リアル?モンスターハンター 異世界に飛んだ男の帰宅物語?   作:刀馬鹿

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ぶっちゃけいおう!!!!!

この話はただ前回と今回のタイトルを使いたかったがために分けた話であって、今回の話は前回のにぶち込めた!

けどしなかった!

何故か!? タイトルを別にしたかったから!!!!!


ただそれだけです!


それではどうぞ!

大変だったよ……ママン……




龍剣

~刃夜~

 

 

ジンヤさん準備が出来ました!

 

 

!?

 

 

戦闘の最中……それが聞こえた……。

だがそれを悟られないように、雰囲気や顔などに変化を出さないように注意する……。

 

 

了解した!!

 

 

とりあえず少しの魔を込めて……俺はレーファの桜火竜の紅玉へと思念を送る……。

その返事を聞き……俺はムーナに合図を送る。

 

 

トントン

 

 

俺が腰掛けているムーナの背中……。

敵に見られないように留意しつつ、俺は指で叩いた。

それに気づいたムーナが少しずつ……少しずつ、敵の攻撃を避け、俺が敵の攻撃を防ぎ、反動で飛ばされたときに、徐々に徐々に霊峰の方へと引いていく……。

 

 

 

 

【……しぶといな】

 

 

 

 

その思念と供に……胸が光る……。

敵が口内に凄まじい魔力を纏わせて……吐き出そうとする。

 

 

 

 

!? 勝機!!!!

 

 

 

 

前回、俺たちを吹き飛ばした、あの凄まじい激流のブレスだ……。

俺はムーナに思念を送り、これからどうするかを合図する。

ムーナもそれに気づき、俺たちは身構えた……。

 

 

 

 

【喰らえ!!!!】

 

 

 

 

そして放たれた水の激流……。

俺たちはそれをあえて受けた……。

 

 

 

 

ズン!

 

 

 

 

気と魔の壁を展開したイロナシにそれがぶつかり……俺たちは後方へと押されていく……。

後方……霊峰へと……。

そしてある程度拮抗したら、吹き飛ばされた……。

 

 

「ぐっ!?」

 

【うぅ!?】

 

 

七割方本当に吹き飛ばされたので、多少のダメージを負ってしまう……。

だが全く問題はない。

それはムーナも同様……。

 

 

 

みんなは……

 

 

 

気配を探る……。

 

するといた……。

 

下の方……天をも貫かんとばかりにそびえ立つ切り立った山、霊峰の上に、複数人数の気配を感じる……。

どうやら本当に問題なく、準備が整ったようだった……。

 

 

後は俺次第か……

 

 

後は、俺がどうにかして……敵を……

 

 

 

 

【我が激流を浴びてよくぞ失墜しなかったな】

 

 

 

 

目の前のこいつを……たたき落とすのみ……

 

 

 

 

「……参るぞ!!!! ムーナ!!!!」

 

 

 

 

そして行動開始の合図を……ムーナへと送る。

 

 

 

 

【ゴアァァァァアァァァ!!!!!】

 

 

 

 

銀竜が吼える……

 

俺は一旦イロナシを腰の鞘へと納め、夜月を抜刀する……

 

準備は整った……

 

後は決行するのみ……

 

これに失敗すれば、もはや勝機はない……

 

無いわけではないが……こいつを今日討伐する事は難しくなる……

 

そうすれば大陸全土が死に絶える……

 

この豪雨によって……

 

そう思うと気が重い……

 

冗談でもなく、嘘でもなく……大陸全土を天秤に掛けているのだ……

 

 

 

 

何か見落としはなかったか?

 

読み違いはなかったか?

 

作戦は周りだけでなく、自分もそれが遂行可能な作戦だったか?

 

己の、こうあって欲しいという願望の元で考えて、作戦を立案したんではないのか?

 

 

 

 

様々な不安が、俺の脳裏を駆けめぐっていく……

 

届かないかもしれない……

 

己の想いも……みんなの想いも……

 

全て敵に粉砕されるかもしれない……

 

それどころか死ぬかもしれない……

 

 

 

 

夜月を持つ手が震えそうになる……

 

それを必死に抑えようとしたとき……聞こえた……

 

 

 

 

 

 

 

 

大丈夫

 

 

 

 

 

 

 

 

クシャルダオラの時とは違って……はっきりと……

 

それは優しく……まるで俺を包み込むように、俺の体をほぐしてくれた……

 

その瞬間、震えが止まった……

 

 

 

 

無心

 

 

 

 

何も考えない……

 

これを振った結果がどうなろうとも……何が起ころうとも……

 

まだこれを振る前ではただの想像でしかない……

 

ならば……振るうだけだ……

 

 

 

 

己の想いを……みんなの想いを込めて……

 

 

 

 

ただ振るう……

 

 

 

 

「ゆけぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

 

吼える……

 

この暴風に負けない声を張り上げて……ムーナへと……

 

その声に応えてくれた……

 

 

 

 

【ゴァァァァァァ!】

 

 

 

 

ムーナを纏う、凄まじいまでの魔力が収束し、それが口より放出された……

 

小さめの炎が山ほど吐き出され……それは散弾のように、敵へと襲いかかる……

 

 

 

 

ボボボボボボ

 

 

 

 

【ムゥ!?】

 

 

 

 

敵が唸り声を上げる……

 

 

 

 

だがほとんどダメージを負っていない……

 

だがそれでいい……

 

これはあくまでも敵の気を一瞬だけ逸らすための、いわば囮……

 

その間に……ムーナから飛び上がった俺は……敵の真上……

 

ちょうど俺と霊峰の間にいる……敵の真上へと躍り出る……

 

そして……気づかれないようにするために、一切溜めていなかった気と魔を……一瞬で練り上げる……

 

 

 

 

「くらえ……」

 

 

 

 

破壊神、崩壊神の気と魔を練り上げた……究極の衝撃……

 

 

 

 

 

 

 

 

「破衝崩撃!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

それを纏わせた夜月を……下にいる敵へと……俺は振り下ろした……

 

 

 

 

【なっ!?】

 

 

 

 

何に驚いたのかはわからない……

 

だが敵が驚愕し、それによって僅かな隙が出来る……

 

その一瞬を……破衝崩撃が迫る……

 

そして……敵に激突……

 

一瞬の拮抗の後……敵は遙か下……霊峰の地面へと落ちて……激突した……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってぇ―――――!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

言わなくても良かった事だった……

 

だが叫ばずにはいられなかった……

 

そして作戦通り……地面……霊峰の真ん中に落ちた敵を囲むように設置されていた……いくつものバリスタから……一斉に黒い棘が……発射された……

 

 

 

 

ドドドドドドド!!!!

 

 

 

 

【ガァッ!?!!?】

 

 

 

 

それは敵の魔力壁を、嵐の鎧を貫いた……

 

それによって勝ち鬨にも似た声が、歓声が上がった……

 

 

 

 

アカムトルムの棘を、バリスタから発射出来るように巨大な矢の形状に加工した、巨大な銛だった……

 

その重さによって、暴風に吹き飛ばされることなく、敵の体を穿ち……そしてその返った刃によって敵の体からそう簡単に抜ける事はない……

 

そしてそれの末端に結ばれた、巨大なワイヤーが、敵の行動を阻害し……動きを止める……

 

 

 

 

それを確認した瞬間に……俺は夜月を納刀し、気の足場を使って下へと駆ける!!!!

 

 

 

 

「オォォォォォォォ!!!!」

 

 

 

 

イロナシを抜剣し、それを右手で逆手に持ち、急速に落下する……

 

敵は今うつ伏せになっている状態だ……

 

ブレスを吐く事は出来ない……

 

 

 

 

【舐めるなァァァァァ!】

 

 

 

 

だが敵もそう簡単に諦めない……

 

必死に拘束から逃れようと身をよじりながら、俺へと魔力で構成された凄まじい暴風を浴びせてくる……

 

本来であれば、俺もそれで吹き飛ばされていただろう……

 

実際、前回俺はこの敵の魔の風で吹き飛ばされた……

 

だが、今回は違う……

 

 

 

 

【何!?】

 

 

 

 

俺が飛ばされない事で、敵が驚きの声を上げる……

 

だがこの結果が見えていた俺は、驚きもせず……ただ突貫する……

 

 

 

 

アカムトルムとウカムルバスの素材で造られたこの防具は圧倒的な重さを誇る……

 

それだけでも吹き飛ばされないが……それだけではない秘密があった……

 

 

 

 

斬れる鎧……

 

 

 

 

触れただけで指が落ち、放たれた矢は四方へと切れ、斬りかかられた剣は、逆に剣を切断する……

 

ただそこにあるだけで全ての物を切断する事の出来る鎧……

 

それが暁凜丸【覇崩】……

 

その全身の刃と棘で……俺は敵の魔の風を切り裂きながら進んでいるのだ……

 

敵が吹き飛ばすので風を使ってくるのはわかっていた……

 

だからこそ、重いと言うだけではない……武器にも防具にもなりうる鎧を製造したのだ……

 

そしてその鎧で……敵へと突き進む……

 

そうして俺は右手を握る指に力を込めた……

 

 

 

 

神器……ラオシャンロンの力……龍刀【朧火】……

 

 

 

 

今回はそれではだめなのだ……

 

重さが足りない……

 

厚さが足りない……

 

大きさが足りない……

 

だからこそ、俺はリオスさんに大剣を製造してもらったのだ……

 

 

 

 

龍剣……顕現……

 

 

 

 

左腕が紫色に輝く……

 

そしてそれだけでなく、首にある力の爪と守りの爪も輝きだした……

 

それに宿った力を……それが持ち得る究極の魔を……イロナシへと注ぎ込んでいく……

 

敵は風を使う相手……

 

俺が吹き飛ばされなくても、武器が吹き飛ばされては意味がない……

 

だから……吹き飛ばされない……重さを……厚さを……大きさを持つ剣を装備した……

 

 

 

 

そして……それが顕現する……

 

 

 

 

全体のフォルムは……鋭い円錐のような形……

 

刃の根本は黒く、先へ行くほど明るい色へとなっていく……

 

濃い緑の色が……龍への恨みの毒のように……猛っていた……

 

先は黄色に光り……強く、猛る……魔の力……

 

そしてそれを覆うように展開する……覇と崩の力……

 

 

 

 

日の光を遮る、荒天を滅ぼす……究極の大剣……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「|龍剣(りゅうけん)……【|朧ノ光(おぼろのひかり)】!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆の希望を……光を乗せたその剣……

 

 

 

 

 

 

 

 

【貴様あぁぁぁぁぁあ!!!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

吼える敵の背中へと……突き刺すために……落ちる……

 

 

 

 

 

 

 

 

コォォォォォォ!

 

 

 

 

 

 

 

 

それに呼応して……鎧にも変化が生じた……

 

全体的に……赤くに染まった……

 

アカムトルムの装甲はまるで、あの破壊神が魔力を充てんさせたときのように、赤く、赫く染まる……

 

敵の腹の甲殻……普段は白かった甲殻が朱色に染まり光り輝く……

 

ウカムルバスの素材を使った箇所は……青白く光り輝いていた……

 

そして二つの宝玉を溶かしてかけた陣羽織は、太陽のように光り輝き、端々や中を走る模様のような線は青白い光を放ち、この暴風雨の暗闇を照らす……

 

 

 

 

そして、中央の角……宝玉の塊であるその角は……天を貫かんばかりに光……まるで灼熱の炎が角から上がっているようだった……

 

 

 

 

背から吹き出す破壊神と崩壊神の力が……赫と藍の粒子となって……俺を加速させる……

 

 

 

 

全身から赫と青白い光を放ち……右手に持つ大剣は、紫に輝いていた……

 

 

 

 

そしてその大剣を……俺は敵の背中へと突き刺す……

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りを震わす……轟音……

 

龍剣【朧光】は……深々と、敵の背を穿ち……その光る胸をも貫いていた……

 

 

 

 

【……貴様】

 

 

 

 

敵が最後の抵抗なのか……俺へと憎悪の籠もった魔と殺意を向けてくる……

 

だがそれしか出来ない事はわかりきっていた……

 

間違いなく、敵の核を潰したのだから……

 

 

 

 

「人間を舐めすぎたな……。俺だけじゃなく、他の連中も……」

 

 

 

 

【……そうだな】

 

 

 

 

周りの連中は、まだ動かない……

 

俺が何かとしゃべっているのを……ただじっと、見つめていた……

 

 

 

 

【今度こそと思い……十分に魔を蓄えていたのだが……まさか神ではなく、人間に敗れるとは……】

 

 

 

 

その言葉と供に……敵の体が薄れていく……

 

紫の粒子を……宙へと飛散させながら……

 

 

 

 

【さらばだ……使者よ。さらなる絶望の果てに……貴様が何を見るのか……見届けよう】

 

 

 

 

さらなる絶望?

 

 

 

 

そう言って……敵は消えた……

 

そしてそれと同時に、龍剣【朧光】も消えて、元のイロナシへと戻っていく……

 

敵が消えた事によって、俺も地面へと降り立った……

 

 

 

 

そして……前を見るとそこには……

 

 

 

 

光り輝く、球があった……

 

 

 

 

空色の中に、白い風のような線が入り乱れた……不思議な球だった……

 

 

 

 

俺はそれへと左手を向ける……

 

そしてそれは、俺の左腕へと向かってきた……

 

 

 

 

フォン

 

 

 

 

左腕へと収まる光……

 

そうしていると……雲が晴れてきた……

 

そして俺の背後から光が差す……

 

 

 

 

「……一週間ぶりの太陽か」

 

 

 

 

まさに台風が過ぎ去ったとのような、晴れ晴れとした空と太陽だった……

 

 

【お父さん!】

 

 

ムーナが俺へと飛んでくる……

 

俺はそのムーナの頭を、優しく撫でて上げた……

 

 

 

 

こうして、一週間の嵐を巻き起こした、荒天の神、嵐龍アマツマガツチは討伐された……

 

 

 

 

 

 

 

 

だが……それは「終わりの始まり」の、終わりでしか、無かったのだった……

 

 

 

 

ついに……終わりの終わりが……始まった……

 

 

 

 




あ~後一歩~







ママン…
今、行くよ…
今度は…
たくさん僕を…
抱きしめて……

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