リアル?モンスターハンター 異世界に飛んだ男の帰宅物語? 作:刀馬鹿
ガ○ダ○ファイト、レディィィィィゴー!
ちなみに若干内容薄め……な、気がする
~刃夜~
村長の依頼を受けて久方ぶりにハンターとしての仕事で、ユクモ村のすぐそばにある渓流へとやってきた俺とリーメとムーナ。
途中でジャギィの気配を見つけた俺は、ムーナをエリア2にとどめておき、二人で忍びよって不意打ちを仕掛けて、見事ドスジャギィを含む、ジャギィ、ジャギィノスの討伐&捕獲に成功したんだが……。
それが終わった瞬間に、威風堂々といった具合に随分と泰然とした態度で、今目の前にいるモンスターがやってきたのだけれど……。
見たことない個体だな
まぁ俺が見たことあるモンスターってものごっつ少ないけどね……。
顔の形がパッと見だが……狼に見えなくもない。
「リーメ、こいつなんて名前?」
わからない以上この世界の住人のリーメに聞いた方がいいだろう。
そう思って声を掛けてみたんだが……。
「し、知らないです……」
「……何?」
「こんなモンスター、見たことありません」
……マジで?
ということはこいつも移住してきたモンスターか?
互いに油断なく見据えながら、互いが互いで動くことが出来なかった。
「クウゥ~」
相手が遠吠えのような声を上げると、周りの虫たちに変化があった。
どういう理屈かは知らないが、まるで誘蛾灯に群がる虫のように、ゆっくりとモンスターに虫……電気虫? が集まりだした。
パリ パリ
そしてそれに伴い、敵の発光具合が変化していく。
徐々に電気がはぜる音が増えてゆき、そして光量がどんどんと明るくなってゆく。
……電気? ……まさか!?
「リーメ! すぐに川から上がれ!」
「へ?」
「ギュオォォォ!」
敵が大きくうなると同時に、肩から背中へと続いている黄色の堅い外殻が展開し、敵が目にも見えるような電気を纏いだした。
咄嗟に言っても反応出来ないだろうから、どうにかリーメをけっ飛ばしてやったのだが、少し遅かったらしく足が一部水の中に突っ込んだままで、電流がリーメの体に流れる。
ババババババ
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「リーメ!?」
本当に刹那の時間ではあったが、リーメの体に敵の電撃攻撃が流れ込んでしまった。
俺はすぐさま駆け寄ろうとするのだが、敵がこちらへと全力で走ってくる。
「ちっ!」
それに気づいてすぐさまに俺はナイフを投擲して迎撃を行う。
が……。
ガギャ!
なっ!?
なんと敵はもっとも堅いであろう前腕でそれをガードしたのだ。
無論ガードしたといってもナイフの速度が速度なので、咄嗟に前に出した腕に当たったというのが真相だろうが。
しかし、大して気を込めていないとはいえ俺のナイフを防ぐとは……
ちょっと驚いてしまう。
しかし驚いてばかりはいられない。
このエリアは水辺なので地面に倒れ込んだリーメに電流がいつ流れるともわからない。
やむを得ん!
あまり使いたくなかったが、俺は右腰に装備している、新たな得物を皮のホルスターから取り出し、中心を折った。
そしてその中にこの武器同様に右腰に装備していた、丸い筒状の物を装填し、折っていた中心部を元に戻した。
ガチャン
ある意味懐かしい機械音が響き、俺は握っているグリップに軽く力を込めて
ドン!
爆発音と共に一発の
「グオォ!」
突然のことで何が起こっているのかわかっていないのだろう。
俺は気でリーメの体を探り当てて、体を持ち上げると、いったん滝壺の方へと走っていく。
そして走りながら排莢を行い、先ほどの弾とは別の弾を込めて、真上へと発射した。
ドン! ヒューーーーパン
それは真上へと煙の尾を引きながら飛んでいき、五十メートルほど飛ぶと爆発し派手な音を響かせる。
それを確認して俺はすぐにホルスターにそれをしまい、リーメに駆け寄る。
俺が右腰に装備していた新装備とは、単発式の中折れ機構搭載のグレネード発射装置だ。
正しく言えばそれのホルスターと弾丸を装備できる革ベルトもセットで制作した。
そしてわかっているとは思うが、一発目はスモークグレネードで、二発目は信号弾。
ムーナを飼い始めて、ある程度俺を乗せて飛行することが可能になったときに考えたことがこの武器だった。
そしてリオスさんに協力を仰ぎ、完成させたのがこの単発グレネードランチャーだ(名称未決定)。
たとえば俺が狩りをしていて、ムーナを呼びたいときなどに利用すると便利だと思ったからだ。
もしくは今みたいに合図を送りたいときとか。
まぁついでに言えばこの世界のボウガン、と呼ばれる武器(俺はボウガンとは思ってないけど……)の弾を発射できると便利そうだからその弾の口径と同じ口径の銃を作りたかったというのもある。
っていうかこの世界のボウガンって言われてるのボウガンじゃ断じてないよ!!
もはや銃だよ、銃!
しかもマシンガンとかよりも質が悪い。
弾が大きいから飛距離もあまりないし、かさばるけど……威力がおかしい。
一番威力のない弾で岩を破壊できるって……どういうこと!?
多分モンスターの素材を使っているからなんだろうけど……。
「ゴワァァァァァ!」
そう、合図なのでムーナは俺の期待通りに、頭上から飛翔してきてくれて、俺のそばに着地した。
電撃の被害に遭わないようにエリア2のそばの岸にいてよかった。
「キュ~?」
「ムーナすまん! リーメをつれてキャンプへと戻ってくれ!」
俺は岸に来るまでにポーチから余った紐を出して大急ぎでリーメの体に負担がかからないように縛っておき、その先っぽを輪にしてムーナの口にくわえさせる。
たったいま担いだ時にざっとリーメの体調を探ってみたが、命には別状がないことはわかった。
しかしここに放置しておくと、いつ俺とモンスターの攻撃の余波が襲ってくるかもわからない。
ならばムーナに送ってもらうのが賢明だろう。
出来れば先ほど捕獲したジャギィとジャギィノスも送りたかったが、さすがにあれらをさらに紐で縛っている余裕はなさそうだ。
まぁ最悪の場合でも事情を説明すれば問題ないだろう。
「キュ!」
言っている意味が完璧に伝わっているらしく、ムーナは軽く俺に返事をすると、紐をしっかりと噛んでそのまま飛翔していく。
それを見て慌ててこちらに向かおうとしていた敵には、俺が殺気をとばして動きを止める。
「お前の相手は俺だろう?」
「グルルルルルル」
どうやら敵も俺が倒したいらしい。
こちらに仕返しとばかりに殺気をとばしてくる。
殺る気満々だな……
しかしリーメすら知らないモンスターが何故ユクモ村そばのこの渓流にいる?
いやあまりリーメが好戦的な性格でないことを考えると、単にリーメが知らないだけの可能性があるが……しかしあの子結構博識だからそれはないと思われる。
今まで行っていた地図の測量の時の採取の仕事も薬草の名前ほとんど知ってたし……。
となると……。
移住、ないし未知のモンスターといったところか?
そう思って俺は再び相手のモンスターを観察する。
体の基本色は青色と言うよりも翡翠色みたいな感じで随分と綺麗な鱗。
巨大な前足には当然と言うべきかそれに見合った爪がついており、しかも横の方にもついている。
体の至る所に真っ白な体毛を生やし、肩や顎に尻尾、そして前腕には偉く堅そうな黄色い外殻で覆われている。
口に生えるその牙と、額から突き出ている角も随分と堅そうに見える。
そして何よりも、薄暗い木々の下から出てきたにも関わらず、こいつの体ははっきりと見て取れる。
どういう原理かは知らないが、こいつは電気を発電できるらしい。
っていうかさ……ずっと思っていたんだけど……
そう、敵の肩から背中に掛けてある黄色い外殻が展開しているのを見て……俺はずっと思っていたことがある。
それは……。
お前は……シ○イニン○ガ○ダ○かぁぁあぁぁぁぁ!
今の状態はあれですか!? スー○ーモードかなにかですか!?
そのうちシャ○ニン○フィンガー! とか関ヴォイスで叫び出すんじゃねぇだろうな!
「グォォォォオ!」
そいつが突然叫び出すと、猛ダッシュでこちらへと走り寄ってきて、なんと、俺の心でも読んだのか、電気を纏わせて光って唸る! 前足でひっかき攻撃をしてきた!
っていうよりもこれは前足での叩きつぶし攻撃だな!
おぉ! モンスター版シャイニングフィンガー!
そんな馬鹿なことを考えつつ、俺は普通にひょいひょいと器用に避ける。
そしてまぁ、このエリアにおいて唯一の陸地から離れたら当然川、つまり水があるわけで。
敵は俺が川に飛び込んだ瞬間にその電気を纏う体を川の中へと突っ込ませる。
バリ!
当然それは俺に届いているのだが……。
「残念。きかないんだよ。俺には」
そう、どうして先ほどリーメが喰らって、俺が電撃を喰らわなかったのか?
気壁を展開して防ぐことはもちろん可能だけど、今回は違う。
答えは単純明快。
俺が履いているコンバットブーツはゴム素材も使用されているので電気が通らないのだ。
絶縁体万歳。
しかし……電撃を身に纏っているってのは厄介だな
別に今の状態でも普通に気壁を纏って叩っ斬れば問題ないのだが……。
しかも電撃がきかないのに驚いている今が好機……。
しかし電気の存在が少々面倒な物なのだ。
狩竜は鉄製なので当然電気を通す。
気壁があればそんな物関係ないのだが、モンスターの気で作られているであろうその電気がどのような弊害を起こすかわからない。
まぁゴム素材で防げているわけだから問題ないのかもしれないけど……
ジャリ
ん?
そこで俺は足下の
お、古くさいがこれで行くか
そう考えた瞬間には俺はそれをしゃがんで水の中から引き上げた。
引き上げられて出てきたそれは、拳ほどの大きさの石だ。
石で古くさい攻撃=???
つまりは投石だ。
「喰らえ雷狼! 俺の球は新幹線よりも速いぜ! 俺の球は時速四百キロだぁぁぁぁぁ!」
我ながら意味不明なことをほざきながら全力で敵に向かって投石した。
そしてそれは俺の狙い通り、敵の右の角へと命中した。
ガンッ!
「ガァァァ!」
キュゥン
角が折れて悲鳴を上げると同時に、敵の帯電が弱まる。
しかし完全に消えたわけではないようで、まだうっすらと電気の膜みたいなものが纏われている。
だったらよぉ!
俺は足で気を爆発させての瞬間歩法で一気に距離を詰める。
敵はいたがっているのではっきり言って隙だらけだ。
俺はその顔面に思いっきりドロップキックをぶちかましてやった!
「くらえ! レインボウ!」
ボキッ!
「ガァァァァ!」
すると左の角まで見事に折れてしまった。
そしてそのショックからなのか、最後の薄い膜さえもなくなり、完全に電撃を身に纏わない最初の状態に戻った。
勝機!!
それを確認した俺はずっと手に持っていた狩竜の鞘を上空へと打ち上げるようにして抜刀する。
しかし敵もさすがに危機を感じ取ったのか、最後の反撃とばかりに前足を軸に体全体を使って尻尾で周囲をなぎ払った。
が……
「残念」
敵が尻尾でなぎ払って宙で体を反転させているとき……俺それよりも遙か上空へと飛び上がっていた。
当然、死角である直上にいると思っていなかったのだろう。
敵が動揺しているのを感じられる。
しかも今敵は空中にいる。
方向転換は出来ない。
「じゃあな雷狼。空閃」
ヒュゥゥゥン
気の足場を展開しつつ、俺は宙で狩竜を一回転させて振り抜いた。
それから地面へと着地し、少し前へと歩いていく。
そして夜月や花月を拭ったのとは別の布を取り出して、血のついていない狩竜を軽く拭き、鋒(きっさき)を上にして前方へと狩竜を差し出した。
ヒュンヒュンキィン
ドバッ!
そして上から振ってきた狩竜の鞘が刀身を包み、切羽が音を立てて、ドスジャギィ同様その体が真っ二つになる。
「なかなかおもしろかったぞ?」
そう言いながら合掌し、改めて周囲の気配を探知したが、特に異常はなかった。
「ふぅ、今度こそ、依頼たっせ……」
キィン
そう思って安堵していると、リオレウス戦の時と同様、また俺は何かを感じた。
これは?
その何かを探しに向かうと、それはリオレウスと同様、尻尾から感じられていて……。
俺はあの時と同じように水月で尻尾の一部を切断する。
そしてそこに手を突っ込んで中からそれを取りだした。
「……やっぱり紅玉か」
予想通りと言うべきなのか……まぁリオレウスの時と同じ感じがしたからそうだと思ったけど。
しかしレウスの紅玉と違って随分と小さい。
親指と中指で丸を作ったくらいの直径だろうか……。
色はとても濃い青緑色をしているので……碧玉といった方が正しいだろうか
そしてその碧玉はリオレウスの紅玉同様、内部にすさまじいまでの気をため込んでいた。
しかしサイズの違いからなのか、紅玉よりは気の総量がなく、しかもあの時の紅玉と違い意志のような物は感じられない。
……やはりあの紅玉が特殊だったんだろうな
そういえばあのリオレウスと違って殺気を操るなんてこともしてこなかった。
とするとあのリオレウスはよほど特殊な火竜だったに違いない。
今更ながらの新事実……
まぁしかしそれはすでに過去のこと。
考えるよりも先にキャンプに戻っているリーメとムーナの元に帰った方がいいだろう。
とりあえず他にも使えそうな素材を適当に剥ぎ取り(また後で取りに来るけど)、まだ気絶しているジャギィとジャギィノスを肩に担ぎ、俺は一人キャンプへの道を歩き出した。
はい長々といかがでしたか!?w
これくらいの長さにしていきたい物だ・・・・・・
いくらなんでもなげぇ~よ
そして今のところ刃夜君の玉剥ぎ取り率100%w
だって! 彼は玉が欲しいなんて思ってないんだもん!
欲しいと思っていなければ物欲センサーは反応しないはずよ!!!!
二大看板モンスター、刃夜君に一瞬で討伐されたという……
う~ん、強くしすぎたか? 一応この後に出てくるモンスターたちはファンタジー要素が含まれるのでものごっつ苦戦するんですけど……
武器を鍛造しつつ、再び食堂の店長として武器ではなく包丁を振るう生活に戻った刃夜君。
しかしまたまたと言うべきなのか、その生活は長く続かなかった。
なんと森と丘に蒼い○○○○○が飛来してきてそれの討伐依頼を受ける。
森と丘に着いてそれと対面すると、なんと敵は○○が使用できるというとんでもない飛竜だった!
次回 「運命の激変(仮)」
ついに物語は佳境へと潜り込んでいく!
こうご期待!