所の中を彷徨う。

フィギュアスケートの演技のようだ。

 

フィギュア!

 

そして俺に話しかける。

 

「陣。あなたはあの神社でソードマスターヤマト様の加護を受けた、違いますか?・・・クスクス」

 

俺は記憶を思い出す。

確かに光に包まれ映像が頭の中に流れ込んできた。

 

「確かに・・・そんなもの受けたかもしれない」

「やはりですか・・・UBSのスマホを出してください」

 

俺はポケットから取り出す。

よくみると知らないアプリがインストールされている。

 

「あれ!なんか入ってる!」

「噂は本当だったようですね。それが有れば他の連載作家を倒し、人気を奪う事が出来ます」

「ほ、本当か・・・」

「えぇ、ちょっと貸してください」

 

俺はももっちにスマホを渡す。

細長い綺麗な指でスマホを操作するももっち。

 

スマスマ

 

「陣、見て下さい。ここに作品名の一覧があります」

 

確かに・・・・

どうやら掲載順に並んでいるようだ。

ももっちは一つの作品をタッチする。

作品情報の詳細が表示される。

 

そして下には大きく、「ワープ」のボタン。

 

「このボタンを押せば、表示されている作品の世界にワープすることができます」

「そんな馬鹿な・・・」

「クスクス・・・・いえ、本当です。これを使い、掲載作品のキャラを倒していくのです。そうすることで、彼らの人気を奪う事が出来ます」

 

俺は胸に湧き上がる衝動を感じる。

 

やれる。

これでやれる。

心の中のヤマト師匠も喜んでいる気がする。

 

「よし、それならすぐにでもワープだ」

「ええ、もちろんです・・・・初めはどこにしますか?」

「そんなもんどこでもいい。どうせ全員倒すんだ。適当でいくぜ」

 

俺は適当にスマホを操作してワープボタンを押す。

 

ポチ

 

「クスクス・・・・さすが陣様。不測の事態にも乱されぬ胆力、しかと拝見いたしました」

 

そうして俺とももっちは光につつまれていく。

温かな光に・・・

つつまれて。

 

ガチャ

 

「うわぁ。な、なんじゃこりゃ!!何が起こってたんだここで・・・」

 

消える瞬間、そんな声が聞こえた気がする。

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