プロから見たSAO攻略   作:ベルクーリ2世

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 二刀流とカイトのユニークスキルです。主人公だからといって、ユニークスキルにこだわることもなかったのですが。


第21話 ユニークスキル

 キリトはクリスマスイベントの戦闘でレベルは80に達した。カイト85、シャル81、アスナ76、クー・フーリン73、グリゼルダ72、クライン72。アルゴ70。 超チート軍団元気!である。

 

 カイトside

 

 僕にとって、そして、キリトにとってはもっと、ろくでもないクリスマスと思っていたが、神は我々を見捨てなかった。うん?この世界の神は茅場か、ノーサンキューと言いたくなってきた。それはともかく、僕とキリト、二人揃って見たこともないスキルが表示されたのだ。

 

 キリトは「二刀流」、僕は「神速」。朝キリトが報告に来て、僕も確認したら現れていた「ユニークスキル」つまりこの世界で一人だけ取得できるスキルらしい。

 

 「内容は確認したか?」

 

 「うん。ソードスキルが、飛躍的に増える。片手剣と比較したら、連撃の破壊力が段違いだ。最上位スキルの『ジ・イクリプス』っていうのだと、27連撃、上位スキルの『スターバースト・ストリーム』でも16連撃、だって。」

 

 「ここまで来るとチートと、いわれても仕方ないな。片手剣だと、確か8連撃くらいが限度だったよな。」

 

 「これ、発表しなくちゃダメ?」

 

 「いや、発表しちゃダメ、だろう。第一に2本、剣を揃えるのが難儀だ。リズに相談するんだな。2本の力が同じでないと有効ではないだろう。それにな、こんなチート技、かなりの剣でも耐久値が持たない。まだやっと半分だ。本当の魔剣クラスが出るのはこれからだろう。クォーター・ポイントの第五〇層が臭いな。

 第二にこれは、すぐには使えない、かなり練習が必要だ。少なくともスターバースト・ストリームが使えるまで、ボス戦本戦では見せるな。君を偵察戦に、毎回参加させれば、上達は速いはずだ。まさに、超チート軍団のエースに、ふさわしいスキルだな。」

 

 「ねえ、ねえ、カイトのは?」

 

 「こういう話になると、きみはとたんに、元気になるな。現金というか筋金入りのゲームバカというか。何だか、こんなの必要かっていうくらいチートだ。まず、『電光石火』これはスイッチを入れると普通の倍速、3倍速で走れる。今でさえ僕はここでは最速だ。次は『疾風迅雷』これは反応速度最速、つまり、スイッチ入れると見なくても相手の攻撃は回避できる。必要か?こんなの。いつも余裕で避けてるのに。それで、ソードスキル後の硬直時間最短って、僕、ソードスキルって、ろくに使わないぞ。最後がもう、これは魔法だな。『固有時間制御』(タイムアルター)だって。」

 

 「何なのそれ?」

 

 「ひどすぎるぞこれ、1対1でしか使えないが、『タイムアルター』の『アクセル』というのは、相手との関係で倍速、三倍速、四倍速で動ける。つまり相手がついてこられない限り、相手は止まっているのと同じってことだ。」

 

 「カイトは1対1なら相手が動いてたって無敵じゃん。でもこれ使えば、一人でボス倒せるんじゃないの?」

 

 「それがそう甘くない。この能力を使うと、こっちのHPが減る。倍速で-30%、三倍速で-60%、四倍速で-90%だと。ボスは何をやっても一撃では無理だ。使えるかよ、こんなの。原理的には遅くもできるはずだが、そんなの使い所がないし、『神速』とは矛盾するからないわけか。」

 

 (説明しているうちに気づいた。これでPoHを始末できる。あいつを屠るにふさわしいチート技だな。)

 

 「絶対秘密だよね、これ。」

 

 「あたりまえだ。ギルメンにもだぞ。君の場合、アスナにだけは仕方ないが。うーん、超チート軍団総帥にふさわしいスキルだが、結局、誰にも見せることはできんな、これ。そもそもこのスキル使っても見えないし、どれも。」

 

 「ユニークスキル保持者、他にもいるかなあ?」

 

 「可能性はある。これ、おそらくおひとり様限定1個だろう。君が僕より上なのは片手剣スキルだけだ。このコンンプリートが取得条件だとすれば別だが、そうでなければ、各項目で君が2位というのは多い。それならあと1人、2人同時に出現してもおかしくない。つまり僕のユニークスキル取得が実質的に他のプレイヤーのユニークスキルの取得条件ということだね。」

 

 

 カイトの推測通り、この日もう一人、ユニークスキルを取得した者が居た。その名はヒースクリフ。ユニークスキルの名は「神聖剣」。この男が取得したということであれば、カイトの推測とは異なり、ヒースクリフがユニークスキルを取得したことにより、カイトとキリトにも、ユークスキルを与えざるを得ないことになったのかも知れない。

 

                                                 

 数日後 第三九層 ギルド「インビクタス」本部 団長室

 

 

 「団長、失礼します。」

 

 「あっグリゼルダ、昨日は探したよ。何処へいってたんだい?」

 

 「ええ、この子のために、第一九層へ林檎を取りに。」

 

 「あれは、少ないから大変だろう?採るのもね。」

 

 「ええ、でもこの子、普段はあれしか食べないんです。」

 ラムレイは小さくなって、大人しく従っている。

 

 「あそこにはエギルの支店がある。今はキバオウがいるから、これからは届けさせよう。普段は、というと、また、何か食べたんだね。防具を食べたのは聞いたが。」

 

 「ええ、スピードアップするブーツを食べました。わたし、この子に乗ってた方が速いですから、自分でも使えるけど、思い切ってあげてみたんです。すごく喜んで。この子のスピードがアップしました。」

 

 「スピードが上がると『突撃』の威力が増すんだったね。」

 

 「ええ、ただ、ソニックリープだと、折角のこの子の力がもう一つ生きないようで。」

 

 「そうだな。きみ、片手剣スキルの熟練度は?」

 

 「930です。」

 

 「そうか、もう少しだな。」

 

 「ええ、キリトくんの得意な『ヴォーバル・ストライク』が使えれば。」

 ヴォーバル・ストライクは片手剣二重連発スキルだが非常に強力で、槍上位スキル並の威力がある。使用には熟練度950が必要だ。

 

 「遅くなったが、いいものがドロップした。」

 

 「これは、シャドーロール!」

 

 「うん、20世紀の名馬に、シャドーロールの怪物、という三冠馬がいたよね。」

 

 「ええ、ええ、ナリタブライアンです。黒鹿毛馬でした。驚いた。そんなことまで知ってるんですね。」

 

 「ラムレイは、似てるんじゃないかな、あれに。結構似合うんじゃないか。後でつけてやってくれ。これ、突進力がブーストされるようだ。」

 

 「ありがとうございます。何よりです。」

 

 「すまないね。この世界は狭すぎて、寂しい思いをさせて。いつもありがとう。シャルはきみのことは十分理解している。」

 

 グリゼルダは、料理がまるでダメなカイトとシャルのために、しばしば料理を持ってきてくれるだけでなく、シャルに料理を教えてくれる。二人は今では姉妹のように仲が良い。カイトはグリゼルダとのことを誰からも非難されたことはなかったが、これも考えてみれば、結構すごいことだった。

 

 「わたし、寂しくないわ。この世界だからこの子がいる。この世界だから、あなたに会えた。わたしのしてることなんて、万分の一の恩返しにもならないわ。」

 

 「すこし、安心した。」

  

 「片手剣だが、きみの言う通りだ。熟練度あと20なら普通でもボス戦には間に合うだろうが、確実にしたい。キリトに言っておくから、彼とデュエルをしてくれ。ラムレイが付いているとキリトでも危ないから、降りてね。」

 

 「わかりました。失礼します。」

 

 

 

 12月30日、第五〇層フロアボス攻略会議

 

 五〇層のフロアボスは「ティアマト・ザ・ローアドラゴン」

 

 HPバーは5本、全身鱗で覆われており、しかも硬い、硬すぎる。通常攻撃では1ドットすら削れない。かなり、連撃ソードスキルのように強力な攻撃でもやっと、1、2ドット。インビクタス自慢のチート武器「アフリカン投げナイフ」でもそんなものであり、跳ね返されてしまう。要するに所構わず攻撃しても、ほとんど効かない。弱点を集中的に狙う必要がある。

 僕とシャルで図解を示して説明した。どうやって、弱点を見つけたのかは聞かれなかった。さんざん攻撃して見つけたと勝手に思っている。これほど一緒に戦っても、僕のことが全然解っていない。誰がそんなかったるいことをするもんか。しかも偵察戦で。

 実は「クレイジースロット」で4が出るまで粘って(4回もかかった)ボスを縛り、そうしておいてから、あちこちつつき回して弱点を発見したのである。体のところどころに、比較的柔らかい部分(あくまで比較的、であって硬いが1回くらいの硬さである。)が。はっきりした弱点は顎の下に逆さについている銀色の鱗いわゆる「逆鱗」だ。

 問題は、こいつには翼があって、飛び回りこそしないものの、翼を使って大きく動く。言ってみれば、ニワトリが飛ぶ感じ(沖縄のじゃない)だ。だから弱点の翼の付け根を狙いつつ、これをまず、ちぎってしまいたい。僕がクレイジー・スロットを使って翼をちぎるか、鎖で動けなくすることを狙うことになるだろう。だが、作戦としては、それが失敗することを前提に考えなければならない。

 相手の要注意攻撃は炎攻撃。オーソドックスに口から吐く。通常は避けるしかない。おそらく「逆鱗」を引っ剥がせば、止まると思われる。まとめれば、まずは翼の付け根と逆鱗に集中攻撃だ。

 

 一通り説明が済んだところで、ヒースクリフが発言を求めた。

 

 「ボスの向かって左側の炎攻撃は、我々血盟騎士団が防ぐ。右はDKBとウチから一隊振り向けたい。失礼ながら、向かって右の防御が少し弱いが、グリゼルダさんの隊はシールドがあるから、インビクタスは極力、攻撃に専念していただきたい。」

 どうやら、ヒースクリフはリンドと事前に打ち合わせたようだ。DKBは今回、全員が盾持ち戦士である。カイトが入団させたシュミットも含まれていた。

 

 「必要とあれば、我々はこのスタイルでもタンク役はできる。僕やキリトがやったのを見たことがある方もこの中にはおられるな。しかし、あくまでも、超攻撃特化が我々の身上だ。ヒースクリフさんの申し出、ありがたくお受けしたい。タフな相手だが、腕によりをかけて削ってみせよう。」

 

 ヒースクリフはさらに、過日、「神聖剣」なるユニークスキルを取得したことを淡々と述べた。そもそも盾の使い方なんか、キリトはともかく、僕は全く知らない。何でも「長剣と盾を攻防一体に使いこなすスキル」だそうだ。

 

 (やはり、あいつは今回のボスを知り尽くしている。我々超チート軍団の火力をもってしても、攻撃効果は捗々しくない。今回に限っては炎を防ぎ切って見せる方がインパクトが強い。あのスロットを使わないと苦しいというのが、どうにも困ったな。これが、デスゲームじゃなければ、4が出なくても笑って「次、行こうか」で済むものを。

 逆に目一杯ヒースクリフの奴を利用してやる。止めてくれるなら有難いじゃないか。それならベストの目は4じゃない、5だ。三節棍があれば、剣などには負けない。

 しかし、ここで、「神聖剣」取得を発表したのはなぜだ。僕に対する挑戦か。「神速」の究極スキルタイムアルターなんか、衆目があるところではとても使えない。そんなものをわざと僕に与えた。HPが減るスキルなんて他にない。そうか、まともにやっても僕のHPを削るのは不可能だ。直接対決で使うと罠に嵌るわけか。どうする?乗ってやるか?

 茅場は僕の対人戦の、人外ぶりを知らないのかもしれない。これまで、僕のシステム外スキルは慎重に隠してきたが、シャルが派手に実演してるわけだから、知ってはいるだろう。キリトの二刀流が使えるようになってから、挑発に乗ってやるか。あくまでも、今回はシステム内の勝負だ。)

 

 

 ボス戦本戦は全く、不本意な戦いだった。ヒースクリフは炎攻撃を自慢の「神聖剣」で防ぎきってしまった。炎がこっち、つまり右翼に向いた場合は、ラムレイが霧を吐き、シールドで防いだものの、ヒースククリフの3分の1くらいしか防御効果はない(それだって大したものなのだが)。結局主力のほとんどは、まず回避してカウンターの繰り返し。今まで何度も出てきたが、僕が最も嫌いな戦いになってしまった。見せ場はキリトとアスナを中心に逆鱗を剥がしたところ、そして右翼攻撃陣ではグリゼルダがラムレイの力で前衛に踏ん張りつつ、突撃で大きな攻撃効果を見せたところくらいである。MVPはヒースクリフ、敢闘賞はグリゼルダってとこか。しかし、LAボーナスはキリト。これは良かった。キリトの念願の魔剣「エリシュテータ」。真っ黒な剣でまるで、キリトのために誂えたかのような剣だった。

 

 僕はアルゴに指示し、ヒースクリフを褒めちぎった記事を書くように指示した。「勇敢にも炎を一人で受け止めると豪語し、その言葉通り、神聖剣で防ぎきった。」と。おまえの注文通りにしてやるよ。

 ヒースクリフの英雄像は「防御の要」らしい。我々とは真反対だ。守ってばかりでは、相手を倒せないではないか、というのが我々の攻撃重視というより、攻撃あるのみという思想である。だからこそ、我々のエースはキリトなのだ。

 ヒースクリフのことだから、偵察戦こそ重要であり、本当は最大の功労もそこにあることなど、百も承知だろう。だが、偵察戦を一手に引き受ける我々も、それは主張しない。僕を中心に、さんざん遊んでいることも事実だからだ。もし、偵察戦に血盟等が参加したいと言ってきたら、あっさり認めるつもりだ。もちろんその場合、当方は、本気ではやらない。だから、偵察戦が不可能になる、トラップがこの先仕掛けられているはずだ。結晶無効化空間。ボス部屋にこのトラップが現れた時が、おそらく、ヒースクリフと決別する時であろう。

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 「神速」の内容はやりすぎです。こんな機能にしてもせいぜい2回くらいずつしか使えません。「タイムアルターが好き」それだけが理由です。
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